兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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二十話

 

 今日も今日とて冒険者として、ダンジョン探索をしているベル・クラネルはサポーターであるリリルカと契約鍛冶師であるヴェルフといういつものパーティだけでなく、今回は【ロキ・ファミリア】の団長であるフィンに副団長のリヴェリア、アイズにティオナ、レフィーヤにティオネという六人のパーティと一緒にダンジョン探索をしていた。

 

「せいやあっ!!」

 

 今日で【ランクアップ】をしようと気合を入れているヴェルフは積極的に前線で愛刀である大刀を振るい、モンスターと戦闘を重ねていてベルはヴェルフが本当に危ない時に加勢していた。

 

 最大派閥の強みである人数の多さもあって、【経験値】稼ぎや『偉業』稼ぎを楽に行える組織力、幾勢力を持つフィンとリヴェリアがいるので二人からの助言は実に役に立った。

 

「すみません、フィンさん達まで僕たちの事情に付き合わせてしまって」

 

「いやいや、全然構わないよ。実は【ヘファイストス・ファミリア】には色々と仕事を依頼していたりするし、これくらいはね……もっとも君への恩返しを兼ねても全然足りないよ」

 

「そんな……でも、ありがとうございます。そして、他の派閥の事も考えての立ち回りというか……やっぱり最大派閥の団長ともなると違いますね。僕もフィンさんみたいに上手く立ち回れる団長になれるよう頑張りたいです」

 

 苦笑するフィンに対し、ベルは団長としての理想像を見せるフィンへ尊敬の眼差しを向けて言った。

 

「ンー、十分うまく立ち回れてると思うよ(あの【フレイヤ・ファミリア】の本拠に入れて、生きているしね)。君の交流関係を考えてもね」

 

 フィンは再度苦笑し、言った。

 

「いえ……只、皆さんが優しいから、僕を可愛がってもらえてるだけで……」

 

「それもある種のカリスマだよ」

 

「ああ、勿論、常に他の人を気に掛ける優しさも含めてな」

 

「ベルの優しくて可愛いところ、私は好きだよ」

 

「それが一番だけど、いざ戦うと熱くて勇ましい所も大好きだよ」

 

「ですね、慢心せず常に一生懸命なのも良いです」

 

「少しくらいは自信持って欲しいところはあるけどね」

 

「ふふふ、でも謙遜するところ含めてやっぱり、ベル様の美徳ですから」

 

「ああ、お前は凄い奴だよ。ベル」

 

「はぅ、ちょ、み、皆……褒めすぎですよぉ」

 

 フィンを皮切りにリヴェリア、アイズにティオナとレフィーヤにティオネ、リリルカにヴェルフから褒められまくり、ベルは照れまくってしまった。

 

『(可愛い……)』

 

 そんなベルの様子にフィンたちは和む。

 

 

 

 

 そうして、『岩窟の迷宮』ではヴェルフの【ランクアップ】のための【経験値】稼ぎと『偉業』稼ぎに集中し……そうして、19階層からの『大樹の迷宮』では……。

 

「ふっ!!」

 

「はあっ!!」

 

「えいやぁっ!!」

 

「やあっ!!」

 

 火炎攻撃を行う希少種の鳥型のモンスターである『ファイアーバード』、熊獣のバグベアーに大甲虫であるマッドビートル、狙撃蜻蛉のガン・リベルラ、巨大蜂のデッドリー・ホーネット、剣鹿のソード・スタッグ、蜥蜴人のリザードマン、毒茸の『ダーク・ファンガス』、ゴブリンの上位種、『ホブゴブリン』、大型モンスターの『マンモス・フール』などを相手に長槍を振るうフィン、愛剣であるサーベルの≪デスペレート≫を振るうアイズ、二つの大剣を柄で連結した大型武器こと≪ウルガ≫を振るうティオナ、二刀の短湾刀(ククリナイフ)を振るうティオネ達。

 

 この層域など単独でも進み続ける事が出来るLV.6のフィンにLV.5のアイズにティオナ、ティオネの立ち回りはどれをとっても参考になるものだ。

 

 だからこそ……。

 

「【福音よ、鳴り響け】」

 

 福音を鳴り響かせる鐘の魔法により集中力を高め、相手の動きを相手で聴く事で感知し把握する能力を手に入れる事でベルはフィンたちの技と駆け引きを学習した。

 

「はああっ!!」

 

 そうして急成長した戦舞と炎雷の魔法によってフィンたちに負けない勢いでモンスターを殲滅していく。

 

 そうしながら、白樹の葉(ホワイト・リーフ)など薬系のアイテムの原料となる植物を収穫していく。

 

 

 

 そして、休憩中……。

 

 

 

「あく、んああ、ふ、うう……」

 

 ベルは女性陣に甘やかされ可愛がられながら、蕩けている中で……。

 

「本当に可愛いね、こう可愛いとベルのお母さんは良くベルを独り立ちさせたって思うよ」

 

 ティオナはふとそんな事を呟いてしまった。

 

「あうぁ、僕、お父さんもお母さんも生まれつき亡くなってて……お祖父ちゃんに育ててもらってたんです」

 

『っ!?』

 

 ベルからの言葉に女性陣は驚き、非難の視線が無論、ティオナに集中する。

 

「ごめん、ごめんねベル。無神経な事言っちゃって」

 

「いえ、大丈夫ですよ……それにちょっとした奇跡があってお母さんに会えたんですよ。名前だって聞けました。メーテリアって言うんだそうです」

 

 ティオナはベルを更に優しく甘やかし、可愛がって蕩かせつつ謝る。ベルは許し、そして母親の事を言うと……。

 

「っ!?」

 

 今度はリヴェリアが珍しい程に驚愕の表情を浮かべていた。そして……。

 

「はう、リ、リヴェリアさん?」

 

 リヴェリアはベルを抱き上げ自らの胸の中へと強く抱き締めていく。

 

「いや、ティオナが失礼したなベル」

 

「ん、ふ、僕は気にしてませんから」

 

「ああ、ありがとう(可愛らしい甥を残していたとは……馬鹿者め)」

 

 可愛がり、甘やかしていくリヴェリアは内心でとある人物に怒る。その人物とはメーテリアの姉にして数年前、英雄を生み出すための踏み台になるべく、絶対悪となった女性である。

 

 ともかく、そうしてダンジョン探索を終えて明日は【ロキ・ファミリア】の本拠に行く約束を交わして別れるのだった。因みにヴェルフはこの探索の結果、LV.2に【ランクアップ】する事になるのであった……。

 

 

 

 

 

 『大樹の迷宮』で獲得した薬系の原料となる植物の多くは『青の薬舗』へと渡す者であるがそれとは別に【ディアンケヒト・ファミリア】の治療院へ渡す物も確保していた。

 

 そうして、治療院へと行き……。

 

 

 

「アミッドさん、換金の代わりに協力して欲しい事が……」

 

 ベルは結構な量の採取物をベルが訪れた事ですぐさま駆け付け、対応しているアミッドに渡して言う。

 

「ふふ、良いですよそれくらい」

 

「ふあ、んく、ああ……」

 

 アミッドは承諾しながら探索の疲れを取るためと治療のための個室の寝台でうつ伏せになったベルに指圧し、揉み解しのマッサージをして癒していく。

 

「ふあ、あく、っうっ」

 

「では、仰向けになってください」

 

「え、ま、待って。今は……」

 

 ベルはアミッドにより、仰向けにされ……。

 

 

「ベルさん、ここはそういうところじゃないんですよ……なのに……」

 

「うぅ、ご、ごめんなさい」

 

「いいえ許しません、躾けてあげます」

 

「え、や、ふあああああああっ!!」

 

 ベルはアミッドに弄られ続け、責められ続けて蕩かされるのだった。

 

 

 そうしてこの日の翌日、ベルは『ヴィーヴルの涙』とヴィーヴルの魔石を換金し、多くを【ファミリア】のための銀行にして【ヘスティア・ファミリア】の金庫へと貯金しつつ、ある程度の代金は残しており……。

 

「ナァーザさん、昨日『大樹の迷宮』に行ってきたので色々と使えそうな物取ってきました」

 

「もうそこまで……それに欲しかった物が、白樹の葉まで……またご褒美いっぱい上げなくちゃね」

 

 ナァーザはベルからの提供を喜んだが更に……。

 

「それとこれ……もう、ローンの事を気にしなくて良いですよ」

 

 昨日、アミッドに確認し今日、滅茶苦茶渋っていたディアンケヒトを尻目にアミッドがさっさと処理を終えて渡した【ミアハ・ファミリア】のローン返済を終えたという領収書をベルは渡す。

 

「ベル、これだけの金をどうやって」

 

「ヴィーヴルの涙を取れましたからね。ナァーザさん達のローンを払っても十分、余裕があるだけの大金だから有効活用しました。それと僕には返済しなくて良いです。代わりに性能の良い回復薬をこれからも沢山、作っていただければ……」

 

「……うん、そうさせてもらうよ。でも、それだけじゃないんだよベル」

 

「え?」

 

「私の義手のローンだからね……ベルは私を買ったって事なんだよ。だから、いっぱいご奉仕するね、ご主人様」

 

「あ、ナ、ナァーザさ……ふあああああああっ!!」

 

 ローンの返済までしたベルにナァーザは全てを捧げる事を決意し、建前を述べながら自室まで招くとベルに全てを捧げた奉仕にて絶頂を体感させ続けたのだった……。

 

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