ベル・クラネルは満月の日に春姫の魂を『殺生石』に封じ、彼女の魔法を使えるようにするための儀式をしようとする【イシュタル・ファミリア】の本拠である『女主の神娼殿』に【フレイヤ・ファミリア】と共に襲撃を仕掛けた。
無論、春姫を助けるためである。そうしてベルは目的を果たし、春姫を救出し、更にフレイヤがイシュタルを送還したので【イシュタル・ファミリア】も壊滅した。
因みに神に致命傷を与えて天界に送還する行為は神にしか許されない。下界の者が神に致命傷を与える行為は『神殺し』として忌避されるし、下界最大の犯罪行為にもなる。
未来永劫語り継がれる最恐最悪の罪人となってしまうのだ。
そしてイシュタルが送還されたのでイシュタルより、『恩恵』を与えられた眷属の【ステイタス】は封じられ、常人になってしまう。
なのでベルが巣食った春姫と彼女の世話係も兼ねたアイシャがヘスティアの新たな眷属となり、【ヘスティア・ファミリア】の新団員として加入したのだ。
更にフレイヤの元には【イシュタル・ファミリア】の副団長であり、男娼でLV.4のタンムズ・ベリリはフレイヤの新たな眷属となり、【フレイヤ・ファミリア】の新団員として加入したのである。
そして、タンムズから話を聞いたフレイヤによればイシュタルは『闇派閥』の残党とも手を組んでおり、活動資金の提供をしていたとの事である。
ベルが【ロキ・ファミリア】と【ヘファイストス・ファミリア】の遠征に同行していた時、その帰還中に『ポイズン・ウェルミス』による大群に襲撃された。
その猛毒の被害を結構な団員が受け、治療のため、18階層に滞在していた時に闇派閥の残党に会った。奇襲を仕掛けて捕えようとしたが別の者がベル語と襲撃してきた。
その攻撃を受けてもベルは炎系攻撃に対して耐性があるので問題無かった。そして、周囲を探れば眼球系の魔道具を手に入れた。
闇派閥によって重要な道具だろうとベルはフィンに渡している。その魔道具と同じ物をイシュタルは持っていたのだ。
ともかく、悪事を働く……あるいは働こうとしていた派閥を一つ、ベル達は潰せた。
また、【イシュタル・ファミリア】はギルド本部にとっても悩みの種であった。レベル偽装の疑いがあったのでそれを調べた結果、レベル偽装では無かったので訴えられ、賠償金を取られてしまったのである。
それによって【イシュタル・ファミリア】にギルド本部は強く出られなくなってしまった。
そしてだが……。
「【――大きくなれ。
春姫は長文詠唱をし……。
「【ウチデノコヅチ】」
春姫の魔法が発動するとベルの全身が金の光粒に包まれた。そして感じるのは力が湧き上がる感覚と全能感である。
なんと春姫の魔法は対象者の器を一時的に一段階引き上げる。つまり、疑似的な器の昇華である。
「本当に凄い……」
ベルは春姫の魔法の強力さを実感したのであった……。