兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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四十三話

 

 

 

 

 

 【ロキ・ファミリア】では朝夕の食べ始めは見回り以外の団員が揃ってから行う事になっている。

 

 少なくとも五十人以上の団員が大食堂に集まる事になるので当然、料理の用意は早いうちからしなければならない。

 

 故に朝日が昇る時間帯より、少し早く――大食堂では朝食担当の【ロキ・ファミリア】の団員達がいて……。

 

 

 

「皆さん、おはようございます」

 

「おはよう……って、ベル・クラネル!?」

 

 自然とベル・クラネルが大食堂へと入り、挨拶をした。あまりの自然な事に団員たちは受け入れたが、把握すると驚愕する。

 

「世話になっている身なので手伝いに来ました。料理は得意なので任せてください」

 

「えーと、じゃあお願いします」

 

 そうして、ベルは朝食を作るのを手伝い……。

 

「わぁ、凄い上手だね」

 

「村では生まれつき、両親いなくてお祖父ちゃんと二人暮らしだったので覚えたんですよ」

 

「……く、苦労したんだなぁ」

 

「ああ、ごめんなさい。湿っぽくして……オラリオに来てからは『豊穣の女主人』での仕事を手伝ったりもしてるから、腕は磨かれました」

 

 そんな会話をしながら、料理を作るのを手伝って配膳もしていく。

 

 

 

 

 そうして……。

 

『美味しいっ!!』

 

 これまでとは違う美味さに皆が舌鼓を打ち、ベルに対して感謝をしたのであった。

 

 朝食の片づけを済ませて少しすると……。

 

 

 

 

「じゃあ、行こっか」

 

「うん」

 

「よろしくお願いします」

 

「こちらこそ……」

 

 ベルはリリルカにアイズとティオナにレフィーヤとダンジョン探索をするため、本拠を出る。

 

「へぇ……今度は【ロキ・ファミリア】の本拠に泊まるんだ……次は私の所にも泊まって欲しいなぁ」

 

「ひ、ひやぁ……わ、分かりましたからぁ……」

 

「うん、約束だよ」

 

 回復薬調達のために【ミアハ・ファミリア】の『青の薬舗』へと向かい、ナァーザに最近、【ロキ・ファミリア】の本拠で世話になっている事を伝えるとナァーザから頭を撫でられ、揉まれたり擽られたりしながら蕩かされる中で約束を交わす。

 

「へぇ、【ロキ・ファミリア】の皆さんと……本当、皆に好かれますね。愛され兎さんは」

 

「日に日に愛嬌が増していますしね」

 

「ほら、もっと委ねて」

 

「ふふ、今日も可愛いよ」

 

「ニャア、どんどん甘えるが良いのニャ」

 

『豊穣の女主人』によるとシル、リュー、クロエにルノア、アーニャ達にやはり可愛がられていく。

 

 

 

「今度は【ロキ・ファミリア】の本拠に泊まってるのかよ……本当、お前の交友関係凄いよな」

 

「まったくだね」

 

 ヴェルフ、アイシャともバベル内で合流すると二人から呆れの混じる溜め息を吐かれつつ、苦笑される。

 

「と、ともかく、行きましょう」

 

 そうしてベル達は『大樹の迷宮』まで進んでいき、モンスターをそれぞれ倒しながら魔石にドロップアイテムを回収していく。

 

「なんかまた、一段と実入りが多くなったな」

 

『確かに……』

 

「あ、あはは」

 

 改めてベルと一党を組んでいる者たちは得にドロップアイテムだが、明らかにベルがいるときは格段に収穫できる量が増えている事を実感する。

 

 ベルは唯一、『幸運』というアビリティを持っているので当然の事ではあったが……。

 

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