兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百十八話

 

 ベル達、未到達領域探索パーティは58階層までを制圧した。

 

 52階層から58階層までの探索において一番厄介なのは58階層から数階層分をぶち抜く強烈な炎攻撃で狙撃をする『ヴァルガング・ドラゴン』だ。

 

 その強烈な炎の狙撃を抑えるために『ヴァルガング・ドラゴン』と【スキル】も魔法も相性が良いベルが58階層まで降下し、これにアレンとヘグニが加勢した。

 

 そうして他の者達が52階層からそのまま58階層まで向かっている間にベルにアレンとヘグニは『ヴァルガング・ドラゴン』と『イル・ワイヴァーン』を倒していき、更に襲ってきた芋虫型の新種にも対応した。

 

 ベルにアレンとヘグニの三人による壮絶な武威によって、58階層の産出機能に限界を迎えさせ、長い次産間隔へと追いやったのである。

 

 こうして、52階層から通常の探索をしていたオッタル達が58階層に到達した。

 

 

 

「ベルのお陰で大分、安全に進めましたよ。本当に頼りになりますね」

 

「炎攻撃に強い耐性を持つなんて、流石は炉神の眷属ね」

 

「良くやってくれました」

 

 ベルは長い次産間隔にある58階層にて、ヘイズにレミリアとメルーナ達、女性陣に甘やかされて可愛がられていった。

 

 回復薬を飲むなどして少しの間、休息し準備を整えると59階層へと向かう。

 

 

 本来の59階層は『氷河の領域』と呼ばれる絶対零度の階層域である。

 

 至るところに氷河湖の水流が流れ、進みづらく、極寒の冷気が体の動きを鈍らせるものだ。しかも第一級冒険者の動きを凍てつかせるほどの恐ろしい寒気が襲ってくるという物である。

 

 だが、前の【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】による遠征の際にここを訪れた時、59階層は氷河の領域では無く、密林と化していた。

 

 そこで『タイタン・アルム』というモンスターに寄生していた女体型に夥しい数の芋虫型と食人花が魔石を捧げる事で強化をさせていたのをベルは【ロキ・ファミリア】の主力陣であるフィン達、準幹部であるラウル達、【ヘファイストス・ファミリア】の団長である椿と共に目撃した。

 

 すぐにとんでもない脅威になると察し、ベルは全力で女体型を滅殺したのだ。

 

 そうして、2度目となる59階層へとベルが向かっていると……。

 

 

 

『オオオオオオオッ!!』

 

 この階層、あるいはさらに先の階層を守ろうと食人花に芋虫型の群れが膨大な規模で立ちはだかっていた。

 

『はあああああああああああっ!!』

 

 こうして、ベル達は全力の武威でモンスターを全滅させたのだが……。

 

「っ、流石にこれ以上はまずいか……撤退するぞ。消耗が激し過ぎた」

 

 59階層の戦力は49階層のそれより、とんでもなかった。

 

 そして、消耗が激しかったのと60階層には更にまずいことがありそうだという予感からこれ以上の探索を断念したのであった……。

 

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