兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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十七話

 

 

 昨日、【フレイヤ・ファミリア】の本拠である『戦いの野』へと自らの実力を高めるため、『洗礼』に挑んだベルは【フレイヤ・ファミリア】の幹部であるヘディン・セルランドに何かを見出され、相手をされることになった。

 

 結果としては常に瀕死にされ続けたが、最後の最後にかすり傷を負わせる成果を得られた。第一級冒険者の中でも上から数えた方が早い実力者であるヘディンにそれを成した事は評価に値するとフレイヤ達から褒められた程であり、ベルとヘディンの手合わせを見ていた団員たちもベルに敬意を抱かざるを得なかった程だ。

 

 そして、フレイヤによれば『今後も此処に来たら、私が相手をしてやる。強くなりたいなら挑んで来い』と伝言を残したらしく、相当に気に入られたとの事らしい。

 

 ともかく、ヘイズらの治療によって体は無事だがその後は動けないぐらい、消耗しきってしまいフレイヤが手際良く、ヘスティアも自分の本拠へと招待するとその後はたっぷり世話され、可愛がられ、甘やかされ奉仕を受けさせられて身も心も蕩かされたのである。

 

「わぁ、良い感じですね。これ……本当に貰って良いんですか?」

 

 翌朝、昨日の『洗礼』でベルの衣服もボロボロになる事は十分に予想出来たのでベル用に仕立てられた白と銀を基調とした【フレイヤ・ファミリア】の制服にして高性能な戦闘衣(バトル・クロス)を与えられた。

 

「ええ、勿論よ。良く似合っているわ……ふふ、まるでベルが私の眷属になったみたいね」

 

 エンブレムは消しているとはいえ、自分の所の制服なのでそれを着ているベルの姿にフレイヤは満足げであった。

 

「そうですねー、ベル、このまま『改宗』してはいかがでしょう?」

 

「もっと躾けなきゃいけない事が山ほど、ありますからね」

 

「ちょっとー、ベル君は僕の眷属なんだからなー」

 

 ヘイズとヘルンも加わってベルを勧誘し始める中、ヘスティアは文句を言うのであった。ともかく、その後は土産なども貰いながら、ベルは冒険者として働くためにまず、回復薬を調達しようと『青の薬舗』へと向かう。

 

 因みに数日前、『怪物祭』や【フレイヤ・ファミリア】の本拠に行く予定が出来たのでリリルカとヴェルフにはそれを言っており、今日を集合日とし、蒼の薬舗前を集合場所ともしていた。

 

 すると……。

 

「これがヘファイストス様の作った……流石だ」

 

「まさか、鍛冶神直々の作品だったなんてね……」

 

 店の外で待っていたヴェルフに対し、ベルは≪ヘスティア・サーベル≫を見せるよう言われた。何とその剣はヘスティアに頼まれてヘファイストスが作った剣なのだという。

 

 この下界において絶対に揺るぎない頂点の領域にいる鍛冶神ヘファイストスに届こうと、あるいは上回ろうと努力する鍛冶神の眷属であるヴェルフは今では滅多に作らないその作品を観察すべく、ベルに頼んだ。

 

「なんか、ごめんね。僕はヴェルフ以外の物を使わないなんて言ってたのに……」

 

「相変わらず真面目だな。だが、気にするな。お前の主神直々に贈られた者なんだろ。色々と厳しい条件を付けたってヘファイストス様も言ってたし、今後も使ってやってくれ……」

 

 申し訳なさでいっぱいのベルに対し、ヴェルフは苦笑しながらそう言った。

 

「そう言ってもらえると助かるよ」

 

「ああ、俺ももっとヘファイストス様に負けないくらいの作品を作れるよう、精進し続けるぜ。武具も防具も……という訳で今日はダンジョン探索を止めてもっと作品作りをしたい。この作品を見て気合も入ったしな」

 

「分かった、よろしく頼むよ」

 

「ああ」

 

 そうしてヴェルフはベルにサーベルを返して自分の工房へと去って行った。

 

『青の薬舗』の中へ入れば……。

 

「申し訳ありません。ベル様……」

 

「い、良いよ。気にしなくて良いからぁ……ふあああっ!!」

 

 リリルカの世話になっている者が体調を崩したのでその看護をするからダンジョン探索を休ませて欲しいとリリルカが言い、ベルは承諾したのだが急に休む詫びとしてベルはたっぷりと奉仕をされ始めた。

 

「んふふ、相変わらず可愛いね。『白兎の英雄』って言われてるのが信じられないくらい」

 

 ナァーザも又、ベルへの奉仕に加わっておりベルを蕩かせている。因みに『白兎の英雄(ラビット・ヒーロー)』とは『怪物祭』で活躍したベルに与えられた勇名である。

 

「んぐ、ふ、あ、うああ……んはああああっ!!」

 

『ふふ、可愛い……』

 

 そうして、ベルはリリルカとナァーザが満足するまで奉仕によって快楽の絶頂を叩き込まれたのであった……。

 

 

 

 

 

 予定と違って単独で探索する事になったベルは自分が探索出来る限界階層を探る事にし……。

 

 今は木肌で構成された壁や天井、床は巨大な樹の内部を豊富とさせる植物の世界、19階層から24階層までの『大樹の迷宮』の始点、19階層を探索していた。

 

 『大樹の迷宮』には様々な植物が生えていて、その中には高性能な薬品の原料となる植物もあるので商業系派閥から出される採取依頼はこの層域を対象としたものが多かったりする。

 

「【福音よ、鳴り響け】――【クリロノミア・チャイム】」

 

 ベルは第二の魔法を発動し、鐘音を鳴り響かせるとトランス状態となり、自分の身体を自分の意識で自在に操れるようになるほどに集中力を深め、更に五感どころか第六感も含めての感覚を研ぎ澄ませると共に相手の予兆も含めて周囲の動きや気配や距離など全てを音で把握できるようになるほどの感知能力の高まりであり、共感覚を手に入れた。

 

「ふっ!!」

 

「グッ!?」

 

 そうして青白い肌に第三の目とも呼べる紅石を有する女体竜尾のモンスターにして『ドロップアイテム』に魔石は破格の価格で取引されるうえ、額の紅石こと『ヴィーヴルの涙』は巨万の富が約束されているという最上位の希少種である『ヴィーヴル』へと他のモンスターの群れの間を異次元的な動きで舞い踊り、駆け跳ねる事で潜り抜けると額の紅石を掠め取って大きく距離を取った。

 

『オオオオッ!!』

 

 額の石を取られた事でヴィーヴルは理性を捨て去り、狂暴性を解放して逆鱗の咆哮を上げる。それに他のモンスターも呼応してベルへと襲い掛かった。

 

「ふしッ!!」

 

 しかし、動きの全てを音で聞くことが出来、相手の動きの一つも見逃さない程の集中力にして観察力を持つベルによって対応されるどころか事前に寸秒、右足に蓄力をしていた事で爆発的な踏み込みにより、超速で駆け跳ねながら機先を制し、異次元的な動きにして縦横無尽に剣閃乱舞を振るうベルに全て対処された。

 

 その後、魔石と『幸運』の影響かヴィーヴルのも含めて多めに『ドロップアイテム』を手に入れたベルだが……。

 

「あんた、怪物祭で活躍したって言う『白兎の英雄』だろう? 成程、確かに見た目は兎で戦う様子は勇ましくて英雄のよう……良いね」

 

「どうも……僕は【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルです」

 

 ベルは自分へと声をかけた黒い長髪に妖艶な美しさを有する美貌、鍛えられたしなやかで一七〇Ⅽ以上ある身体、色香に溢れているそれを露出性の高い衣服で隠しもしない褐色肌の女性、手には大朴刀を抱えている者へと声をかけた。

 

「私は【イシュタル・ファミリア】のアイシャ・ベルカだ……少しばかり、相手をしてくれないかい。ベル・クラネル。あんたの勇姿に疼いちゃってね……これはアマゾネスとしての本能なんだ。だから、頼むよ」

 

 今にも襲い掛かりそうなのを堪えているといった様子でアイシャは聞いてきた。

 

「断る事は出来そうにありませんね。良いですよ」

 

「話が分かるようで良かったよ。それじゃあ、早速……」

 

「しっ!!」

 

 そうしてアイシャがベルへと攻め込み、ベルが対応する事で手合わせが開始される。

 

 縦横無尽に戦場と定めた場を動き回りながら、アイシャは大朴刀を振るい、ベルは二振りの片手剣を振るう事で剣舞の応酬を繰り広げる。

 

「ふっ、はは……想像以上じゃないか、ベル・クラネルッ!!」

 

「アイシャさんこそっ」

 

 アイシャは自分の剣舞に対応するベルの実力に笑みを浮かべて一層激しく剣を振るい、ベルもLV.4間近の実力はあると判断しながら切り結んだ。

 

「(こいつ、格上の相手との戦いに慣れてるね……)」

 

「(絶対に負けない)」

 

 

 日々、LV.4のクロエにルノアとリューとの鍛錬や昨日、『戦いの野』でLV.1からLV.4の【フレイヤ・ファミリア】との大乱戦にして『洗礼』を経験し、LV.6のヘディンとも蘇生されながら自分にとっての死闘に挑み続けたベルは質の面でアイシャの戦闘経験を上回っていた。

 

 そうして、アイシャを圧し始め……。

 

「へっ……【(きた)れ、蛮勇の覇者】!!」

 

 押され始めたアイシャは剣舞を披露しながら、詠唱を開始する。

 

「【ファイアボルト】」

 

 剣舞を捌きながらベルは自分の≪ヘスティア・サーベル≫に炎雷を浴びせると蓄力を開始して拡散しようとする炎雷を抑えつけて剣に収束する。剣と魔法による二重収束を開始した。

 

「(付与魔法(エンチャント))じゃない……)【雄々しき戦士よ、たくましき豪傑(ごうけつ)よ、欲深き非道の英傑(えいけつ)よ。女帝(おう)帝帯(おび)欲しくば証明せよ。()が身を満たし()が身を貫き、()が身を殺し証明せよ。飢える()()はヒッポリュテー】」

 

 ベルが距離を取りつつ、構える剣に炎雷を収束し始めた事でアイシャは距離を取りながら詠唱をし、魔法を完成させていく。対してベルが収束させている炎雷は剣身を伸長し続けながら強烈な輝きを更に強めていく。

 

「いくよ、【ヘル・カイオス】!!」

 

 アイシャは大朴刀を振り下ろすと共に水面を切る鮫の背びれの如く、紅色に染まった斬撃の衝撃波を放ち……。

 

「(ヘスティア様、貰います)、聖火の英斬(アルゴ・ウェスタ)ァァァァァァァァッ!!」

 

 ヘスティアから贈られた名を元に自分の技を名付けながら、一分近く蓄力したそれを解き放つ。

 

「なッ、うあああああッ!?」

 

 ベルの剣から解き放たれた緋色の斬閃と強烈な炎雷がアイシャの斬撃波を掻き消し、アイシャを吹っ飛ばす。

 

「(ふふ、なんてこったい。今になって私が男に本気になるなんてね)」

 

 アイシャは吹っ飛ばされ薄れゆく意識の中でベルに対し、アマゾネスとしての本能がベルを唯一の男だと認め、【イシュタル・ファミリア】の戦闘娼婦(バーベラ)が故に抱く事は無いと思っていた愛を抱くのを自覚したのだった。

 

 

 

 そうして……。

 

「ベル・クラネル……私は今日からあんたのもんだ。ふちゅ、んちゅ、んむ……」

 

 手持ちの回復薬で回復し合ったベルとアイシャだが、アイシャはベルに負けた事でベルの女になると宣言し、深く口づけする。

 

「うぁ、アイシャさ……」

 

「ふふ、どうやらこういうのは好きなようだね。たっぷりと奉仕してやるよ」

 

「あう、く、んん……うはああああっ!!」

 

「なんだい、分かりやすく蕩けて……ああ、本当最高だよベル・クラネル」

 

 ベルはアイシャによる戦闘娼婦としての手管による奉仕で蕩けに蕩け、アイシャは満足げな表情を浮かべながら更に奉仕をするのであった……。

 

 

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