未確認で親交系   作:優柔不断

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久々の更新です。
未確認で進行形、再放送しておりますね。自分はBlu-ray全巻揃って持ってるのですが、何度見ても楽しめるアニメです!

声優関係ですが、紅緒さんはログ・ホライズンの五十鈴さんだったとは !(*_*)!

余り関係ないまえがきでした


『未確認な確認法』

 

「おはようございます、三峰白虎くん」

 

「おはようございます、二瓶(にへい)(たから)先生」

 

 時間は朝霧が見え、息を吐くだけで白煙が舞っている朝。まだ暗闇が抜けきれてないそんな早朝に、雲雀高校校門前、そこには少しばかり事情が混み入った家の者たちが集まっていた。

 

「一重先生と二瓶先生もあのあの無料通信アプリやってますよね? 携帯での連絡はやっぱり面倒でした?」

 

 目上の方々も居るというのに、今時の通信手段でやるのは不味かったか。礼式重んじ、きちんとした通達方法で伝えれば良かったと今更ながら後悔するが、二瓶宝先生……小紅ちゃんや白夜、真白の担任教師でとてもおっとりとしていて、温和そうな雰囲気の女性は、ふわふわなキャラメル色をした長髪を揺らして天使のように優しく微笑みながら頭を振った。

 

「すみません。一重先生の理由は分かりませんが、私の場合……単純に機械音痴でやり方が分からなかったのです。うふふふ、もう何台目が分からないくらい壊してしまいまして……この間やっとメールが出来るように……」

 

(何台も!? しかもそれだけでやっとメールだと!? どんだけ壊してんだ?)

 

 しかもふざけてではなく、本当に困っている顔で微笑む二瓶先生。年上ながらの余裕が落ち着いて見えてしまうが、家柄みの付き合いが長いのでこの落ち着き様がただの『天然で鈍感』だと知った時は戦慄した。

 

「それよりもですっ!」

 

「は、はい」

 

「まさか三峰さんが街に降りて下さるなんて……」

 

 実はこの雲雀高校には、三峰家同様の『一族』が通っていたり、務めていたりしているのだ。それは偶然か必然か、とにかくその一族をオレたちは『未角十家』と由緒正しい伝統の家系なのだ。

 と、言っても古めかしい古式的な決まりも一昔前までは多くあった筈だが、現代社会と同様に徐々に衰退していき、もはや皆無に等しくなった。

 『三峰家』の当主引き継ぎに於て、一度母にその誇るべき重んじてきた伝統の数々を一度説明されたが、どれもチンプンカンプンだった。

 

「一応、三峰さん達が最後まで残っていたんだと話には祖父から聞いていたのですが」

 

「ハハハ、やっぱり苦しくなりましたよ。相当な田舎だったし」

 

「えぇ。……ですが、人目には気にせずに居られました」

 

「………………………………………………」

 

 二瓶先生は少し申し訳なさそうな眼差しで見てくる。

 『三峰家』は他の九家より長く人目にはつかない隠遁生活を送ってきた。それ故の今の常識に疎いというのが欠点だが利点もある。

 他の十家(じっけ)とて、『三峰家』と同じ同等の能力が存在しているらしいのだが、子々孫々その能力発現が叶わなくなってきているらしい話なのだ。

 『らしい話』というのも、十家に関わる情報を提供する十家(じっけ)総纏め役を担う『十神(とおがみ)家』から聞いただけの話だったので、確信はしていなかった。

 このおっとりとしてふわふわな雰囲気を放つ二瓶宝も、出そうとすれば人間離れした身体能力と、異能力も使える。

 

「今、この雲雀高校には『未角十家』の者が全員居るという事態……これは危惧するものです」

 

 二瓶先生は柔和な顔を崩し、悲しそうな、苦しそうな顔にへと変化する。

 

「あれ? 『八木沼家』のは居すないハズじゃ?」

 

「居ますよ。分家ですが八坂崎(やさかさき)勾玉(こうぎょく)さんが在籍しています。確か貴方のクラスに居ますよ? 後で一重先生に聞いてみては如何でしょう」

 

 オレはありがとうございます、とだけ伝えて思案する。これで本当に十家が揃っている。ナニコレ怖いとオレ一人ブルブルと震える。

 

「『一重(いちじゅう)家』『二瓶(にへい)家』『三峰(みつみね)家 』『四倉(よつくら)家』『五十井田(いかいだ)家』『六条(ろくじょう)家』『七海(ななうみ)家』『八木沼(やぎぬま)家』『九石(さざらし)家』『十神(たおがみ)家』の十家……これが全て揃い一ヶ所にとどまっているなどと……内心私はヒヤヒヤして生活していましたよ」

 

「ハハハ……そりゃそうだ」

 

  物ノ怪、化物、妖怪、鬼、天狗、様々な呼び名で(さげす)みと恐れの眼差しを受けてきた古き一族。

 それが『未角十家』。

 

「『角が生えていない鬼』…………故に()だ解らぬ一族。それが我ら《未角(みかく)十家》……」

 

「アハハ……二瓶先生も言われ育てられましたね? もう五月蝿いくらい聞かされましたよ」

 

「ふふふ。現代では『未確認な一族』でも通じますね」

 

「……は、はは。今は本当に笑えますけど、一昔前までは本当に笑えないようなダークさでしたよね。中立である一重家と二瓶家が居なかったらどの一族も暴走しそうになっていたと聞きました」

 

「それは私の祖父母世代の時ですよ? 明治や大正時代も能力(・ ・)が使えていましたから」

 

「ここ最近ですか。衰退していっている話は……」

 

「望んだ未来がやって来た……ということでしょうね。ご先祖様はそれを願いに進んできたと聞きました。〝人と交わった生活を送りたい〟と言い続けてきた、と」

 

 二瓶先生は長い髪を揺らして、きっとオレなんかより親たちから聞かされ育ってきた一族の歴史を思いながら、小さく微笑んでいた。

 とても柔らかで、慈愛のそれだったが、どうしても悲哀を拭えない。

 

「……そうですね。時代が違いますよ。黒船がやって来たその日から、日ノ本の知識(セカイ)は広がった」

 

 我ら一族。悲哀を背負い、生きていく。

 先祖の魂を受け継いでいく。

 

「うふふふ」

 

「なんです?」

 

「いえいえ、ふふふ。やっぱり白虎くんは小さい頃から先のことを見えているのですね。普通は悩むところです」

 

「深く考えていないからでは? 三峰家当主も母がいきなりオレに押し付けてきたのを成り行きで引き継いだだけですよ? 後先考えない野郎」

 

「あらあら、そんなことありませんよ。立派な考えです。私なんて教師の夢を諦められず、妹に当主を引き継がせてしまったのですから……」

 

「いえそんな、先生が夢を叶えたお陰でオレたち世代も無理矢理な一族の掟を守る必要も無いんだと証明してくださったんです。尊敬しかありません」

 

「まったく……口達者になりましたね白虎くん。でもありがとうございます。そう言ってくれるだけで嬉しいです」

 

 二瓶先生はその甘い色が似合う笑顔でそう言うと、校内に入ったことで廊下で向かい合う。

 

「改めまして、三峰白虎くん。雲雀高校転入おめでとうございます。なにか(・ ・ ・)あったら言ってくださいね。二瓶家は中立の立場としてあなた方を助けましょう」

 

「もちろん頼らせてもらいたいです」

 

 案外本気のことなのだが、二瓶先生はおっとりした雰囲気に似合わない力強い『グッ』と親指を立てて『任せなさい!』と伝えてきた。ヤバい可愛い。

 二瓶先生とはそこで礼をして、自分の教室にへと向かった。

 

 

◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 《三峰》とか、《人外の一族》とか、複雑な環境だと本当になにもかもがどうでも良くなる日やってくる。

 月日関係無しにやってくるソレは、どう足掻いても消えてくれない真実で、どうしようもない現実。

 それを噛み締められる。

 そんなモヤモヤした気持ちがやってくる日があるのだが、何故かそれが今襲ってきていた。

 

「……………………」

 

「あらあら? 転校してきていきなりナーバス?」

 

 ピリピリと何かを感じ取ったのか、オレの前の席であるイケメンが話しかけてきた。なんて爽やかな笑顔を向けてくるのだろう。

 

「あれ? 紅緒は?」

 

「恐らく妹ちゃんのクラスに行ってるんでしょうね。そうでしょ、ナデナデ♪」

 

 そう言って、横に座っていた生徒会副会長を務めている鹿島撫子に気安く変な渾名で呼ぶ猪戸大和に、撫子はクールに溜め息を吐いた。

 

「えぇ、また(・ ・)小紅を困らせてるみたいね。あのシスコンは一生妹から卒業出来ないのかしら……そう思わない、ヤマヤマ」

 

「えっ? 返すの? 普通に対応型それ?」

 

 聞いてびっくりクールながらノリに乗る撫子ちゃんにオレは驚くも、ジャニーズ系イケメン野郎、大和は苦笑して撫子の言葉に首肯していた。

 なんやかんや言って、二人が紅緒の幼馴染みなのはオレも知っていたのだ。

 

「あ、なんか下で騒いでるのが分かるな」

 

「紅緒が集まる場所には人が集まるから、日々生徒会は大変なのよねぇ~」

 

「主に大和と私が苦労しているわね」

 

「流石だな紅緒は~」

 

 沈んでいた気持ちが、妹たちと触れ合うだけで天使みたいは笑顔になる紅緒を思い浮かべて、大いに回復する。

 

「ふふふ、貴方も現金ね」

 

「なにか?」

 

「いいえ、別に……」

 

 大和はオホホホ、と手の平で口で覆い隠して高笑いしている。少しカチンときたオレは消しゴムのカスを固めた物を飛ばしてやる。

 

「でも生徒会の仕事もあるから、時間も頃合いだし紅緒を捕まえに行くわよ(・ ・ ・ ・)

 

「あれ? もう決定事項?」

 

「強引ねぇ♡」

 

 そう言いながら、クールながらも撫子ちゃんは長身であるオレと大和を強引に引き連れて、一年のクラスへ。

 

「私はあなた達にも興味もあるしね」

 

「オレ達に?」

 

 『一族』のことかと一瞬思考を巡らせたが、この鹿島撫子という人間に、そういった繋がりが無いことは知っている(・ ・ ・ ・ ・)

 ただ単に気になっていることだけなんだろう。

 オレは当たり障りのない答えを返すと、撫子ちゃんはジッとその何か見通してるような、何かを知ろうと探っている目の輝きが見えた。

 オレも笑顔でそれを対応する。

 初対面ながら、こんなクール美少女に見つめられれば思い上がること間違い無しなのだが、この娘は『夜ノ森家』とは少なからず関係している。

  紅緒がこぼす言葉の節々から検討ついてオレに何か質問したいのか。

三峰兄妹(オレたち)に興味があるのかい? 鹿島さん」

 

「撫子で構わないわよ。紅緒とも仲が宜しいみたいだしね」

 

「うそ!? そういう風に見えるかな!!?」

 

 グイッ! と一気に警戒という文字をかなぐり捨てその話の興味に全部が持って行かれる。

 余りにも近付き過ぎたせいで、オネェ系イケメン紳士である大和が『ちょっとォん! ナデナデより私の方にも食いついてぇ♡』とその柔そうに見えていたその体に似合わない筋力でオレを抱き絞める(・ ・ ・)

 

「ぐぉおおおおおおおおおおおっっっ!!??」

 

「あら、嫉妬し過ぎちゃったわ」

 

「ゲホッゲホッ!!? イケメンでオネェだけだと思ったらまさかの怪力キャラでもあるのかコンニャロウ!? どんだけ個性(スキル)持ってやがる!? びっくり箱かてめぇ!」

 

「貴方の白髪も中々の個性(スキル)よ」

 

「くぅ!? な、撫子ちゃんもなんか言って…………って、なんで頬を朱色に染めてんっ!?」

 

「……ぁ……なんでも、ないわ」

 

(ま、まさか……発酵された、女子!? 婦女子ではない『フジョシ』なのか!?)

 

「それよりも、我らの女王(クイーン)を迎えに行くわよ! きっと小紅ちゃんが可愛く困ってるようだし♡」

 

「あんた……両刀遣い(バイセクシュアル)だったんだな……」

 

「そうよ。二刀流よ。ムサシよ」

 

「とんだムサシが現代に現界してきたもんだ末恐ろしい」

 

 なんやかんや言いながら、撫子ちゃんの聞きたかった質問が流されていた。

 もしかしたらこの大和という男は、空気を悪くさせない為にあんなことを?

 …………いや、微量ながらそのことも考えてあったが、残り全部は本気だっただろう。これは人外や人間でもすぐ分かるものだ。

 

 そして撫子ちゃんと大和、オレの三人が紅緒の最大目的である愛する妹がいる教室にへと着く。

 そこに待っていたのは、紅緒の高尚なナニカによって催眠ガスのような(例えが酷い)空気に毒された生徒たちが羨望の眼差しで紅緒が何か語っているのをキャーキャー言いながら騒いでいた。なんか男子も混じってるが、ノリが良いんだな、と自己解決させる。

 

「その行列の中に生徒会書記の末続(すえつぎ)このはちゃんも居るわねぇ。相変わらず紅緒が好きなのねぇ~」

 

「……〝末続〟ねぇ」

 

 またも《一族》を発見。

 あれ? 何故にこんなにも同族が居るのよ。

 確かに少し気配を探ってみると、人では無い、何かを感じとる。

 騒ぐ一年生たちの中に、可愛いらしく紅緒の言葉を耳にしてクネクネ捻っている娘を発見。金髪なのですぐに見つけた。校則OKなのかあれ?

 

「あの可愛い子も三峰さんなの?」

 

「そう、我が妹よ」

 

「可愛いわね♡」

 

「捕食するなよ」

 

「しないわよ!」

 

 どうやら真白を生徒会室に連れて行きたかったのか、紅緒もクネクネして真白に一緒に来てアピールを連続して繰り出しているが、残念ながら我が妹はそんな紅緒に笑顔とは程遠い渋面にしかなっていなかった。

 だが紅緒はそんな顔も好物だったのか、荒い息使いが教室の入口まで聞こえる。

 

「………………」

 

「何を考えているの?」

 

「いや、紅緒超可愛いって思って……」

 

「真顔でずっとそう思ってたの!?」

 

「ずっと想ってたよ」

 

「えっ……(きゅん)」

 

 イケメン野郎ヤマトくんが何やらキュンとした顔でオレを見詰めてくる。やめろ、頬を染めるのやめろ、どこにそんな要素あったバカヤロウ。

 と、紅緒の暴走を止めるブレーキ役が副会長である撫子の仕事だったのか、冷静にその場を静めていた。

 だが、大和がオレを(何故か)見詰めていたことに気付くと、手に持っていた生徒会帳簿で大和をチョップしてきた。唐突に。

 

「あはぁん!! 強烈ん!!」

 

「あら、ごめんなさい。変態が居たので」

 

「えっ!? 何処にいるの!? 私こわい!!」

 

「私にしがみついてきてるヤツよ」

 

 氷点下にでも達しそうな眼差しで、腰に女座りしてヨヨヨ泣きしながら撫子ちゃんにしがみつく長身なお兄さんにオレは回避しながら愛する紅緒のところへ。

 

「紅緒は随分個性豊かな奴らと生徒会やってんだな。面白過ぎだぞ」

 

 笑うオレに紅緒は撫子ちゃんに叩かれた頭を撫でながらフフン! と自慢げに胸を張る。

 

「そうよ! 私の自慢の生徒会よ!」

 

「その生徒会の会長(トップ)がまた個性がぶっ飛んでる。そこが痺れるよ紅緒」

 

「なにそれ、新感覚褒め言葉? 褒め言葉なのね!」

 

「なんてポジティブ!! なんて女神!」

 

「だぁぁーー!! 小紅ぃ! 早くこの暴走機関車どもを止めてくださぁーい!」

 

 一年生の教室で、そのあと数分に渡り漫才を繰り広げていたことに自分でも驚いていた。

 

 後から聞いたら、小紅ちゃんも小紅ちゃんで真白が色々暴露しちゃったことや。我ら三峰家は夜ノ森家の遠い親戚ということを知られてしまったらしい。

 それも真白のせいだと聞いた時、オレは真白が泣いて怖がる『空中スイングの刑』を実行したのは言うまでもない。

 傍から見れば幼女虐待に見えると?

 ノー問題。

 兄と妹のじゃれあいです。





感想やコメントをお待ちしております。


今回話で『未角十家』なんてオリジナル設定盛り組んでしまいましたが、気に入らない人も居たかもしれませんね。すみません(T-T)
なるべく、読者にも伝わりやすいよう、文にも気をつけて書いていきたいと思います。

福島を舞台にしたアニメを是非やってもらいたい。また。

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