兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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二十四話

 

 昨日、二回目となる【フレイヤ・ファミリア】の本拠こと『戦いの野』でヘディンとの死闘に挑んでいたベルはその後、消耗しきっていたのを良い事にヘスティアにリリルカ、フレイヤにヘイズにヘルン達に甘やかされ、苛められるという形は違えど彼女たちの愛によって蕩かされ尽くした。

 

「ベルは恐ろしいわね……何度可愛がったり、甘やかしたり、愛したりしても全く飽きないんだもの」

 

「うん、むしろどんどん深みにハマらされるよね……」

 

「なんなら、今日は一日中こうしてますか?」

 

「良いですね、それ」

 

「今日はどう、躾けてやりましょうか」

 

「ふぁぅ……くふ、あく、は……ぁぁ……」

 

 朝日が昇ろうという時間帯、ヘスティア達によって昨夜に続いて様々な愛を施されベルは身も心も蕩かされ続けていく。

 

「も、もう止め……駄目になっちゃいますぅ」

 

『駄目になっちゃえ』

 

 抵抗しようと声に出すもヘスティア達は望む所とむしろ、堕落を進めるが如く囁き、更に施す愛のそれを強めていく。

 

 

 ベルが蕩けていくのを朝日が昇って少し時間が過ぎるまで楽しんだのであった……。

 

 そうして朝の入浴やら身支度を整える事と朝食において徹底的な世話をされ……。

 

「愚兎……今日も始めるぞ」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

「……我が名はヘグニ。我らが女神に見初められし兎よ。我が宿敵の教えについていけるその在り方……我が剣を学ぶ資格は十分、ならば学ぶが良い」

 

 いきなりヘディンから朝の鍛錬をするよう言われると、次に褐色の肌に薄紫にも見える銀の髪、ヘディンに負けず劣らずの美麗な容姿を有するダークエルフのヘグニ・ラグナールが癖のある言動と共に鍛錬に加わる意志を示す。

 

 ヘグニ・ラグナールも又、【フレイヤ・ファミリア】の主力陣にして幹部であり、LV.6の第一級冒険者である。

 

 普段は対人におけるコミュニケーション能力が壊滅的であり、拗らせた言動も相まって中々癖のあるエルフだが、戦闘能力は凄まじく、ヘディンが魔法に優れているならヘグニは剣技に優れた魔法剣士である。

 

 ヘディンと鍛錬しているベルの様子を見て、彼もベルの力になってやりたいと思ったが故の行動であった。

 

「そういう事なら、ぜひよろしくお願いします。ヘグニさん」

 

「……う、うん」

 

「急に素になるな。馬鹿が」

 

 明るく純粋なベルの笑みと言葉に思わず素の態度で頷くヘグニにヘディンは呆れた。

 

 そして……。

 

 

「しっ!!」

 

「ふっ!!」

 

「うあっ、ぐ……はあああっ!!」

 

 鍛錬が始まるとヘグニは切っ先が雷の如き形状を取る漆黒の剣でありながら『体力と引き換えに斬撃範囲を拡張する』能力を有した特殊武装の呪剣こと≪ヴィクティム・アビス≫を振るい、壮絶なる剣技を容赦なくベルに繰り出す。

 

 それに乗じてヘディンも容赦なく、自身の雷による魔法をベルへと放った。

 

 ベルは鐘の魔法により、特異な音感を得る事により自分だけが聞く事の出来る音に乗って異次元的な舞いを踊りながら駆け跳ね、片手剣と短剣による戦技と炎雷の魔法をもって死闘に臨む。

 

 何度も何度も死にかけ、ヘイズの治癒を受けながらも勝利を掴み取るために意志を燃やし続け、体を動かす。

 

「ふふ、宿敵よ。お前が面倒を見るだけはあるな」

 

「抜かせ、我らが主の寵愛を受けるにはまだまだだ」

 

「違いない」

 

 ヘグニが心折れるどころか寧ろ、奮起するベルに好感を抱きながらヘディンに言うとヘディンは鼻息を鳴らし、言うとヘグニは同意する。

 

「やああっ!!」

 

 そうして昼近くまでベルはヘディンとヘグニとの死闘に励み……。

 

 

「愚兎、数日間ダンジョンに行くぞ」

 

「え、いやでも……」

 

「お前に拒否権は無い。そしてお前の懸念は解決してやっているから、ダンジョンでの事に集中すれば良い」

 

「俺も行くから、よろしくな」

 

 こうしてベルはリリルカにヘディンとヘグニ、ヘイズと共に数日間、ダンジョン探索をする事になった。

 

 その間、ヘスティアはベル達が帰ってくるまでの間、『戦いの野』でフレイヤに面倒を見てもらえるようになっている。もっともヘイズからのアドバイスで【フレイヤ・ファミリア】の戦闘要員たちを支える治療師や薬師ら、『満たす煤者達(アンドフリームニル)』の手伝いをする事になったのだった……。

 

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