兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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六話

 

 オラリオの西のメインストリートの路地裏には一つの店舗兼本拠がある。その本拠の名は『青の薬舗』であり、回復薬系道具を取り扱うのが主な商業派閥こと【ミアハ・ファミリア】のものである。

 

 実は今でこそ、零細系派閥である【ミアハ・ファミリア】はかつて、ミアハと同じ医神のディアンケヒトを主神とする治療と製薬の大手派閥である【ディアンケヒト・ファミリア】と競い合えるだけの勢力を有していた。

 

 しかし、実力としては現在、LV.2であり、冒険者としてダンジョン探索をしていたナァーザがダンジョンにてモンスターとの戦闘に敗北し瀕死の重傷を負った。

 

 その治療と完全に食い荒らされた右腕の代わりで普段、ナァーザが長袖と手袋で覆い隠している銀の塊にして関節部分は宝石が埋め込まれている義手こと『銀の腕(アガートラム)』の用意のために莫大な費用が掛かり、必然的に【ディアンケヒト・ファミリア】に借金をする事に……。

 

 そうしてとんでもない負債にナァーザ以外の眷属はミアハの元を離れていってしまったのである。

 

 更にナァーザはモンスターに殺されかけた後遺症で心に大きな傷を負い、モンスターと対峙するだけで体が震え、まともに動けなくなてしまうようになった。

 

 そのため、冒険者としては活動できず『薬師』としてしか、稼ぐ手段が無くなってしまったのだ。

 

「そんな事が……」

 

「うん、だからベルもダンジョン探索は気をつけてね。どんなに強くなっても、失う時は一瞬でなにかも失っちゃうから」

 

 ベルは『青の薬舗』で回復薬を購入する前にナァーザから新薬開発のために必要な原料調達の依頼をしたいと言われた上で彼女の事情を聞かされた。

 

「はい、肝に銘じさせてもらいます……そして、こんな辛い事を話してもらえる程にナァーザさんから信用してもらえて嬉しいです」

 

「そんなの当り前だよ。いつもベルは私達の店で商品をいっぱい買ってくれて、『ブルー・パピリオの翅』も手に入れたら、提供してくれて……本当に沢山、助けてもらっているんだから。それに今もベルに助けてもらおうとしているし」

 

「気にしないでくださいよ。ヘスティア様が今まで世話になっている事は聞かされているし、それに……こうして僕もこうして可愛がってもらえて十分、嬉しいですし」

 

「……本当に良い子だね、ベルは……ありがとう、大好きだよ」

 

「はい、僕もナァーザさんの事は大好きです」

 

 ナァーザの胸に抱かれ、いつもより多めに温もりや優しさを与えられながら、頭に顔を弄られて蕩かされていく中で好意を伝え合う。

 

 そうして『豊穣の女主人』の店員として働いた日から数日後、ベルはサポーターであるリリルカと主神であるヘスティア、ミアハにナァーザと共に『モンスターの卵』を収穫しに馬車でオラリオから真っ直ぐ東に進んだ先に連なったアルブ山脈、その麓に広がる大森林である『セオロの密林』へと馬車で向かった。

 

 因みにベルのダンジョン探索で到達している階層は現在、10階層までである。10階層から産出されるモンスターの中には『オーク』という大型モンスターがいるのもあってベルはリリの勧めもあって武具をどちらも刃渡り五〇Ⅽ程の短剣と大型のバトルナイフ(やはり、どちらもヴェルフ・クロッゾの作品)に新調している。

 

 そして、馬車での移動中においては窮屈であるが御者台に近い所にミアハ、彼と対面する位置にベル、彼の右側にヘスティア、左側にナァーザ、ベルの膝にリリルカが座り、彼の胸に顔を預けるようにしており……。

 

「ベル君は本当、色んな人に可愛がられるね。まぁ、無理も無いけどさ……君の可愛さは反則みたいなものだし」

 

「ですね、でもそれがベル様の魅力ですから」

 

「恩もあるし、これからも沢山可愛がってあげるね」

 

「ふあ、く、ふ、うぅ……あ、あぁ……」

 

 自己紹介を交わした後、意気投合したヘスティアにナァーザ、リリルカによりベルは頭や顔を弄られたり、耳元に息を吹きかけられたり、首元を撫でられたり、耳も首も甘噛みや首元を吸われたり、腕や手、胸などを密着されながら按摩されたりと沢山の甘やかしと可愛がりに酩酊させられ、意識を蕩かされていった。

 

 そうして……。

 

「じゃあ、行ってきます」

 

「うん、よろしくね」

 

 ベルはナァーザからモンスターをおびき寄せるための血肉(トラップアイテム)を詰めたバックパックを受け取ると正に水を得た魚もとい、庭を得た兎の如く、その場から駆け回り始めた。

 

『オオオオオッ!!』

 

 高さ五Mはある紅色の肉食恐竜のモンスターにしてダンジョンでは30階層から産出される『ブラッドサウルス』の群れと他の種類のモンスターが追い始めた。

 

 因みに外にいるモンスターはどれも数を増やすために自分の魔石を削っているのもあって、ダンジョン産のものと比べれば大きく能力を劣化させてはいる。

 

「ここまで来れば、もう十分だな」

 

 ベルは『卵』を収穫しているヘスティア達が襲われない十分な場所までモンスターをおびき寄せる餌として誘ったのを確認するとバックパックを脱ぎ捨てる。

 

そして、その場から素早く駆け跳ねる事で木々の中に姿を消しつつ……。

 

「ファイアボルトォォォォォォォォッ!!」

 

 ベルの手より超速連射された炎雷の弾幕がモンスターの群れに向けて放たれ、蹂躙し……。

 

「はああああっ!!」

 

 存在感も動く気配すら隠さずにモンスターの群れの間合いを盗みつつ、自由自在に駆け跳ねながら右手に持った大型のバトルナイフを振るい、空間に閃光の軌跡を刻みながら斬撃に刺突、空いた左手による拳、両脚による蹴りにてモンスターを屠っていく。

 

「【ファイアボルト】!!」

 

 更に近距離にて左手を砲身に超速で連射される炎雷も合わさってベルに対し、モンスターはベルに成すすべなく撃破されるのであった。

 

 そうして、モンスターを全滅させたベルはヘスティア達の元へ戻ると……。

 

「見てたよ、ベル凄く強いんだね……そして、格好良かったよ」

 

「あ、ありが……ふむぅっ!?」

 

 ナァーザはベルに対し、礼を言いながら近づくと照れるベルの頭を素早く掴んで深く口づけし、舌を絡ませた。

 

「んむ、んちゅ、くちゅ、ふちゅ」

 

「うむ、ふ、う」

 

 ベルはナァーザからの深い口づけによる快楽に蕩かされていった。

 

「私達のために頑張ってくれてありがとう、ベル。愛してる」

 

「ナァーザさ……」

 

 ナァーザが離れ、蕩けているベルに微笑んだ。

 

「ボクも戦うベル君の姿にびっくりしたし、ますます惚れちゃったよ。僕たちにとっては十分に英雄だ」

 

「ぁ……ふむ、んく、んん」

 

 次はヘスティアがベルに近づくとナァーザへの対抗心もあるようで積極的に舌を絡める程の口づけをする。

 

「ベルは人助けをする時の方が力を発揮しますからね」

 

 ダンジョン内での彼を知るリリルカは微笑みながら、ヘスティアの口づけに更に蕩けて座り込んだベルに近づき、やはり深く情熱的な口づけし、舌も絡めた。

 

 そうして、帰り道の馬車の中では……。

 

「良い子、良い子」

 

「ゆっくり休みな、ベル君」

 

「私達が癒してあげるから」

 

 ヘスティアにナァーザ、リリルカの一柱と二人の膝を寝台にベルは寝かされながら頭や顔、腹部に膝など按摩されて甘く優しい囁きで安眠に導かれる。

 

 更に……。

 

『青の薬舗』で泊まらされる形になり……。

 

「ベル君、愛してるよ」

 

「私も愛してます、ベル」

 

「私も愛してる……」

 

「うは、く……んん、あ、こ、こんなの幸せ過ぎてぇ……」

 

『もっともっと幸せになって、ベル』

 

 ナァーザの部屋にてベルはヘスティアには徹底的な奉仕、リリルカとナァーザの二人においては男女としての繋がりを得て絶頂へと何度も追いやられ、多幸感に酔いしらされ、蕩かされ続けた。

 

 そんなベルに微笑みを浮かべるとヘスティアにリリルカ、ナァーザは更に甘やかしに可愛がりも加えて甘く優しく、そして激しく、ベルを絶頂させ続けたのであった……。

 

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