兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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六十三話

 

 ベル・クラネルは遠征から帰還中であるが、1日野営する事になった18階層にて常連の如く、利用もしているが色々と世話になっているオラリオの西のメインストリートにある酒場、『豊穣の女主人』の店員であるリューと出会い、彼女が所属していた【アストレア・ファミリア】の眷属たちが眠っている墓地にて墓参りを共にした。

 

 そして、リューと別れてフィン達の元へ向かおうとしたベルだが偶々、とある者たちと遭遇してしまった。

 

 それは以前、24階層のモンスターの異常発生を起こした原因である『食糧庫』を食人花のプラント、更には『異形の雌の胎児』を成長させる場所にしていた『闇派閥』。

 

 かつて、【アストレア・ファミリア】もそうだが【ロキ・ファミリア】に【フレイヤ・ファミリア】に【ガネーシャ・ファミリア】という最大大手の派閥は勿論、オラリオ中の派閥が手を組んで対処した邪神の連合派閥の残党たちである。

 

 ベルは見かけた者たちを気絶させ、フィン達の元へと連行して尋問をしようとしたのだが突然、第一級冒険者となったベルの感覚でも知覚できなかった仮面の襲撃者が現れた。

 

 因みにその者は52階層にてベルにティオナにティオネ、ベートにガレス達が『ヴァルガング・ドラゴン』の砲撃の対処をしている間に正規ルートを進んでいたフィン達を襲った者であるとベルは思い返した。

 

 ともかくその襲撃者が闇派閥の者に炎の魔剣で攻撃し、身に着けていた自爆装置に引火させて大爆発を発生させベルを始末しようとしたのだ。

 

 爆発の規模からしても第一級冒険者であるベルも本来なら危なかっただろう。しかし、ベルはヘスティア由来の【スキル】を有しており、それのお陰で火炎攻撃には強い耐性を持っている。

 

 よって戦闘衣や軽装鎧は損傷をうけたがベル自身に対したダメージは無かったのである。

 

 そして、なんとなく周囲を見渡せば何らかの魔道具だろう球体を見つけたのでそれを拾ってフィン達の元へと戻り始め……。

 

 

 

「ベル、無事か!?」

 

「やっぱり、ベルが関わってたんだね」

 

「焼き兎になってなくて良かった」

 

 爆発の規模もあってベルが関わっていると察して向かってきたリヴェリアにアイズ、ティオナと遭遇する。

 

 

 

「はい、爆発に巻き込まれこそすれ無事ですよ……ひゃぶっ!?」

 

「まったく、心配かけおって……やはり、一人で行動させるべきでは無いな」

 

「うん、心配」

 

「まったくだよ」

 

 リヴェリアに抱き締められるとそのまま抱え上げられ、野営地に連れていかれた。

 

 

 

 

「話は分かった。とりあえず預かっておくよ。それにしても『闇派閥』がまた暗躍しているのか」

 

 フィンにベルが仮面の者の情報などを伝え、拾った魔道具を渡すと彼は思案に暮れ始める。

 

『お仕置きね』

 

「ひゃう、は、はいぃ……うひゅああああっ!!」

 

 ベルは口実を手にした女性陣にたっぷりと可愛がられ、愛でられ、甘やかされていく事で身も心も蕩かされて骨抜きにされていったのだった……。

 

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