兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百十九話

 

 最低でも【ロキ・ファミリア】が到達した59階層の一つ先、60階層の到達を目指した【フレイヤ・ファミリア】との遠征。

 

 ベルにとっては2度目となる59階層の探索。本来、59階層からは『氷河の領域』になる。しかし、ベルが【ロキ・ファミリア】と訪れた時と同じように密林の環境であった。

 

 そして、以前は女体型がいて多くの食人花と芋虫型より魔石を捧げられていて進化を遂げようとしていたが、流石に今回は女体型はいなかった。

 

 だが、49階層の『フォモール』の群れよりも遥かに膨大な食人花と芋虫型の群れが59階層で待ち受けていたのだ。

 

 絶対に60階層にはいかせたくないとばかりにベルと【フレイヤ・ファミリア】の主力陣に準幹部による未到達領域探索パーティに対して襲い掛かった。

 

 それを当然、ベル達は迎えうち激しい戦いの中、全滅させた。

 

 だが、あまりに膨大な群れであったために戦いによる消耗は激しく、その状態ではとんでもない存在がいると予測できる60階層の探索は出来ないとヘディンの判断もあって、断念したのだ。

 

 こうして、ベル達はバベルへの帰還を始め……。

 

「帰る時になるとお前の『幸運』によるドロップアイテムや貴重資源の獲得は良いな」

 

 ベルの『幸運』はダンジョン探索においてドロップアイテムの出現率、希少モンスターの遭遇率、貴重資源の発見率などダンジョンにおける稼ぎにおいて効果を発揮した。

 

 実際、【フレイヤ・ファミリア】は今回の遠征において、いままでよりこれ以上ないくらいに稼いでいたのだ。

 

「師匠達の役に立てるなら良かったです」

 

 ヘディンから褒められた事でベルは笑みを浮かべた。

 

「実際、役に立ってるよ。うちは金を使う時は滅茶苦茶使うからな」

 

「深層域まで私用で探索しても良いけど、どうしても手間だ」

 

「ダンジョンで稼ぐのも大変だよな」

 

「稼ぎが楽じゃないってのは当たり前なんだが」

 

 アルフリッグにドヴァリンとベーリングにグレールの四人は資金繰りの大変さについて語り出す。【フレイヤ・ファミリア】は特にフレイヤが使う時は凄く金を使ってしまう。

 

 

 

 勿論、【フレイヤ・ファミリア】の団員たちであり、フレイヤの眷属はフレイヤが好きに金を使えるように稼いでいたりもする財政が逼迫する時は逼迫するのである。

 

「ベル、どうしても稼ぎが必要な時は頼らせてもらうからね」

 

「良いですよ、ヘグニさん」

 

『ありがとう、ベル』

 

 稼ぎが必要な時に幸運を頼っても良いという本人の許可が出たのもあって、【フレイヤ・ファミリア】の殆どの者が感謝したのであった……。

 

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