ベル・クラネルは【フレイヤ・ファミリア】と共に【イシュタル・ファミリア】を襲撃する計画を立てつつ、情報収集をする事にした。
【ヘルメス・ファミリア】の本拠へと足を運ぶ。
「ヘルメス様、力を貸してください」
「ベル君には何度も力を貸してもらっているし、アスフィ達の事だって助けてもらっている。喜んで力を貸すよ」
そうして出迎えてくれたヘルメスにアスフィ達の前で力を貸してもらうように頼むとヘルメスは頷き、アスフィ達も頷いた。
「実はアイシャさんから満月の日に【イシュタル・ファミリア】の本拠で狐人である春姫さんに対して儀式を行うそうなんです。それも春姫さんの身に危険が及ぶような……どういう儀式か分かりますか?」
「ああ、分かるよ。実はそれに関連する物をイシュタルからの依頼で渡したからね」
そうしてヘルメスはイシュタルに『
「なんて物を……」
「その殺生石というのは?」
ベルの質問にヘルメスは答える。
『殺生石』――『
『玉藻の石』は妖術とも謳われる狐人の魔法の効果を跳ね上げる道具で狐人の遺骨を原料に作られる。
対して『鳥羽の石』は月の光を浴びる事で色を変え、光を放ち、魔力も帯びる特殊な鉱石である『
その性質上、『鳥羽の石』の効果が最大限に発揮されるのは満月の夜。この時、二つの石が融合した『殺生石』は悪魔の石になる。
石の使用者である狐人の魔力、魂を石に封じ込めるのだ。
相応の設備も併用する事で魔力を封じ込めた殺生石は狐人の魔法の力を第三者に与える魔道具として完成する。
代償として生贄にされた狐人を魂の抜け殻にしてしまうが……。
「……なんて酷い……ありがとうございました。春姫さんを絶対に救う決意が出来ました」
ベルの中にはヘルメスの話を聞き、なんとしてでもイシュタルによる儀式を防ぎ、春姫を救う決意が出来た。
「どういたしまして……俺も荷物を見るまで知る術が無かったとはいえ、こういう事に関わった者として気分が悪くなるからね。是非とも助けてあげてくれ」
「はい、ヘルメス様」
ヘルメスの言葉に応じて本拠を出ようとしたベルだが……。
「ところでヘルメス様の誘いとはいえ、歓楽街に行ったのですよね?」
「しょうがないな、ベルも」
「残念だぞ、ベル君」
アスフィにルルネとローリエに部屋へと連れていかれ……。
「ふやぁぁぁっ!!」
ベルは三人からたっぷり可愛がられ、甘やかされ、愛されて蕩かされ尽くしていったのであった……。