兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

137 / 137
百三十六話

 

 ベル・クラネルは【フレイヤ・ファミリア】と共に【イシュタル・ファミリア】を襲撃する計画を立てつつ、情報収集をする事にした。

 

【ヘルメス・ファミリア】の本拠へと足を運ぶ。

 

「ヘルメス様、力を貸してください」

 

「ベル君には何度も力を貸してもらっているし、アスフィ達の事だって助けてもらっている。喜んで力を貸すよ」

 

 そうして出迎えてくれたヘルメスにアスフィ達の前で力を貸してもらうように頼むとヘルメスは頷き、アスフィ達も頷いた。

 

「実はアイシャさんから満月の日に【イシュタル・ファミリア】の本拠で狐人である春姫さんに対して儀式を行うそうなんです。それも春姫さんの身に危険が及ぶような……どういう儀式か分かりますか?」

 

「ああ、分かるよ。実はそれに関連する物をイシュタルからの依頼で渡したからね」

 

 そうしてヘルメスはイシュタルに『殺生石(せっしょうせき)』という魔道具を渡した事を告げる。

 

「なんて物を……」

 

「その殺生石というのは?」

 

 ベルの質問にヘルメスは答える。

 

 『殺生石』――『玉藻(たまも)の石』と『鳥羽(とば)の石』を素材にして生成する禁忌の魔道具。

 

 『玉藻の石』は妖術とも謳われる狐人の魔法の効果を跳ね上げる道具で狐人の遺骨を原料に作られる。

 

 対して『鳥羽の石』は月の光を浴びる事で色を変え、光を放ち、魔力も帯びる特殊な鉱石である『月嘆石(ルナティック・ライト)』の事である。

 

 その性質上、『鳥羽の石』の効果が最大限に発揮されるのは満月の夜。この時、二つの石が融合した『殺生石』は悪魔の石になる。

 

 石の使用者である狐人の魔力、魂を石に封じ込めるのだ。

 

 相応の設備も併用する事で魔力を封じ込めた殺生石は狐人の魔法の力を第三者に与える魔道具として完成する。

 

 代償として生贄にされた狐人を魂の抜け殻にしてしまうが……。

 

 

 

「……なんて酷い……ありがとうございました。春姫さんを絶対に救う決意が出来ました」

 

 ベルの中にはヘルメスの話を聞き、なんとしてでもイシュタルによる儀式を防ぎ、春姫を救う決意が出来た。

 

「どういたしまして……俺も荷物を見るまで知る術が無かったとはいえ、こういう事に関わった者として気分が悪くなるからね。是非とも助けてあげてくれ」

 

「はい、ヘルメス様」

 

 ヘルメスの言葉に応じて本拠を出ようとしたベルだが……。

 

 

 

「ところでヘルメス様の誘いとはいえ、歓楽街に行ったのですよね?」

 

「しょうがないな、ベルも」

 

「残念だぞ、ベル君」

 

 アスフィにルルネとローリエに部屋へと連れていかれ……。

 

「ふやぁぁぁっ!!」

 

 ベルは三人からたっぷり可愛がられ、甘やかされ、愛されて蕩かされ尽くしていったのであった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

白兎は狩人の誓いを(作者:自堕落無力)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

 これは白兎の少年が月女神と狩人の誓いを交わし歩む英雄譚


総合評価:754/評価:7.4/連載:110話/更新日時:2026年10月14日(水) 19:56 小説情報

二人の姫と出会った少年は英雄の道を歩む(作者:Kkky)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

この物語は、本来なら出会うことも見ることもなかった一人の女がある少年の“髪”を見てしまったことにより分岐した世界。▼その出会いによる変化がもたらすものは喜劇か、はたまた悲劇か▼これは少年が突き進み、少女が歩む、眷属の物語(ファミリア・ミィス)。▼


総合評価:8576/評価:9.02/連載:130話/更新日時:2026年10月17日(土) 00:00 小説情報

英雄になりたいと少年は思った(作者:DICEK)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか )

本編再構成物です。ファミリアに入る前からスタートします。▼違うファミリアに入ったら、というよくある話です。▼タグはヒロイン候補です。登場したら増えます。▼あとタイトル迷走中です。予告なしに変わる可能性がありますが、ご留意ください。


総合評価:14821/評価:8.66/連載:64話/更新日時:2026年07月09日(木) 20:13 小説情報

最強と最恐の系譜は雷霆の申し子です(作者:道化の作家)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

 この世界線のベルくんは原作よりも二年早く生まれて、あの二人に滅茶苦茶鍛えられただけの世界線。▼ それ以外にも少し他の要素が混じってる。原作とは一部設定の違う部分がありますが許してクレメンス。▼


総合評価:2046/評価:8.55/連載:19話/更新日時:2026年10月13日(火) 16:09 小説情報

レイ・ヴァレンシュタイン、転生特典【ガチャ】呪い【超不運】(作者:寝心地)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

神に転生させられた男、レイ・ヴァレンシュタイン、転生特典【ガチャ】と呪い【超不運】を手にオラリオを駆け回る


総合評価:893/評価:6.05/連載:58話/更新日時:2025年07月12日(土) 20:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>