兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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七十一話

 

 ベル・クラネルはヘスティアにリリルカとシルと共にオラリオで開催された『神月祭』を観光しに行った。するとヘルメスが槍を引き抜けば世界観光ツアーの特典があると言ったのでヘスティアが乗っかり、ベルは挑戦。

 

 あっさりと槍を引き抜く事が出来たベルだが、彼へと旅のスポンサーだという女神アルテミスが現れた。

 

 アルテミスはヘスティアが言うには、同じ処女神で天界の頃からの神友の関係であるとの事。

 

 久しぶりに出会えたのを喜び、抱き着きに行ったヘスティアを無視してベルをアルテミスは抱き締めたのであった。

 

 

 

 こうして、ベル達は場所を移して話が出来る場所へ向かう。

 

「それで一体、どうしたんだいアルテミス。いくらベル君が兎みたいに可愛いからって抱き着くだなんて……」

 

「すまない、つい嬉しくて……まさか、あの時の子に会えると思わなくて」

 

「僕とアルテミス様は初対面ですよね? 少なくとも僕の記憶には無いんですけど……」

 

「当たり前だ。オリオン、君が赤子だった時に君の村近くに出たモンスターの群れを討伐した時があった。その時に君の祖父から紹介されたんだよ」

 

「……ぁ……そう言えばお祖父ちゃんが、ベルがすくすく育つように女神様が祝福してくれたって……」

 

「だろう? ふふ、本当に大きくなったな」

 

「どうもありがとうございます」

 

 ベルは祖父からの話を思い出し、オリオンが微笑むとベルは改めて頭を下げた。

 

 

 

「意外な事実ですねぇ……」

 

「そういう事だったか……」

 

「ベル様は幼い時から女性や女神様と縁があるんですね。流石です」

 

 話を聞いたシルとヘスティア、リリルカが意外なベルとアルテミスの接点に驚愕したり、呟いたりした。

 

 

 

「ふふふ、ベル君は好かれやすくてなによりだ」

 

 ヘルメスは満足げに言った。

 

 

 

「でも、そういう事とはいえ、随分とアルテミスらしくない雰囲気だったよ」

 

「彼女も下界での生活は長いからねぇ……染まったんだろう」

 

「アルテミスに限って、そんな事無いよ」

 

「元々はどんな方なんですか?」

 

「先に言ったようにアルテミスはボクと同じ天界の処女神の一柱、貞潔を司り、純潔を尊ぶ不純異性交遊撲滅委員長、簡単に言えばものすごい恋愛アンチだよ」

 

「確かにあの時の様子からはそんな風には思えませんでしたね」

 

 ともかく、何故アルテミスが旅のスポンサーなのかとヘルメスに聞けば、都市外の外に強大なモンスターが現れ、大陸を巡りながらモンスターを討伐している【アルテミス・ファミリア】でもどうにもならない程のモンスターであるため、力を借りに来たとの事だった。

 

 

 

 槍はそのために必要な物であるとも言った。

 

 

 

「どうか、その白い魂を携え、私と一緒に来て欲しい。オリオン」

 

「分かりました。僕の力が必要だというなら……」

 

「ベル君ならそう言うと思ったし、アルテミスにはボクも天界の頃から助けられた……その冒険者依頼、引き受けるぜ」

 

 こうして、ベル達、【ヘスティア・ファミリア】はアルテミスと共にオラリオ外のモンスターを討伐しに向かう事に決めたのであった……。

 

 

 

 

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