兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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五十五話

 

 ダンジョンの深層域における未到達階層の更新を目指して【ロキ・ファミリア】の団長であるフィンに副団長のリヴェリアに二人と合わせて三首領と呼ばれるガレス、アイズにティオナにティオネ、ベートとレフィーヤ、ラウルにナルヴィ、アリシアとクルスらと【ヘファイストス・ファミリア】の団長である椿と共にベルは少数精鋭のパーティとして『安全階層』である50階層より先の階層へと向かった。

 

 51階層にて【ロキ・ファミリア】が警戒していた溶解液を有し、それを吐きだすなどして普通の装備ではすぐに溶かされてしまうという芋虫型の新種の怪物の襲撃にもあったがベル達は難なく対処した。

 

「ここからはもう、補給できないと思ってくれ」

 

 広く長い階段、52階層への連絡路を前にフィンが指示をする。

 

 それに【ロキ・ファミリア】の団員たちが緊張に包まれた表情を浮かべた。

 

「何かあるみたいですね」

 

「みたいだな」

 

 同じ中衛であるがベルは勝手に行動しがちな椿の傍にいて、いつでもフォロー出来るように備えていた。

 

 緊張に包まれた表情をしているのでベルと椿はそう声をかけあった。

 

 そうして、52階層へと進出すると……。

 

「戦闘は出来るだけ回避しろ、モンスターは弾き返すだけで良い!!」

 

 51階層の探索より早いスペースでパーティは疾走する。

 

「お、『ドロップアイテム』」

 

「止まっちゃ駄目っす!!」

 

「椿さん、待った」

 

 魔石の回収などにも構わず、モンスターを蹴散らして進んでいく中、ラウルの言葉に応じてベルは隊列から離れようとする椿の手を取って引き寄せる。

 

 

 

「どうしたのだ。この階層に何かあるのか?」

 

「狙撃されるっす」

 

 ラウルの警戒しているような表情と声色もあってベルと椿も警戒する事にし、そうして疾走を続けていく。

 

 すると地の底から禍々しい雄叫びが響き……。

 

「補足された……全員、急げぇっ!!」

 

 そうして、フィンが指示をし……。

 

「ベート、転進しろ」

 

 フィンの次なる指示にベートが反応、遅れてティオネとティオナらも反応して一団で正規ルートから外れた横道に移動する。

 

 

 

 次の瞬間、地面が爆砕して轟炎が突き上がり、衝撃波が大気を震わせる。

 

「迂回する。西のルートだ」

 

 下からの狙撃は一発だけで終わらず、連続して発生した。

 

 フィンはリヴェリアに芋虫型の新種を引き寄せても良いから、防護魔法の用意を頼む。そんな中でも狙撃を避けながら、一同は走り……。

 

 

 

 

「【ファイアボルト】」

 

 横穴から糸による奇襲を仕掛けようとした『デフォルミス・スパイダー』をベルは炎雷で爆砕した。

 

 「(これじゃ埒が明かない) 【聖火降臨(フローガ)】――【ファイアボルト】」

 

 ベルはとある事を思い付くと【聖火英雄】の効果を発動し、炎雷をオーラ状に腕に纏い、それで爆炎に触れてみる。結果として炎雷のオーラが爆炎を無力化していた。

 

「良し……【福音よ、鳴り響け】――【クリロノミア・チャイム】」

 

  そうして、一旦オーラを消すと第二の魔法を発動する事でトランス状態になり……。

 

「【聖火降臨(フローガ)】――【ファイアボルト】」

 

 ベルはそうして炎雷のオーラを全身に纏う。

 

「皆さん、僕は炎の狙撃は大丈夫ですから、狙撃を抑えに行ってきますっ!!」

 

 言うが早いか、ベルは狙撃によって空いた大穴へと飛び込み、落下していったのだった……。

 

 

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