兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百二話

 

 ダンジョンへと【フレイヤ・ファミリア】とサポーターのリリルカと共に『遠征』をしているのは【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルである。

 

 現在は29階層に来ており、この階層は32階層まで続いている大叢林型の層域である『密林の峡谷』の始点だ。

 

 そして、『水の迷都』である25階層~27階層には第一級冒険者だけが出来る階層を一気に進む方法として『巨蒼の滝』を一気に駆け下りるものがあるように『密林の峡谷』にも階層を32階層の最奥まで一気に進む方法がある。

 

 巨大な幹を上って樹上に躍り出る事で迷宮構造を無視して一直線で次層の連絡路へと直行する方法だ。

 

 そう、25階層~27階層までアレンにオッタル、ガリバー4兄弟と共に一気に移動しながら、ベルにヘグニと残りの全団員の面倒を見るのをヘディンは任せたのだが、更に32階層で待つと言って、やはりヘディンはベルにヘグニと残りの全団員の面倒を見るのを任せた。

 

 ぶっちゃけ、押し付けである。勿論、拒否などしようものならそれはもう、恐ろしい電撃の嵐が襲い掛かって来るのは分かっている。

 

 どうしようもないのでベルはとにかくヘディンから罰を受けないように全団員を早く32階層まで進めるように頑張る事にしたのだった。幸い、ヘグニもいるのでとんでもない異常事態が発生しない限りは大丈夫だと思える。

 

 

 

 油断は絶対にダメだが……。

 

 ともかく、ベルは進み始め……。

 

「はあああっ!!」

 

 ベル・クラネルはとんでもない【スキル】を有している。

 

 それはアルテミスとの出会いを通して発現した【神認狩人(オリオン)】である。

 

 モンスターとの戦闘時において効果を発揮するもので全能力が超高補正されるというものだ。

 

 モンスターを認識するとベルの体内で力が湧き上がってくるのである。

 

 

 

 そうして、ベルは超速で駆け跳ねながら二刀の片手剣を用いて流麗にして壮絶な剣舞を披露する事で三頭の首を有する巨躯の恐竜種、『アルマロサウルス』に俊敏性に優れる『シャドーラプトル』、堅い頭部を有する『ダイナス・ロックヘッド』、飛行能力を有する『ゲイルプテラ』の群れを解体していく。

 

【神認狩人】には発展アビリティ『狩人』を発現させる効果もあり、『狩人』は一度倒したモンスターとの戦闘において小補正する能力がある。

 

 

 

 この補助もあって、ベルは狩人として獲物となった恐竜種のモンスターを狩っていく。

 

『グ……』

 

 『密林の峡谷』にて産出されるモンスターの中でも最上級の潜在能力を有し、強い肉食性から同胞喰いの『強化種』となりやすい一〇Ⅿを超えた巨躯の鮮血色の鱗を『ブラッドサウルス』もすぐにベルは首を刎ね飛ばして屠った。

 

「ヘディンさん達が先に行ってしまってますし。とにかく速く進みましょうっ、邪魔するモンスターは瞬殺しますよ!!」

 

『お、おお……』

 

 修羅のような威風すら漂わせ、有無を言わせない覚悟というかそういうのすら感じさせるベルにヘグニも他の団員達も軽く押されながらもベルの要求に応じる事としたのであった……。

 

 

 

 

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