ダンジョンの7階層へと踏み入れたベル・クラネルは『キラーアント』の群れに蹂躙されようとしていた一人の少女を助けた。
「改めて危ないところを助けていただきありがとうございました。リリは【ソーマ・ファミリア】のサポーター、リリルカ・アーデと言います」
身長は一〇〇C程の超低身長でその事から種族は
彼女は背中に自分の体格よりも遥かに大きなバックパックを背負ってもいる。
「人助けは当たり前のことですので気にしないでください。僕はまだ出来たばかりの【ヘスティア・ファミリア】のベル・クラネルです」
そうして自己紹介し合うと大量に転がったキラーアントの死骸から魔石と『ドロップアイテム』をリリルカに手伝って貰いながら回収するとリリルカの物はともかく、ベルのバックパックと魔石袋は中身一杯になったのでバベルへと帰還を始める。
ベルのダンジョン探索のスタンスとしてはまず、モンスターと沢山遭遇する機会のある正規ルート外れを進みながら、自分の能力で対応できる限界ギリギリの階層を目的階層とする。
そうして魔石とドロップアイテムをバックパックと魔石袋の中身がいっぱいになるまで回収すると帰還し、冒険者のための施設も多く内包している摩天楼施設の側面も有するバベルにある換金所まで行って換金しつつ預かってもらい、そうしてまたダンジョン探索をしてバックパックと魔石袋の中身がいっぱいになると帰還して換金。
最終的には当然、預かってもらったもの纏めて持ち帰るというのがベルのダンジョン探索のスタンスであった。
リリルカもベルが帰還するからと同行するかと聞かれたので頷き、そうして帰還。
バベルの換金所では『助けられたお礼』だとリリルカが回収したのも含めてベルのものとして換金して預かってもらいながら……。
「ベル様、どうかリリをサポーターとして雇ってもらえませんか?」
リリルカが所属する【ソーマ・ファミリア】では彼女は役立たずのサポーターであり、今日はキラーアントの群れに対する囮にされたので戻っても又、囮にされるかそれより酷い目に遭わされるのは目に見えているので戻らずに生活できるよう、フリーのサポーターとして雇ってもらいたいと申し出た。
因みにサポーターとは冒険者に同行し、戦闘の最中に冒険者を支援したりモンスターの死骸から魔石やドロップアイテムを回収するのを仕事としている支援職の名である。
「良いですよ、さっきまでもリリルカさんがいた事で魔石やドロップアイテムの回収も捗りましたから、こちらこそよろしくお願いしますリリルカさん」
「これからはリリと呼んでください。ベル様」
そうしてベルはリリルカとサポーター契約を結んで時間的にも余裕があるので再び、ダンジョン探索を始め……。
「はああっ!!」
再び7階層まで進んだベルは『キラーアント』に角を有する兎の『ニードルラビット』、即効性は無いが浴び続ければその身を冒していく毒の鱗粉を振りまく蛾の『パープル・モス』、更には通常のモンスターと比べれば産出される割合や遭遇する確率も低い
モンスターに対し自由自在に駆け跳ねる事で翻弄しながら、怒涛の如き勢いで右手に持った短刀による斬撃に刺突と空いた左手の拳撃と両足の蹴撃で構成された連撃を浴びせる事で討伐していく。
そしてベルが倒したモンスターの死骸は素早くリリルカがベルの邪魔にならないように一か所に纏めるために引きずっていき、戦闘が終わるとベルと共に魔石とドロップアイテムを回収した。
「やっぱり、サポーターが居るとダンジョン探索も捗るよ。リリは役立たずって言っていたけど、僕にとっては十分に役立ってる。ありがとう、リリ」
「……気に入ってもらえたなら良かったです。ベル様も兎のように可愛らしいに戦う姿は雄々しくてとっても格好良かったですよ」
「あ、ありがとう」
お互いに笑い合うと互いのバックパックと魔石袋もいっぱいになったのでまた、バベルへと帰還。
「ではこれからよろしくお願いします、ベル様」
「うん、僕のほうこそよろしく。リリ」
そうして換金所へと行くと『ブルー・パピリオ』のドロップアイテムは【ミアハ・ファミリア】に渡すため、それだけは残しつつ換金。リリルカの換金分はまた、リリルカの意思の元、ベルのものとなり、翌日もバベルで決めた集合時間にて集合してダンジョン探索をするのを約束し、リリルカと別れつつベルはバベルの八階へと行く。
そこにはオラリオにて最大大手の鍛冶派閥こと【ヘファイストス・ファミリア】の店があり、その派閥の駆け出しの団員にして見習い鍛冶師たちのためのものとなっている。
つまり、売られている武具や防具は安いのだ。
「(ヴェルフ・クロッゾ……)」
店を見回り、ナイフや短刀を探す中で実用性重視で無骨なフォルムのダガーナイフが目につき、【ヴェルフ・クロッゾ】という製作者の名が記されているのを見た。
一目でファンになると探して予備も含めてどれも刃渡り二〇Ⅽ程のダガーナイフに刃の幅が広いナイフにバトルナイフ、短刀四本全て【ヴェルフ・クロッゾ】のサインが記された物を購入する。
今回の稼ぎは七〇〇〇〇ヴァリスだが、ナイフの代金は二〇〇〇〇ヴァリスで済んだ。
そしてバベルから出て中央広場を歩いていると……。
「っ!?」
全身を余さず舐め回さんとする
「あうっ!?」
更に視線は強くなって痺れさせてきたので脱兎のごとく、ベルは逃げるのであった……。
二
夜になりかけの中、ベルは本拠である廃教会へと戻り……。
「ヘスティア様、今日は沢山稼げたのでこれ、どうぞ……」
「ん、これは……」
「髪留め傷んでいるようでしたので……」
ヘスティアにベルは一つの小箱を渡し、ヘスティアが受け取って中を開ければ蒼い花弁を彷彿させる飾りつけのリボンに小さな銀色の鐘が付いた二つの髪飾りがあった。
「……ありがとう、ベル君。折角だから君に付けて欲しいな」
「は、はい」
そうしてベルは髪留めを外したヘスティアの長く艶やかな黒髪に丁寧に触れ、自分が買ってきた髪飾りを付けるのであった。
「ベル君、大好きだぜ。んちゅ」
「うあ、へ、ヘスティア様……」
ヘスティアからベルは軽く口づけされ、嬉しさにより顔を赤に染める。
「ふふ、嬉しいかい?」
「はい、とっても」
「じゃあ、もっとしてあげる」
「あむ、ふ、ぅ、あ、ふ……こ、こんなの幸せ過ぎて駄目です」
「もっと幸せになって良いんだぜ。いや、ベル君をもっともっと幸せにしてあげるよ」
「うあぁ……」
ベルはヘスティアに軽い口づけから深い口づけを何度も何度もされていき、その感触や愛しているヘスティアから口づけされているという幸福感などで蕩けていく。
「好き、大好き、愛してる……」
「ぼ、僕もヘスティア様が大好きです、愛してますぅ」
夜深い時間帯になるとヘスティアはベルとベッドに寝そべりながら。彼の顔を胸の中へと包みながら、沢山の愛を囁きながら髪を撫で、胸で軽く挟みながら柔らかな感触や熱を与えて蕩かせ続けた。
ベルは心地良さに浸り、蕩けながらヘスティアに自らの想いを伝える。
主神と眷属はお互いの愛を伝え合い、密着しながら眠るのであった……。