未確認で親交系   作:優柔不断

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遅らば更新!

また文章など訳が分からない状態かも知れませんが、どうか生暖かい目で読んでいって下さいませ(´Д`)


『未確認で遭遇系』

「まさか私のクラスにも転校してくるなんてねー」

 

紅緒(べにお)居るところに我あり! さぁ! この僕の胸にだき……」

 

 いきなりだが、紅緒たちが在籍している雲雀高校にへと転校してきたオレ・三峰白虎が愛する紅緒にダイブしようとする。これはアレだな。堂々としてると素直になれるぜ!

 もうこれでもかと言うほど満面な笑顔でダイブしようとしたオレに、脇腹、腹部、胸部、顔面とあらゆる方面から刹那のように拳撃(パンチ)を食らった。

 

「ゲボォォォォォォオオオオッ!??」

 

「紅緒様に近寄るな汚物!」

 

「汚れるわ!」

 

「本当に胸に唾棄(だき)してやるよ! ぺっ!」

 

「なぁんて黒々とした感情な剥き出しのクラスなんだろう! アハハ! 皆よろしくね!」

 

 尋常じゃない軽蔑の眼差しがオレを突き刺す。

 まったく、紅緒の美しさが分かるのは良いが、それだと紅緒が一人になっちゃうじゃないか! このおバカさんたちが!

 

「あれが紅緒が言っていた子? 前髪が掛かってて片方の顔隠れてるわよ?」

 

「きっと恥ずかしがりやなのねー」

 

「……そうなのかしら」

 

 新しいクラスメイトたちから暖かい迎え入れ方をしている所に、紅緒と親しそうに喋っている少女に気付く。

 確か、鹿島撫子(かしま・なでしこ)さん。紅緒の幼馴染みで、夜ノ森家の事情を紅緒から少しだけ聞いている筈の子。

 チラリと紅緒が居るクラスを見渡すと、

 

(へへへ、……居る居る……)

 

 何人かが目線を逸らしたり、異様に無反応な者などが居る。これは完全こっち(・ ・ ・)側の人間だな。

 オレが来て本当に良かったと思っていると、担任である男性教師・一重厳郎(いちじゅう・いわお)先生が呑気そうに欠伸をしながら指示を出す。

 

「騒ぐのいいが……ふぁ~……オレが居ない時にでも騒げよオメーら。オレ責任とか負いたくねーからマジで勘弁だぞ」

 

「イワちゃんそれ教師としていけない発言ではないですかー?」

 

「イワちゃん言うんじゃねーよ、担任だぞゴふぁ~」

 

「……叱る時はシャンとしてくださ~い」

 

 これは生徒も舐められてもしょうがないと、オレが思っていると、一重先生はある空席に指差す。

 

「そこね」

 

「えっ? そんだけ?」

 

「でも意外と夜ノ森と近いぞ?」

 

「ありゃっとございます!」

 

 酔うくらいの勢いで一重先生に感謝の礼をして、そそくさ席に座る。

 すると、オレが座った席の前の奴が振り替える。

 するとびっくり、うわっ! イケメン!?

 

「うわっ! イケメン!?」

 

 思わず思ったことを口ずさむ。

 

「あら? ありがとう……じゃなくて! なにその反応っ! 恥ずかしいわあたし」

 

「いやいや、いきなりだったんでね。オレは三峰白虎。よろしく(あれ……んん? あたし(・ ・ ・))」

 

「ふぅ~……そう、挨拶(それ)したかったのよ。あたしは猪戸大和(ししど・やまと)よ♡ よ・ろ・し・く♡」

 

「お、おぉー……すげー……ホンモノや」

 

 なにがホンモノなのかは答えなくても分かるだろう。本当に居るんだコイツ。すげぇよ。コイツぜってぇ(ハート)(メタル)で出来てるよ。

 

「因みにヤマトはちゃんと女の子が好きだから安心して良いわよ。(びゃっ)くん♪」

 

「うん、ありがとう! そこスゲー気になってたありがとう!」

 

 紅緒がそう言ってくれなかったらどう反応すれば良いのか分からなかった。でも、なんかコイツは良い奴っぽい。そんな感じが伝わる。

 他にも、紅緒のクラスメイトたちだけあって、紅緒に害なすことさえなければ普通に優しい同級生だった。こんな時期に転校してくるなんて普通は不審がっても良いんだけど。

 

「おっし……じゃボチボチ始めるか」

 

 一重先生もボサボサに生やした髪を掻きながら、黒板に字を書いていく。

 

 これが紅緒のクラス。これが学校。

 

 これが日常。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

「へぇー。真白ちゃん三峰君と兄妹なんだー。双子なの?」

 

 そう言いながら、まゆらは弟のまことの背中を優しく叩きながら聞く。あれで『この子は弟で~す』とアピールしているのだ。意図は分からないが、

 

「ええ。兄妹です。よろしくお願いしますね」

 

「似てるのかな? 似てないのかな~?」

 

双子(ジェミニ)とは程遠い……これも運命の輪(ディスティニー・サークル)から外れた歯車っ!?」

 

「?……この人は何を言ってるんですか?」

 

「まこちゃ~ん? もうその言葉やめなよ~。皆困っちゃうよ~」

 

「分かったよ、まゆ姉♡」

 

 姉に注意されて、さっさく普通に戻ったまこと。これで疲労する物が減ったが、私・夜ノ森小紅の苦労は終わりそうにない……。

 

「でもお友達が増えて嬉しいなぁ~。よろしくね~」

 

「ありがとう、まゆら。こっちも嬉しいです」

 

「突っ込みどころが多々ある!」

 

 もう随分待ったが、そろそろ連れて行こう。訳を聞かないとこっちも不安でしょうがない。色々と話して貰わないと本当に困惑して大変だ!

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

『まさか……『三家』が雲雀高校にまでくるなんて……』

 

『それは『一家(いっけ)』と『二家(にけ)』が同意したことなりね!? 昔っからそう!』

 

『……それでは『十家(じっけ)』もそれを承諾した、というわけですわね』

 

『あのバイト戦士がかよ! 見てないようでよう見とるぜ!』

 

『ふぁ~……眠い。オレは…………寝る』

 

『『寝るな(ですわ)っ!』』

 

『……『九家』は放っといて良いと思います……』

 

『『四家』の言う通りだぜ! それよりも、『三家』の動向が気になるぜ! 夜ノ森家と接点ある奴は?』

 

『……まだちょっとしか話せぬなり』

 

『……わたくしも、ですわ』

 

『……(pω`*)zzz・・・』

 

『ダハハハハ!! オレ様もだぜ!』

 

『万策尽きましたー(焦)』

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

「だから前もって仲良くしてろよって言ってたんだぜ、オレ様はよぉ!」

 

「じゃソチが仲良うしてくれば万事問題解決、このモヤモヤ感もすっきり無くなりてこのような事とせずとも良かったなり!…………ぐっ! と、ともかく早う、早う行くなり!」

 

「このオレ様に命令たぁ良い度胸じゃねぇか」

 

「何してるの二人ともー?」

 

「ビクゥー!」

 

「むぎょっ!?(口でビクッって言った!?)」

 

「まゆ姉、二人の携帯落ちた」

 

「あー本当~。ごめんね二人とも~」

 

「桃内まゆらに桃内まこと! 丁度良い! あのよの……夜ノ森さんは何処に行ったので?」

 

扇子(センス)ちゃん気になるんだ~♪ やっぱり小紅ちゃんと仲良くなりたいんだね~」

 

「そ、そうなりけりよ! オホホホ!」

 

「努力はしてたんだな(おうぎ)ちゃん……」

 

攻武(おさむ)君は三峰君と友達になったの? 三峰君はこっちだよ~」

 

「三峰!? おぉ……ぉふ……わわ、分かったんだぜ!」

 

「ほらほら~扇子ちゃんも~」

 

「あ、あれ? 主旨がどこかに行きました?」

 

「帰ってきたらまたなんかあったのか?」

 

((しまったー! 帰ってきたー!))

 

 私が真白から『三峰を甘くみないでください』発言に頭が一杯になっている所で教室に戻ってみれば、そこには同じクラスメイト。六条(ろくじょう)扇子さんに五十井田(いかいだ)攻武君が何故かまゆらに引っ張られているところだった。

 皆、紅緒姉様の妹ということで接してくるのが多い中、気を使うことが多いのだが、この二人は何故か違う感じがして、前から話し掛けようと努力していたんだが、上手くいかず、まゆらやまこととしか余り喋っていない現状だった。

 だから、まゆらがたまにこの二人を捕まえて、一緒に話したりしたことがあるのだが、まだ私も気構えてしまう。

 

「あ、あの~夜ノ森さん」

 

「は、はい。なんでしょう?」

 

 ほらなんか敬語になっちゃった!

 黒い長髪に、整った美麗な顔が目立つ扇子さんが愛用している自前の(おうぎ)を口元を隠して上品に聞いてくる。和風美人とはこの人のことを言うのだろうなぁ。

 

「先程の、その、三峰くんの妹さんは?」

 

「あれ? 私の後ろに居るはずじゃ……」

 

 私が後ろを振り向くと、そこには誰もいない廊下だけだった。

 

「あれっ?」

 

「きっと廊下にあった自動販売機が気になったんだぜ! オレ様たちもそれで……」

 

「舞えなされ!」

 

 ズビュウゥッ! と急に扇子さんの扇で長身で筋骨逞しい五十井田攻武君を突き飛ばした!

 攻武君はラグビーでもやってるんじゃないか、と疑われる程の体格なのだが、華奢な扇子さんが一撃の元吹き飛ばした。ど、どうしたの!?

 

「……今の」

 

「コホンっ!……古武術なりけりよ」

 

 何か疑問に思ったのか、優雅に舞っている扇子さんに白夜が質問しようとすると、扇子さんは恐る恐る私を見ていた。

 

「こ……古武術なり、ですよ?」

 

「そ、そうなんですかー(口調が相変わらず変わってるなー)」

 

 扇から隠し出る顔に、私は思わず見とれてしまうほど可愛いかったが、失礼なので口には出さない。

 桃内姉弟と扇子さんで廊下を出て、少し歩いたところに自販機になぜか感動して色々と飲み物を一人見定めている真白に、私はクスリと笑ってしまった。

 

「すごいです小紅ー! こんなに沢山のジュースが! ジュースがありますよー!」

 

「アハハ。そうだな」

 

 とりあえず会えたことにホッとしていると、着いて来ていた扇子さんと攻武くんが微妙な笑顔で真白に挨拶する。

 

「……ダハハ……攻武(おさむ)だぜ~、気軽にオーサムとか呼んじゃってくれちゃってもオーケーだ~ぜ~」

 

「わ、わたしは扇子と申すものなりけりよー! 気軽に(オウギ)ちゃん、と呼ぶことを許すなりねー♪」

 

「(オイィ! 笑顔が変だぜ扇ちゃんよぉ!)」

 

「(シィィ! 聞こえるでしょこのバカオーサム!)」

 

 笑えるほど隠し事が出来ない二人らしい。真白なんか白い目でずっと見ているが二人は気付いてない。

 なんだか奇妙な光景が出来上がるこの廊下に、『きゃあぁぁ~~』と黄色い歓声が響いてきた。その声だけで小紅は予想がつく。

 

「紅緒様よー!」

 

「きゃあーぁ! 紅緒様ぁ~っ!」

 

「今日もステキだわ~♡」

 

 悠々と歩きながら、各々が挨拶してくる生徒一人ひとりにきちんと返事をしているのは、妹の私ですら羨望の眼差しを向けてしまうほどの眉目秀麗、成績優秀、文武両道など。それら有名な四字が貼れるほど凄い姉様なのだ。

 家とは違って、少しだけ暴走を止めているが、いつ何時暴走するか私でも分からない。

 

「姉様……相変わらず」

 

「うふふ。相変わらず凄い人気だよね~」

 

「……む? 見慣れない男の人も一緒だぞ?」

 

「もぉ~まこちゃん。紅緒さんと一緒に居る男の人って言ったら一人しか居ないでしょ~? 猪戸(ししど)先輩だよ?」

 

「いや、もう一人居るんだよ、まゆ姉」

 

 まゆらとまことの話を聞き、私も廊下の向こう側から歩いてくる一行に、男の人が二人居た。

 一人は子供の頃からの付き合いがある猪戸大和先輩だ。大和先輩はある時期から一般的に俗に言う『オネェ』に変化してしまったのだが、その理由は私は分からないままですが、それでも大和先輩の本質が変わることもなかったので、以前からのまま変わらない付き合いをしている紅緒姉様から聞いていた。もちろん私も普通に接している。

 そんな大和先輩の横には、

 

(は、白虎さん!?)

 

 私のクラスに転入してきた三峰次男と三峰長女の兄、白虎さんが姉様と同じクラスに転入してきたなんて……よもやここまで。

 

「ゲゲゲッッ!? 『三』ッ!!」

 

「バッ……バカモノ!」

 

 ガバァ! と扇子さんがまた扇で巨体の攻武くんを吹き飛ばす。いったいどんな力で吹き飛ばしているんだろうか……?

 うん? 『三』ってなんだ?

 

人集(ひとだか)りにしてしまうなんて……本当に紅緒は可愛いんだなぁ」

 

「……あなたその発言で今日何度襲撃されたか忘れたの? こっちの身も大変よ~」

 

「と言うより、堂々とそこまで言えることが驚きよ」

 

 一緒に歩いていた大和先輩と撫子さんが白虎の豪胆な行いに苦言を吐露する。

 初対面の筈なのに、凄い……。撫子さんは普段は冷静沈着で物事にも思慮深く臨む人だから、よく白虎さんを観察してから話すものだと思っていたのだけれど、なんだか少し仲が良さそうにも見える。

 そこは大和先輩のお陰もあるかもしれない。あの口調なのに、風貌がジャニーズに在籍してテレビに出てもおかしくないモデルのような人なのに、やはりというか、やっぱりというか口調で残念になっている。

 でも、人柄はとても温厚で優しく面倒見も良く、表情に乏しい撫子さんと裏腹にコロコロと表情が変わる大和先輩は生徒会でも撫子さんと並ぶかなりの重鎮だ。

 

「あっ、居た居た~」

 

「ひぃぃ!」

 

 紅緒姉様がさっそく私たちを発見する。

 そしてそれに怖れおののく真白。

 

「お、こっちも居た居た☆」

 

「「ヒィィィッッ!」」

 

 そして白虎さんも何故か扇子さん、攻武くんを見つけると、二人は真白以上に蒼白となった。

 

(びゃっ)くんから聞いて、真白ちゃんが転入してきたから様子を見にきたのよ。どう? 何か困ったのこととかない?」

 

「今の紅緒かなり優しい声だった! ヤバくない? 今のヤバくない!?」

 

「だぁからあなたも相当ねぇ!?」

 

 白虎さん。妹さんが『うわあああああああああ』と連呼しながら震えているのに何姉様に萌えてるんですか? というかよく学校でそんな恐ろしいことを! また強襲されますよ!?

 そして姉様があんなに優しく声を掛けたせいで、真白にそそぐ視線の嵐は決して止まぬものとなり、

 

「ど、どこのソロリティーですかああああーーーっ!!」

 

「あっ、逃げたっ!」

 

 猛ダッシュして逃げた真白が気になったのか、人集りの中から数人が私に質問攻めしてくる。どのような関係なのか聞かれたので、遠くも近くもない答えを教える。

 えっと、親戚みたいなもの?ですと、

 

 すると周囲の人たちも『ああ親戚かー』『でも、さすが紅緒様、お優しいわ♡』と各々が抱いた考えを口にして去っていった。

 

(紅緒様にあんなに、あんなに優しくしてもらえるなんて……なんて……なんて羨ましいの!!)

 

末続(すえつぎ)さんだっけ? 急にこの子クネクネし始めたけど大丈夫なの?」

 

「大丈夫よん。安心して、持病だから」

 

「それガチ? ガチですか!?」

 

「あの娘も色々と大変そうね。これから」

 

「撫子さんは長い目で見てらっしゃる」

 

 なにやら白虎さんと撫子さんたちと溶け込んでいるそうで、弟の白夜とは違い、中々フレンドリーな様子だった。

 未だに何人かが真白のことや白虎さんのことを聞いてくるので、ちょんと返答をしていると、まゆらが駆け寄って来てくれた。

 

「小紅ちゃん大丈夫~? 本当に凄い人気だよね。小紅ちゃんも大変だね」

 

「他校にも知られてるぐらいだからな。雷名が轟くが如く!」

 

 また頭斜め上に手をかざし、腰も捻ってなにかのポーズを決めているまこと。

 なんだ? 頭痛いのか? 腰痛なのか?

 

「入学式も凄かったもんね~。紅緒様の妹が入学してきたって大騒ぎで……」

 

「あのときほど本当に穴があったら……と思うよ……」

 

 あの時はまゆらにもまことにも悪いことをした。巻き込んでしまったから……。

 

「まぁ、比べられるのは慣れているから……それに姉様は私にとっても自慢の姉だから、みんなに好かれているのは素直に嬉しいし……」

 

「……小紅ちゃん」

 

「………………」

 

 本当に慣れているのか? と問われたら、正直分からない。姉は出来て、妹は出来ない。これにはどの姉妹にもありそうなコンプレックスだと思うから、私だけとは思っていない。

 でも、いつもいざ聞かれると、喉に詰まってしまう。

 

「……うん。じゃあ私は真白を捜してくるから」

 

「あっ、小紅ちゃん!」

 

「絶っっ対迷っているに決まっている」

 

「あっ」

 

 転入初日ですから! なのにあんなにダッシュした真白はそれだけ姉様から逃げたかったんだな、と実感する。

 

「わ……私もあっち捜してくる~」

 

「まゆ姉に付いて行く! それこそが闇影が転輪する騎士(シャドウ・ザ・ナイト)の務め!」

 

 とろとろ~も駆けていくまゆらにまことが両腕を一緒に揺らしながら意味不明なポーズのまま付いて行った。

 

 よし。私も捜すか。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

「妹を怖がらせるなよ、紅緒~」

 

「あら?」

 

 挨拶も済んで、大和と撫子が生徒会室に荷物を忘れたとのことで一旦離れ、末続は一年生なので自分の教室にへと戻ったところで、(びゃっ)くんがそれを聞いてきた。

 真っ直ぐで、透き通って、どこまで見ているのか分からないぐらい鋭い。

 

「待って。先に謝っておきましょう、(びゃっ)くん。ごめんなさい」

 

「うん?」

 

「本っっっ当に可愛いのよ! 真白たんが!! 幼女が好きなの! 妹が好きなのォ!」

 

「これ美少女じゃなければ相当危ない発言だ!」

 

「大丈夫。真白たんなら白夜くんの背中にぶら下がってたわ」

 

「うん。まぁ、オレも見えてたからイイけど」

 

 (びゃっ)くんはガシガシと頭を掻いてそう言う。

 

(クスクス……なんだか、可笑しい……どうして、こんなに不思議なんだろう。どうして(びゃっ)くんと学校で話してると嬉しいんだろう? まるで、一緒に学校に来れたことが嬉しいみたいで……)

 

 私の記憶の細部には、刻まれた(びゃっ)くんとの記憶が色を(ぼか)したようにした、確かなものが無いけれど、それは今更どうでも良いと感じてしまう。自分勝手だけど、

 

「ねぇ、(びゃっ)くん」

 

「うん?」

 

「……え~と、(びゃっ)くん目は大丈夫なの? 私のせいで、その……」

 

「あぁ、大丈夫だよ。心配しなさんな。見えてる見えてる」

 

「本当なの……?」

 

 怪しい、実に怪しいぞ三峰白虎?

 

「あ、あの? 紅緒さん? お顔が近いの、でで……ですが……」

 

「……見えてる?」

 

「もう、ばっちり、くっきり、綺麗に……見えるよ」

 

 確かに目が見開いて、私の顔を見てドギマギしている。本当のようね。

 

「うん。でも、困ったことがあったら言ってね。……いや、言いなさい、よ!」

 

「……ぉふ。分かったべ」

 

「ふむ♪」

 

 そう言って、(びゃっ)くんが付いてくるのを確認しながら一緒に教室に戻った。こうやって一緒に歩くことさえ、なんだか変な感覚が覚える。

 

 

「(…………生殺し、だべよぉ)」

 

 

 私はその時、(びゃっ)くんが涙目で悔しそうにしていたことに気付いていないのであった。

 

 

 

 

 

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

未確認な番外

《未角十家》

 

 

 

 

【十Xさんがヒトエさん,TaKaRaさん,ミッツーさん,4tさん,五月覇王さん,千子さん,シンドバットさん,山羊さん,QECさんを招待しました】

 

 

十X(テンテン)

『さて、こちらも分からないままでは『十の家』が不味いだろう。という訳で不肖、自分がここまで手を伸ばしましたに候』

・ミッツー

『これ今時便利な無料メールアプリというヤツか? でもこれスマホじゃないとやれないんじゃ……』

・十X

『安心安心! 大丈夫ですよ。……皆スマホ購入済みなのは知ってますから、テヘ』

・ミッツー

『こわっ! そしてまさかのオレ以外は反応無し!?』

・十X

『まぁ、自分が皆を招待しておいたので、ここで説明しておけば残ってあるので大丈夫ですよ?』

・ミッツー

『えぇ~なんか面倒だなぁ』

・十X

『変な誤解を招かない為ですよ~?』

・ミッツー

『…………あぁー……えっとねぇ、《三峰家》は今後の為にも山から降りてきた。我ら『未角(みかく)十家(じっけ)』の一角として、節度ある者として行動をするつもりだ。異論もあるようだけれど、それを構ってる暇も無いほどの状況……既に《一重(いちじゅう)家》と《二瓶(にへい)家》の協力も頼めた。……本来なら各本家に訪問して伝えるべき内容だったが、ある諸事情によりこのようは形で、正式ではない程遠い方法で伝える形となったこと……本当に申し訳ない』

・十X

『それは自分たち《十神(とおがみ)》も関係してるので、このメールアプリで聞いても良いし、直接訪れるのも良いよ!』

・ミッツー

『…………………………………………………………』

・十X

『…………………………………………………………』

・ミッツー

『この、わざと『…………』ってやるのも疲れんな(笑)』

・十X

『そうだね面倒くさいねコレ(笑)』

千子(チコ)

『死になされ』

五月(ごがつ)覇王(はおう)

『ねむいぜ……』

・シンドバット

『ブロックしました』

(よん)(トン)

『お、おやすみなさい……』

QEC(キューイーシー)

メールアプリ(コレ)うるさい……』

・ミッツー

『一斉にキタナ』

・十X

『半分は苦情 (笑´∀`)ヶラヶラ』

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