兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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四十四話

 

 広大な大都市であるオラリオの市壁の上――オラリオを守る設備であるがゆえに複数の人が動き回れるだけの広さがある。そんな場所にベル・クラネルはアイズにそれとティオナと共に来ていた。

 

 今から行うのは手合わせである。

 

 単純にアイズ達はベルと実際に手合わせしたいと考えているし、【フレイヤ・ファミリア】がベルと親密な関係を築いている事に思うところがあるティオナは上書きでもしようとするかのようにベルへ手合わせを申し出た。

 

 向上心の強いベルはベルでそれを引き受けたのである。

 

 そうして……。

 

「はあっ!!」

 

「っ、やあっ!!」

 

「あはは、やっぱり凄いねベルはっ!!」

 

 縦横無尽の如く動き回りながら、ベルは片手剣と短剣の二刀にて自由自在にして変幻自在な剣舞を舞い踊り、アイズは片手剣による流麗にして鋭い剣舞を、ティオナは得物である二つの大剣を柄で繋いだ大双刃による豪快な剣舞を舞い踊る事で三つ巴による武と技の応酬を繰り広げていた。

 

「ああっ!!」

 

 ベルは寸秒のチャージによる攻撃、足にチャージをして蹴り抜く反動による加速などを織り交ぜてLV.6で自分を上回る【ステイタス】のアイズとティオナとうまく立ち回っており、そんな彼の技と駆け引きにアイズもティオナも目を輝かせつつ、胸を高鳴らせる。

 

「(こうして相手していると、堪らない)」

 

「(やっぱり、私はベルが大好き)」

 

 ベルが見せる勇姿に放つ武威はアイズとティオナの心を高鳴らせ、見惚れさせていく。

 

「まだまだ、いくよ」

 

「もっと楽しもう、ベル」

 

「はいっ!!」

 

 そうして、三人はそれぞれ全力で手合わせを楽しむのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 夕方、なんとなく一人で『黄昏の館内』を歩いていたベルだったが……。

 

「おい、兎野郎……付き合え」

 

「分かりました、ベートさん」

 

 ベルはベートに呼びかけられたので応じて彼の先導に従い、どこかの廃墟跡地に到着する。

 

「やるぞ……とことんな」

 

「私も混ぜてもらうわよ。ティオナに先を越されているのは我慢ならないしね」

 

 アイズにティオナがLV.6になっている事に対抗心を燃やしているベートはベルと実戦を行うとしており、同じような事を考えていたティオネがベル達を見かけた事でそれを追い、混じろうとしていた。

 

「僕に役立てるなら……」

 

 そうして、それぞれ徒手空拳にて構え合い……。

 

『はあああああっ!!』

 

 夜中にて今いる場所を戦場に縦横無尽に動き回りながら拳に蹴りを幾多も応酬するのであった。

 

『はぁ、はぁ……』

 

 気づいた時には心身疲れ尽くして倒れており……。

 

「助かった」

 

「ベル、ありがとうね……団長の次に大好きよ」

 

 『黄昏の館』に帰還し、【ステイタス更新】をすればベートとティオネはそれぞれLV.6に【ランクアップ】し、ベルも全アビリティの熟練度がかなり上がった。

 

 また、ティオネはベルと手合わせをした事でフィン一途である筈なのにそれと同じくらい、ベルに対し胸を高鳴らせてしまう程に好きになったのであった……。

 

 

 

 

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