兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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三十三話

 

 ダンジョンの『中層域』における終点である階層、24階層で異常な規模のモンスターの群れが発生しているという事でそれを解決すべく、ベルはサポーターであるリリルカと契約鍛冶師であるヴェルフといういつものパーティに加えて今日、ダンジョン探索をする約束をしていた【ロキ・ファミリア】のアイズにティオナとティオネ、レフィーヤに偶然、集合場所のギルド本部で出会った【イシュタル・ファミリア】のアイシャにそして、ベル達が24階層に行く事を聞いて同行を申し出た【ディオニュソス・ファミリア】のフィルヴィスともパーティを組み、ダンジョンへと向かった。

 

 そうして、先ずは情報を得るために18階層の『リヴィラの街』へと向かったのである。

 

 因みにベルは『リヴィラの街』を利用する冒険者達からも信頼や人望がある、何故なら『リヴィラの街』を行き来する冒険者達が窮地の時、いつもベルが助けているからである。

 

 しかもベル自身はお返しを要求したりもしない。純粋であり、善人なベルに対して冒険者達は好感を抱いているし、深い恩義を感じているのだ。

 

 

 

 そして、それは……。

 

「ボールスさん、こんにちは」

 

 『リヴィラの街』の大頭である筋骨逞しい肉体に禿頭、いかつい顔に片目には眼帯をしたボールスにベルは挨拶をした。ボールスともベルは友好な関係を築いているのだ。

 

「おう、ベル・クラネルって……【ロキ・ファミリア】や【イシュタル・ファミリア】、それに……」

 

 ボールスはベルと共にいるアイズやアイシャ達を見て驚きながらもフィルヴィスに対しても驚いた表情を浮かべ、何事かを言おうとした。

 

「ちゃんと分かった上でパーティを組んでいるので心配はご無用ですよ」

 

「そ、そうか。それでここに来たのはまさか、24階層についてか?」

 

「はい、モンスターの群れの数が凄いと聞いたので討伐しに」

 

「そうか、そいつは助かるぜ。そういや、【ヘルメス・ファミリア】の連中が『黄金の穴蔵亭』って酒場にいたぜ。装備も整えてて24階層がどうとか言ってるようだ」

 

「分かりました、情報ありがとうございます」

 

「良いって事よ、お前には俺もそうだが、馴染の連中も世話になってるしな」

 

 そうして、ベル達は『黄金の穴蔵亭』へ向かうと……。

 

 

 

「ベル君、こんなところで奇遇だなっ!!」

 

 ベルの姿を見たローリエがすぐさま駆け付け、ベルを抱き締めた。

 

「はうぅ、会えて嬉しいですローリエさん」

 

「おお、ベル……って【ロキ・ファミリア】と【イシュタル・ファミリア】も」

 

 ルルネもベルに反応し、アイズ達にも反応した。

 

 そして……。

 

「ベル・クラネル……話はルルネとローリエたちから聞いています。彼女たちを助けてくれているようですね、ありがとうございます。私はアスフィ・アル・アンドロメダ、【ヘルメス・ファミリア】の団長をしています」

 

 水色の髪だが前の一房だけ白く染まっている特徴的な髪、碧眼の瞳に銀製の眼鏡をかけた知的で端整な容姿、どこか気風漂う雰囲気も纏った女性ことアスフィがベルへと近づき、礼を言いながら頭を撫でた。

 

「んぅ……丁寧にありがとうございます。良ければこれからも仲良くしていきましょう、アスフィさん」

 

「っ、はぁぁ……」

 

「ひゃ、んく、ふあ、あ、アスフィさん。ひゃううう」

 

 ベルが心地良さそうな様子を見せつつ、アスフィに可愛らしい笑顔を浮かべれば実は主神に色々と無茶振りされ、過労状態が常であるアスフィはベルの様子に堪らなくなり、抱き締めつつ癒しを受けるのだった。

 

 ともかくとして、ベルはその後副団長の虎人の男であるファルガーなど自己紹介を交わしつつ、戦力的に組んだ方が良いという事でベル達は【ヘルメス・ファミリア】とパーティを組み、24階層へと向かい始めるのだった……。

 

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