兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百五話

 

 団員はベルとリリルカの二人だけの【ヘスティア・ファミリア】は現在、オラリオに数多くある派閥の中で頂点と評しても良い権威と勢力を有している【フレイヤ・ファミリア】とダンジョンにて遠征をしている。

 

 そうして、『深層域』となる37階層の一つ上の階層となる36階層にいた。

 

 36階層は33階層からなる大砂漠地帯の層域である『砂漠の迷園』の最後の階層である。

 

 

 

 35階層までは『砂漠の迷園』は天井からは赤水晶の熱光が照り付ける酷暑の環境にあるが、36階層は冷気さえ漂う夜の環境だ。

 

 そして重要な水を確保できる『緑地泉地帯』があるので水を確保しつつ、深層域探索に向けた長時間の休息をしたのである。

 

 食事に就寝も済ませて十分に休息をしたベル達は探索を再開すると36階層から37階層に繋がる連絡路へとあっという間に進んでいく。

 

 そして、ベル達はいよいよ白濁色に染まった壁面と巨大な迷宮構造、階層中心に存在する次層への階段を玉座に『城壁』ともいうべき巨大な円壁、通称、『大円壁』が都合五つ囲んでいる構成の『白宮殿』に到達する。

 

 この階層においては大円壁の壁に錯綜する迷路を進み、無数にある段差を昇り降りして階層の中心部を進む。

 

 

 

 その中で骸骨羊の『スカル・シープ』、骸骨の戦士である『スパルトイ』、リザードマンの上位種である『リザードマン・エリート』、狂暴なモンスターで狼頭人体の『ルー・ガルー』、鬼のモンスターである『バーバリアン』、猛毒の針を纏いし細長い体躯の竜が『ペルーダ』、魔法を減衰させる黒曜石の身体を持つ『オブシディアン・ソルジャー』、階層間を穿孔して移動し、遥かに上の階層に現れる事もある『ラムトン』の異名を有する『ワーム・ウェール』等、強力であり厄介なモンスターと幾度も遭遇するし、産出間隔も短いのでとにかく交戦回数が多くなる。

 

 だからこそ、深層域に初めて来られるようになった冒険者等から『真の死線』とも呼ばれる階層である。

 

 もっともベルは勿論、【フレイヤ・ファミリア】にとっても問題無かったが……。

 

 

 

 しかして、ベルはヘディン達との探索に【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】の探索も含めれば集団でこの37階層の探索をしている。

 

 そもそも、深層域の単独探索はしない方が良いとされているのだ。

 

 とはいえ……。

 

 

 

「本当、この階層から出てくるモンスターの数が凄い事になっていますね。単独ではなるべく、探索したくないです。でもLV.4になったばかりでオッタルさんはここを単独探索したんですっけ? やっぱりオッタルさんはとことん求道者なんですね、尊敬します」

 

『脳筋猪なだけ』

 

「……」

 

 オッタルに尊敬の視線を向け、素直な感想を言うベルに対し団員の皆がオッタルに対する辛辣な意見を言い、オッタルは憮然とした様子を見せたのであった……。

 

 

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