ベル・クラネルは春姫の魂を『殺生石』に封じ、春姫の魔法を使う魔道具にするために満月の日に【イシュタル・ファミリア】が本拠の『女主の神娼殿』で儀式を行おうとする時に【フレイヤ・ファミリア】と共に襲撃を仕掛けた。
満月の日を掴んだのは月を司るが故に天候を見て、その時期が判断できるアルテミスのお陰であった。
そうして夜中に『歓楽街』へと入って、『女主の神娼殿』近くまで近づくと【聖火英雄】の効果で【ファイア・ボルト】の性質変化をさせた。
翼に変える事で飛行能力を得ると儀式場である別館屋上、空中庭園まで飛び上がるとそのまま、儀式を行おうとしていた戦闘娼婦たちを倒し、そうして春姫を救出したのである。
その後、それとは別に襲撃を始めた【フレイヤ・ファミリア】の団員達のそれを手伝っていき、最後にフレイヤがイシュタルを天界に送還させる事で【イシュタル・ファミリア】は壊滅した。
当然、ギルド本部が追求してきたのでヘスティアにフレイヤ、アルテミスがそれぞれ眷属とはいえ、春姫に対して非道な儀式を行おうとしていたので止める為だったとしっかり説明した。
話し合いの結果、【ヘスティア・ファミリア】に【フレイヤ・ファミリア】は軽いペナルティを負う形で済んだ。
ギルドからの依頼を必ず受けたり、罰金を払ったりするという程度で済んだのだ。
ともかく、【イシュタル・ファミリア】が壊滅するとイシュタルの眷属達は当然、恩恵が封印されるので常人になってしまう。
なので一刻も早く、他の神の眷属になる必要があるのだ。
そのため……。
「精一杯、お役に立ちますのでよろしくお願いします。ベル様」
「私もちゃんとこいつの面倒見るから頼むよ。もっとも春姫はへっぽこだから苦労かけるけどね」
「ぅぅ……」
春姫とアイシャは【ヘスティア・ファミリア】の本拠を訪れた。ヘスティアの眷属になるためだ。
春姫が頭を下げ、アイシャは苦笑を浮かべながらいうと春姫は申し訳なさげにした。
「まあ、ベルくんが助けた以上は放っておかないよ。ベルくんからも頼まれてるからね」
「すみません、ヘスティア様」
「助けたのは良い事なんだから、謝る必要ないじゃないか」
「そうだぞオリオン、お前は良い事をしたんだ」
謝るベルにヘスティアとアルテミスは苦笑を浮かべた。
こうして春姫にアイシャはヘスティアの眷属として受け入れられた。
今日、【ヘスティア・ファミリア】に二人、入団して数が増えて確かに戦力が増えたのであった……。