兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百四話

 

 数多の神と人、亜人が住まい、数多の【ファミリア】が居を有するオラリオにおいて頂点と言っても間違いの無い最大派閥が【フレイヤ・ファミリア】とダンジョンへ『遠征』を行っているベルとリリルカは『下層域』において最後の層域である『砂漠の迷園』に到達した。

 

 『砂漠の迷園』は極暑領域であるのもそうだが、足元を捕える程の深さの砂地が広がる大砂漠の全てから常に地雷の如く、砂を弾き飛ばしながら襲い掛かって来るモンスターへの対処に冒険者を惑わす蜃気楼など、下層域最後の層域とあって中々、探索するのが大変である。

 

 

 

 だが、ベル達においてもっと大変な事があった。この『砂漠の迷園』はとにかく砂が広がっている。そして、そんな砂地に途轍もない風が巻き起こればどうなるか……。

 

 風が砂に巻き上げられる事による砂嵐の誕生だ。

 

 これを起こすのはモンスターでは無いし、この層域の環境でも無い。冒険者界にてオッタルを超えた『敏捷』を有する【フレイヤ・ファミリア】の副団長がアレンである。

 

 彼が走る事で空気の壁を裂くその衝撃であり、咆哮が砂漠地帯に突風を起こして砂嵐を誕生させるのでベル達は探索するのが大変なのだった。

 

 しかして、なんとか進んでいくベル達は『砂漠の迷園』の最後の階層で下層域の最奥の階層、36階層に到達したのである。

 

 この36階層はそれまで酷暑であり、天井から常に明るい光が降り注ぐままだった『炎天』の環境だったものが凄い寒気であり、常に暗いという『寒夜』に切り替わる『夜の砂漠』地帯となる。

 

 常人では昏倒する程の気温差でもあるが、この層域では他の層域では絶対に確保できない水が確保できる『緑地泉地帯(オアシス・エリア)』がある。

 

 当然、この地帯は冒険者が休憩地帯に選ぶのが常だ。

 

 更には次の階層からダンジョンの『魔窟』、脅威が発揮される『深層域』の始点である37階層であるのもあって、やはり長い休憩をとる場所に選ばれるのだ。

 

 

 

 そうして、そんな冒険者の常識に従い、ベル達はこの『緑地泉地帯』で野営をする事となった。

 

 

 

「ベル様、今回もお疲れ様でした」

 

「アレン様がすみませんね、ベル」

 

「迷惑をかけた分、たっぷりお詫びするからね」

 

「ふひゃああ。んぁぁっ」

 

 ベルはリリルカは勿論、【フレイヤ・ファミリア】のヘイズたち女性陣から頭を撫でられ、抱き締められ、擽られ、揉み解されたりなどたっぷり可愛がられては甘やかされ、愛されていった。

 

 

 

「手伝いますね」

 

『ありがとう』

 

 そうして食事を用意する『満たす煤者達』の手伝いをベルはリリルカと共に行い、感謝されるのであった……。

 

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