兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百二十四話

 

 

 ヘスティアを主神、ベル・クラネルを団長、リリルカをサポーターとしている派閥としては零細の【ヘスティア・ファミリア】。

 

 しかし、零細派閥であるにも関わらず、【ヘスティア・ファミリア】はオラリオで名が広まっていて、人気でもあり、そして注目されてもいる。

 

 何故ならまず、ヘスティアの神徳とベルの人徳が良いからだ。オラリオ内でも市民も冒険者も神でさえも困っているようなら、迷わず力を貸して助けるし、相談にだって乗る。

 

 本来、他派閥との交流を良しとしないダンジョンの中でもベルはモンスターに襲われている冒険者を助けるし、場合によればダンジョンから帰還できるように力を尽くすのだから。

 

 更には強さにおいても注目されている。

 

 ベル・クラネルの『器』はこのオラリオ内は勿論、オラリオ外でも上から数えた方が早いぐらいの強者の領域、LV.6であり、第一級冒険者だ。

 

 そして、やはり派閥間の交流の広さも又、注目される要因だ。

 

 このオラリオに数多ある【ファミリア】の中でも『双頭』と呼ばれている程の権威と勢力を有している【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】とどちらとも『遠征』に同行するくらい交流が深いし、親しいのだから。

 

【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の関係としては敵対関係にあるというのにどちらとも交流できる時点で本当に凄い事であり、偉業でさえある。

 

「【ヘスティア・ファミリア】ならば、きっと……いや、やってもらわねばならん」

 

 オラリオの管理機関であるギルドの最高権力者のギルド長を務めているエルフの男であり、しかしてエルフなのに俗世に染まり、ギルドの長としての地位を使って豪遊に放蕩生活を送った事でエルフらしからぬ肥満体系になってしまったロイマン・マルディールは【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】と両派閥と交流が出来ている【ヘスティア・ファミリア】に注目していた。

 

 何故なら、ロイマンはオラリオを長年管理してきた中で万が一の時は手を組むが普段は敵対している【ロキ・ファミリア】と【フレイヤ・ファミリア】の関係を良く思ってはいない。

 

 故に両派閥の仲介が出来る可能性を有する【ヘスティア・ファミリア】に注目したのだ。有事の際は両派閥の仲介をさせようと考えていたのだ。

 

 まあ、【フレイヤ・ファミリア】の仲介に関しては……。

 

「(ベルに頼むのもありだな……)」

 

 【ロキ・ファミリア】の団長であるフィンは【フレイヤ・ファミリア】の力を借りる際はベルに仲介を頼むのもありだと考えたのである。

 

 そんなこんなで注目を受けている【ヘスティア・ファミリア】は……。

 

「うーん、やっぱりこれは神殿ですね」

 

「フレイヤ様が金かけただけあります」

 

「流石、【ゴブニュ・ファミリア】は凄いなぁ」

 

 神殿の如くとなった自分達の本拠である元廃教会の中でベルとヘスティアはそんな感想を漏らす。

 

「改めてよろしく頼む。ベル、リリルカ、ヘスティア」

 

 アルテミスは改めてベル達の世話になる事に対し、頭を下げたのであった……。

 

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