兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百十一話

 

 ダンジョンへ『遠征』をしている【フレイヤ・ファミリア】の目的は未到達領域を踏破する事である。少なくとも【ロキ・ファミリア】が59階層を踏破した記録を持っているのでそれより更に先の階層、つまりは60階層の更新を目的としているのだ。

 

 そんな【フレイヤ・ファミリア】の遠征に団員がベル・クラネルとリリルカの二人だけの【ヘスティア・ファミリア】は同行している。

 

 そして【ロキ・ファミリア】の遠征にも同行している事で必然的に59階層までの情報を持っているベルは当然、その情報を主に【フレイヤ・ファミリア】で必要という時にだけ指揮を取ったりするヘディンに提供していた。

 

 51階層から強力な酸の体液を有する芋虫型の新種が現れる事、そのモンスターを『不壊属性』以外の武器で傷つければその武器が融解する事、そのモンスターは酸の液を吐き出すので厄介な事、59階層には精霊とモンスターが融合した新種が現れた事もだ。

 

「……という訳で51階層から新種対策として『不壊属性』の武器を使うぞ。まあ、どっかの脳筋はそれすら壊しかねないがな」

 

 現在、50階層の『安全階層』で野営を行い、食事をしているヘディンがオッタル達、主力陣にベルとサポーターを務めるLV.4のヘイズやヴァン達などに言う。

 

「……欠けたりする程度だ」

 

 オッタルはLV.7という逸脱した器をもっているのでその器に伴う怪力で武器を幾度か壊したりしている。特に少し前には本拠に保管されていた予備武器を鍛錬で全て壊してしかもそれを黙っていたため、ヘイズに正座させられたという事案があったりする。

 

 ベルはヘイズからそれを聞いて、「何やってんですかオッタルさん……」と何とも言えない気分になった。何度か本当に少し、話をした事があるので寡黙な事や不器用なところがあるのは知っているが、団長ならもうちょっと団長としての責任感を持ってほしいと思わざるをえなかった。

 

 

 

「十分、脳筋だろうが」

 

「「「「そうだそうだ、脳筋猪」」」」

 

「くく、脳筋」

 

「脳筋脳筋言いすぎでしょう……ともかく、芋虫型の新種は体積も大きい分、酸性の体液の量も凄いので、浴びないように気を付けて戦ってくださいね」

 

「だ、そうだ」

 

 ベルの忠告と共に輸送車の中からオッタルとアレン、ヘディンにヘグニとガリバー四兄弟が使うための『不壊属性』の武器が配られていく。

 

 因みにこれを鍛造したのは【ヘファイストス・ファミリア】と勢力を並べる【ゴブニュ・ファミリア】だ。

 

 

 

「しっかし、これまた高くついただろ」

 

「やっぱり深層域への遠征は金がかかるなぁ」

 

「まーた、稼がないと駄目そうだ」

 

「という訳でダンジョン探索の同行、頼むぞベル。お前との探索が一番、実入りがあるからな」

 

「分かりました」

 

 ガリバー四兄弟の言葉にベルは頷くのであった……。

 

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