兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百一話

 

 ダンジョンへの『遠征』をしている【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】は一日目の探索にて1階層~28階層、つまり、『下層域』にある『安全階層』まで到達した。

 

 安全階層とはいえ、モンスターが上や下の階層からやって来ることはあるのでそれを警戒するための交代しながらの見張りを待機させつつ、長時間の休息を取った。

 

 ベルの場合はフレイヤが凄く寵愛し、度々ベルの抱き心地はとても良い癒しになると惚気話のように眷属の女性陣に言っており、ヘイズもそれに乗じてもいたからか興味を持たれたようで【フレイヤ・ファミリア】の女性陣にたっぷりと可愛がられていった。

 

 

 

 そうしてなんだかんだ女性陣全員がベルの愛嬌の虜となったのである。

 

 休息を終えて身支度を整えたり、朝食を済ませると再び、探索を再開する事になった。

 

 今から向かうのは29階層~32階層まで大叢林で構成されている『密林の峡谷』だ。

 

 ここでは単純に戦闘能力が高い恐竜型のモンスターが数多く、出てくるし、遠回りだがまだ、安全性の高い地下洞窟を探索すると猛毒のモンスターが出てきたりする。

 

 まあ、当然今回は密林の中を行く正規ルートを通るが……。

 

 だが、実は第一級冒険者なら『水の迷都』において複数の階層に繋がっている『巨蒼の滝』を一気に駆け下りる事で一気に階層を進む裏技があるように『密林の峡谷』にも裏技があった。

 

 

 

 巨大な幹を上って樹上に躍り出れば、迷宮構造を無視して一直線で次層の連絡路へと直行できるのだ。

 

 勿論、危険性は高い。まず単純に樹上は足場が不安定なので戦いづらい場所となる。

 

 そして上空は有翼種の恐竜型モンスターである『ゲイルプテラ』達の狩場であり、有翼種のモンスターは遥か高い天井から生まれ落ちる。下層なので産出間隔も短いのだ。

 

 天井からの有翼種の大量産出が『怪物の宴』でも起きればより、厄介な事になるのだ。

 

 

 

 しかし……。

 

「では、愚兎。32階層で待ってやる。あまり待たせると分かっているな?」

 

「は、はい師匠!!」

 

 ヘディンは25階層でそうした様にベルに先遣隊、輸送隊のLV.1からLV.4までの団員を全て押し付けると声をかけながら、先に疾走を始めたアレン、後にオッタルとガリバー四兄弟らと共に『密林の峡谷』の裏技で一気に階層を駆ける樹上を進む事で消えていった。

 

 

 

「(分かっていたけど、また押し付けられたぁぁぁぁっ!!)」

 

 ベルはまた苦労する事になるのが確定したので心の中で嘆いた。

 

「俺も手伝うから、頑張ろう」

 

「はい、ヘグニさん」

 

 ヘグニに肩を叩かれながら励まされ、ベルは残りの団員達で32階層を目指して29階層を進み始めるのであった……。

 

 

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