兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百三十話

 

 オラリオの南東のメインストリート寄り、第四区画の歓楽街。

 

 色んな大陸の娼館があり、その中には極東風の建物である『遊郭』もあった。

 

 そして現在、遊郭の中では娼婦の一人で狐人、昔は極東における貴族の立場にいたサンジョウノ・春姫に彼女の面倒もそれなりに見ていたアイシャ、二人の客となったベル・クラネルがいた。

 

「こぉん……」

 

 布団の上ではたっぷりとベルに愛され、快楽を与えられては抱き潰された春姫が至福な表情で眠っていた。

 

「少しは幸せに出来ましたかね」

 

「もう、ばっちりだよ。見てみな、こいつの顔を……こんなに幸せそうにしやがって」

 

 ベルは布団の上に座っており、そんなベルにアイシャは寄り添っていた。そして、ベルの問いにアイシャは苦笑を浮かべながら春姫を見る。

 

「なら、良いんですけど……」

 

「それにしても随分と手管も増えたじゃないか。それにこっちの方も強くなってる。たいしたもんだ」

 

「まあ、色々経験させられているので」

 

 アイシャに対し、ベルは苦笑を浮かべた。そうして深く口づけし……。

 

「それじゃあ、僕はヘスティア様達に戻ってくるように言われているので戻ります」

 

「ふふ、帰ったらどうせ上書きされるんだろうね」

 

「流石ですね」

 

 ベルは立ち上がりながら、衣服を着替え直すとアイシャは察した事を言うとベルは頷く。

 

「まあ、良い事さ……なぁ、ベル・クラネル……実は満月の日、うちの派閥の本拠で儀式をするんだ」

 

「儀式ですか……」

 

「ああ、どうするかは任せるよ」

 

 含みを持たせるようにアイシャは言い、ベルは何かを察する。ともかく、そうしてベルはアイシャに見送られながら遊郭を出て、自分の本拠に戻ったのであった。

 

 その後、【イシュタル・ファミリア】の本拠内で……。

 

『えーっっっ!? は、春姫が処女卒業ーーーーーっ!?』

 

 春姫が娼婦として、しっかり仕事を終えた事に本拠内の『戦闘娼婦』達は凄く驚愕した。

 

『やったじゃーん、おめでとう。今日は赤飯だね』

 

 次の瞬間にはようやく自分達の仲間になったのだとお祝いした。

 

「あ、ありがとうございます。皆様」

 

 春姫は皆からのお祝いを喜んだ。

 

「(ベル・クラネル様……ありがとうございます)」

 

 春姫は娼婦である自分を心から愛し、快楽を与えたベルに感謝しつつ、愛の感情を抱いた。

 

 春姫は昨日の事を通して今まで自分が処女だったと理解しながらだからこそ、そんな自分に対してベルは丁寧に接してくれたからだ。

 

 

 

「ふふ、これであいつも心残りは無くなった訳だな」

 

 満月の日、春姫に対してある儀式を行う事にしているイシュタルは春姫の心残りが無くなっただろうと思い、満足の笑みを浮かべたのであった……。

 

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