兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百十七話

 

 ベル達、【ヘスティア・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】による未到達領域探索パーティは52階層で一部が別行動をする事にした。

 

 別行動をしたのはベルとアレンにヘグニである。

 

 58階層から52階層までをぶち抜く強力な炎の砲撃であり、狙撃を繰り出す砲竜である『ヴァルガング・ドラゴン』の攻撃がパーティを襲わないようにそうしたのだ。

 

 まず、ベルは【スキル】の効果で炎攻撃に強い耐性を有している。そして、炎属性の魔法を付与魔法化する事が出来るので組み合わせる事でヴァルガング・ドラゴンの砲撃を無力化できるのだ。

 

 最初に『ヴァルガング・ドラゴン』の砲撃が開けた穴から【ファイア・ボルト】を付与魔法化しつつ、ベルが飛び降りた。

 

 降下しているベルに対して『イル・ワイヴァーン』の群れが襲ってきたが逆に『イル・ワイヴァーン』を足場にしながら、駆け跳ねて飛竜の殲滅に罹りつつ、降下する。

 

 そう動くベルにアレンとヘグニが援軍として加勢する。こうして三人は58階層への着地に成功した。

 

 そして、ベルにアレンとヘグニは『ヴァルガング・ドラゴン』と『イル・ワイヴァーン』の群れを相手に戦舞を披露する事でモンスターを切り裂き、あるいは貫いていく。

 

 途中で厄介な芋虫型の新種の群れが襲ってきたが、それらにも対処。

 

 ベルとアレンにヘグニの武威により、ヴァルガング・ドラゴンは52階層までを進む砲撃は出来なくなっていく。

 

 そうして、58階層においては産出間隔の限界が訪れ、モンスターの産出が出来なくなった。

 

 なのでベル達は回復薬を飲み、休息に入った。

 

 産出間隔の限界が訪れた以上、深層域にて強力で厄介なモンスターが産出されるのはかなりの時間を必要とするのだ。

 

「ようやく一息つけますね。援軍ありがとうございますアレン副団長、ヘグニさん」

 

「援軍じゃねえ、さっさと進みたいだけだ」

 

「お礼の必要は無いよ、俺達はパーティなんだから。それにベルは親友なんだから」

 

 

 アレンはベルの言葉に余所を向きながら、舌打ちして答えた。そして、ヘグニは少し照れつつ、笑みを浮かべて応じた。

 

 

 

「十分な戦力だったから、ちゃんとこの階層を制圧したか」

 

 少し休んでいると52階層から58階層までを進んでいたヘディン達、別動隊が到着した。ヘディンは様子を見ながら満足気に呟いた。

 

「ベルー、お疲れ様です。治療はいりますか?」

 

「そちらこそお疲れ様です、ヘイズさん。治療はまだ大丈夫ですよ」

 

「そうですか、ともかく良く頑張りましたね」

 

「はぅぅ……」

 

 そうしてヘイズに抱き締められ、頭を撫で回されてベルは心身から蕩けていくのであった……。

 

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