兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百九話

 

 ダンジョンの『深層域』に属する49階層――この階層は深層域探索において一つの山場となっている。

 

 階層内は超特大の広間のみでありながら、景色においては優雅さも何も無い。何故なら一本の草木も無い荒れ果てた大地となっていて岩や砂、全てが赤茶色に染まっているからだ。

 

 その茫漠たる大空間は『大荒野(モイトラ)』と称されていた。

 

 産出されるモンスターは山羊のように捻じれ曲がった二本の大角、筋骨隆々な肉体を有する大型モンスターの『フォモール』だ。

 

 この『フォモール』が大荒野を埋め尽くすが如く、産出され、大規模な群れとして49階層に到達した冒険者達に襲い掛かってくるのだ。

 

 更に言えば深層域においてかなり深い階層であるため、産出間隔においてはかなりの期間はあるが『迷宮の孤王』であり、『階層主』であるバロールが産出される。

 

 そう、場合においてはフォモールを軍勢として相手しながら、バロールとも戦わなければいけないのだ。

 

 

 

 そんな49階層にダンジョンへの遠征を成し遂げに来た【フレイヤ・ファミリア】とそれに協力している【ヘスティア・ファミリア】は到達した。

 

「フィンさん達と来た時もバロールには遭遇しませんでしたが……此処なんですよね、皆さんがやっちゃった階層は」

 

「はい、そうですよー。『ブチッ!! 俺のバロール討伐を邪魔しやがって!! 怒りのオッタル団長対フレイヤ・ファミリアの勇士達、超大乱闘事件!!』があったのは」

 

 ベルが隣を歩くヘイズに問いかければ、ヘイズはそうでもしなけりゃやってられないとばかりに茶目っ気も混ぜて答えてみせる。

 

『さ、さぁやるぞー!!』

 

 そして、【フレイヤ・ファミリア】の勇士達も気まずいのかそんな事を言って、武器を構え始める。

 

『……』

 

 オッタルにアレンとヘディンにヘイズとガリバー四兄弟は全然、堂々としていたが……。

 

『グオアアアアアア!!』

 

 そうして今回もバロールが産出される期間ではないため、バロールはいないが大量の『フォモール』が49階層を訪れたベル達へと襲い掛かる。

 

 

 

「やるぞ、愚兎……お前と私でやったほうが一番効率が良いからな。【永争せよ、不滅の雷兵】」

 

「はい、師匠。【聖炎降臨】」

 

 ヘディンとベルが先手を取り、ヘディンは無数の鏃上の雷弾を放ち、ベルは自らの【スキル】で連射性を加えた事でヘディンを上回る無数の炎雷と化した【ファイアボルト】を放った。

 

 

 

『うおおおおっ!!』

 

 大半のフォモールの群れがヘディンとベルの魔法によって消滅させられ、そうして出来た間隙へとオッタルにアレン達、主力陣と【フレイヤ・ファミリア】の勇士は突撃を仕掛けて全滅させていったのであった……。

 

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