兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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百三十二話

 

 ベル・クラネルはヘルメスと共に向かった『歓楽街』にて、命と千草の二人と出会い、そうして彼女達が知り合いだという狐人の女性で春姫という娼婦にアイシャとそれぞれ、愛と快楽を与え合う交流をした。

 

 そして、アイシャが満月の日に【イシュタル・ファミリア】で儀式をすると伝えてきたので春姫の身に関わる事だと察し、その儀式のときに春姫を助ける事を決意したのである。

 

 娼婦とはいえ、相手をしてもらったし、それに彼女の初めてを貰った責任を取るためだ。それに自分に伝えてきた以上、アイシャも春姫を助けてほしいと願っているのも感じ取っていた。

 

 そして、ヘルメスと歓楽街に行く前、ヘスティアにアルテミス、フレイヤとの約束通り、夜明け前に本拠に戻ると三柱の女神は上書きと称してたっぷり、愛と快楽を与えられて蕩かされ、腑抜けになってしまったのだった。

 

 その後、夜が明けた朝……。

 

「それでベルは何を考えてるのかしら……」

 

 フレイヤがベルがある事を考えていると察し、聞き出す。

 

「その、昨日に『歓楽街』で相手をしてもらった春姫さんという方が【イシュタル・ファミリア】に所属しているんですが、満月の日にどうも、彼女の身を使った儀式があるそうなんです」

 

「だから、助けたいと?」

 

「はい、春姫さんは良い人ですし……それに僕にアイシャさんが伝えてきたのは春姫さんを助けてもらいたいからだと思ってるんです。その期待にも応えたい」

 

 ベルはフレイヤと他に話を聞いているヘスティアにアルテミスに対してしっかりと自分の意思を伝える。

 

「……ベルがそう思うならそうすれば良いわ。それにイシュタルはずっと前から渡しに敵対心を持っていてね。だから、【イシュタル・ファミリア】は私達にとっても敵対派閥よ」

 

「ボクもベル君がしたい事をすれば良いと思ってるし、任せるよ」

 

「オリオンは本当に優しくて良い子だな……それにしても満月に自分の眷属の命を奪うような事をするとは、イシュタルめ」

 

 フレイヤはベルに微笑みを浮かべながら頭を撫で、ヘスティアも同じく笑みを浮かべて頭を撫でる。アルテミスも同じだが、彼女は司る事物の一つとして『月』を司っている。

 

 だからこそ、その女神として月が浮かぶ日――しかも満月に自分の眷属の身を危険に晒し、命を奪うような事をするイシュタルにアルテミスは怒る。

 

「そういう訳だから、よろしくね」

 

 ともかく、ベルは三柱の女神から春姫を助ける許可を得ると共にフレイヤとしても自分の眷属の力を借りて良いからと言われ、フレイヤも自分の眷属にベルに力を貸すよう、言ったのである。

 

『フレイヤ様の意のままに』

 

 フレイヤの命に眷属達は頷いた。

 

「皆さん、よろしくお願いします」

 

 ベルも頭を下げて頼むと【フレイヤ・ファミリア】の眷属の多くが元々、イシュタルが自分の敬愛する女神に敵対心を向けて色々動いていた【イシュタル・ファミリア】は気に入らなかったという事で気にするなと伝えてきたのであった……。

 

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