兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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十二話

 

 オラリオ南西にある交易所付近には高く白い塀に囲まれた広大な敷地の中央に腕を組んで胡坐をかく頭部が象の珍妙な巨人像が存在する。

 

 そして、なんとこの像の股間には出入口が存在している。そう、人によっては出入りするのに生理的な拒否感を抱くだろうこの像こそれっきとした本拠なのだ。

 

 名を『アイアム・ガネーシャ』。このオラリオにおいて憲兵的な役割を務めるだけでなくギルドとも密接的な関係にあって協力している最大派閥の一つで権威も勢力としても【ロキ・ファミリア】に対抗しうるだけのものを持つ【ガネーシャ・ファミリア】だ。

 

 因みに本拠は象の仮面を被った逞しい肉体を有する主神ことガネーシャが勝手に自派閥の金をはたいて建設したものである。

 

 そうして今夜、ライトアップされているこの本拠の中でオラリオ中の神々を対象とした『宴』であり『神の宴』が開催されていた。

 

 これにヘスティアは参加しており……。

 

「あら、随分と素敵なドレスじゃない。見違えたし、似合ってるわよヘスティア」

 

「ありがとう、ヘファイストス……君も珍しく着飾ったその姿、とても綺麗だぜ。きっとア「そこまでよ、絶対に名前を聞かせないで」う、うん分かったよ。とにかく綺麗だって事を伝えたかったんだ」

 

「それはちゃんと伝わっているわよ……ありがとう」

 

 ヘスティアのドレス姿を褒めたのは燃えるような紅い髪に美しい麗人の顔立ちだが右目に大きな眼帯をしている紅のドレス姿の女神、ヘファイストス。

 

 ヴェルフの主神にして『神の力』を封じた状態でも鍛冶においては下界の誰もが敵わない程の頂点の領域にいる鍛冶神である。

 

 因みにヘスティアはヘファイストスと恋愛の関係にあったとある女神の名を出そうとしたのをへファイストスに止められた。

 

 

 なお、このオラリオに来たてのヘスティアはヘファイストスの元へと世話になりにいき、グータラした結果怒らせて追い出された上でまた、頼りにいき最後の情けとして本拠として使っている廃教会を与えられ、バイト先をも紹介されたので立場としてはヘファイストスにヘスティアは頭が上がらない立場でもある。

 

「それにしても安心したわ。随分と良い眷属に恵まれたようで……うちの子、ヴェルフとも仲良くしてくれているようだし。まさか、眷属どうしでもあんたと繋がりが出来るなんてね」

 

「子は親に似るって事なのかもね」

 

 ヘファイストスは苦笑し、ヘスティアは笑みを浮かべた。

 

「む、そのドレス……ベルたんにプレゼントされたんやな。ほんま、ええ眷属に恵まれて良かったなぁ、大事にするんやぞドチビ」

 

「勿論だよ。ボクだってベル君の為ならなんだってする覚悟だ」

 

 その場へとやって来たロキと会話を交わすヘスティア。そして、更に……。

 

「あら、随分と珍しい組み合わせね」

 

 美しく響くソプラノの如き、声を響かせたのは長い銀髪に銀の瞳、究極という事すら侮辱に値する程の絶対の美を体現した容姿、女としての艶をも有した美の女神ことフレイヤである。

 

 そして、このオラリオにおいて【ロキ・ファミリア】に勝るとも劣らない権威と勢力を有する【フレイヤ・ファミリア】の主神でもある。

 

「ふ、フレイヤ」

 

「あら、貴女も来たのね」

 

「こういう場に姿を現すなんて何を企んどるんや?」

 

「別に何も企んでないわよ。強いて言うなら気まぐれよ」

 

「嘘つけ、どうせお前の事や。ベルたんを狙っとるんやろ。間違いなく、ベルたん、お前の好みやもんな」

 

「ええ、そうよ」

 

「即答かい」

 

 フレイヤと会話をするロキは自分の問いかけをあっさり、肯定した事にたじろぐ。

 

「そういう事でヘスティア……貴女の眷属、ベルについて話があるの。大丈夫、きっと悪いようにはならないわ」

 

「む……」

 

 そうして、フレイヤの求めに応じて二柱だけで話が出来る場所へと向かい……。

 

「まずはこれを見せる方が早いわね」

 

「なっ!?」

 

 そして、ヘスティアはフレイヤが秘めていた神実を知る事になる。

 

 

 

「そういう事だから、私や私の派閥とも仲良くしてねヘスティア」

 

「は、はは……まあ、そういう事なら仕方ないね。むしろ今更だし」

 

「ふふ、納得してもらえて良かったわ」

 

 フレイヤが隠した神実に頭を抱えながらも最後には頷き、そうしてフレイヤとも派閥間の同盟を組んだのであった。

 

 その後、へファイストスの元に戻ったヘスティアは……。

 

「ヘファイストス、実は頼みがあるんだ。例え、今後その代償に今後、関係を切られても構わないし、文句も言わない。でも、先にも言ったように僕はベル君の力になるためなら何でもする覚悟なんだ」

 

「……正直、予想はつくけど頼みを言ってみなさい」

 

 ヘファイストスは真剣な表情のヘスティアを見、頭を抱えながらそう問いかけ、ヘスティアは問いかけに応じ、頼みを言い出したのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔導書を読んだ事で母に会う奇跡に巡り合えたベルはその後、夜明け前にいつもの如く、『豊穣の女主人』へと行き……。

 

「せいっ!!」

 

「うっ……ふふん、私に数回も攻撃を当てられるようになるなんて流石ね」

 

「はぁ、はぁ、はぁ……ありがとうございます」

 

 母親との会話で英雄になる事に対して更に意志を激しく燃やすようになったベルはクロエとの鍛錬中、なんども攻撃を避けられたり、捌かれたり、接近を免れたりされながらも数回、攻撃を直撃させる事が出来た。

 

 もっともダメージ自体は防御や衝撃を逃されたりはしたが……。

 

「それじゃあ、ご褒美にゃ」

 

「んむ、く、う、んあああ……」

 

 鍛錬が終わった事でクロエはベルを抱き締め、深くしかして貪るような口づけと愛撫に甘やかしと可愛がりで蕩かせていったのであった。

 

 そうして、開店の準備を終えて本拠に戻ってダンジョン探索の準備をしたベルは『青の薬舗』へと向かうと……。

 

「あれだけ、あの女に近づくなって言ったのに……お仕置きだよ、ベル」

 

「ひゃ、そ、そんな事言われても……ふあああああっ!!」

 

 ナァーザはアミッドと接触したのを建前にベルを自分の部屋へと連行。そうしてベルを徹底的に性的な嗜虐的責めをしていく。

 

「くふ、う、あ、んく、ふああああっ!!」

 

「ふふ、苛められるのが好きなんだね。変態」

 

「や、そ、そんな事……」

 

「誤魔化しなんて出来ないよ。ふふ、たっぷり虐めてあげる」

 

「あ、あうう……くはあああっ!!」

 

 ベルは言葉でも嬲られ、痺れるような快楽によって蕩かされ尽くしたのであった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ナァーザのお仕置きを受けた後、『豊穣の女主人』へと行き、シルから弁当を受け取る。

 

 その後はバベルへと向かったのだが……。

 

「おはよう、ベル君」

 

「エイナさん、今日はまたどうして?」

 

「『怪物祭』に向けて忙しくなるから、明日は勿論、祭りの本番である明後日は勉強会が出来ないんだ。だから、ね……」

 

 中央広場で姿を隠しながら待っていたエイナが接触、ベルに声をかけると……。

 

「毎日毎日、ベル君頑張ってるね。偉い、偉いよ……」

 

「ええ、ベル様は本当に素晴らしいです」

 

「くふ、んく、ふ……はふ、く、んん……」

 

 応接室のような場所でベルへのお詫びとしてエイナはベルを抱き締めながら、頭に顔、体を撫で回され、揉まれて甘く優しい言葉をかけていき、それにリリルカも付き添って協力し、そうして二人にベルは蕩かされていったのであった。

 

 その後、ダンジョンへと向かうべく地下一階へとベルとリリルカ、ヴェルフは向かったのだが……。

 

「すみませーん、ちょっと良いですかー?」

 

 薄紅色の長い髪を二つに結わえ、可憐で整った容姿だが何故か目が死んでいる女性が声をかけてきた。女性は赤の看護衣と白の上衣に申し訳程度に防具を纏った戦闘装束で看護師を連想させる装いで金の装飾が施された長杖を持っていて治療師というのをベルは予測する。

 

「はい、なんでしょう」

 

 

 

「ありがとうございます、私の名前はヘイズ・ベルベット。【フレイヤ・ファミリア】の治療師です」

 

「ご丁寧にどうも。僕は【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルです」

 

「派閥は違いますが、ベル様のサポーターのリリルカ・アーデです」

 

「【ヘファイストス・ファミリア】のヴェルフ・クロッゾだ」

 

 ヘイズが名乗ったのでベル達も名乗る。

 

「此方こそ、皆さんご丁寧に……実はですね、フレイヤ様はこの最上階に居るのですがベルさんに会いたいとおっしゃられているのですよ。その代わり、今日、治療師としてダンジョン探索を手伝うように言われました。どうか応じていただけませんか、こう見えて蘇生3歩手前までなら治療できる腕前ですよ。散々、本拠で働かされてますからね……」

 

「別に言われたら会いに行きますけど……そういう事ならよろしくお願いします。治療師の存在は助かりますし」

 

「ありがとうございます。噂通り本当に良い子ですね、ベルさんは」

 

「はふ、んぅ……」

 

「っ、ああ、可愛すぎて癒されますー」

 

 ヘイズは自分の要求を受け入れたベルに笑顔を浮かべながら近づいて頭を撫で回す。それに心地良さそうにし、蕩けていくベルの様子に自派閥内で散々、殺し合いの如き鍛錬をする団員たちの蘇生を何度もするだけでなく、料理などの身近な世話さえする事で精神を擦り減らし、目すら死んでいる彼女は精神的な癒しを受ける。

 

「あ、ふ、んあああっ!!」

 

「ほらほら、もっと癒してください、ベル」

 

 抱き締めながらヘイズは癒しを求めてしばしの間、ベルを可愛がるのであった……。

 

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