兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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七十二話

 

 ベル・クラネルは『神月祭』にてヘスティアの神友で大陸を眷属と共に回りながら、生息し村や国を襲う事もあるモンスターを狩猟している女神、アルテミスと出会った。

 

 アルテミスとその眷属はベルがまだ赤子の時、ベルの村を襲おうとしていたモンスターを討伐し、更にアルテミスはベルが健康に育つよう祝福を与えたのだと祖父から聞いていた。

 

 そんな女神が今、大陸で現れた強敵であるモンスターを狩ろうとしているが眷属だけでは敵わないとの事でオラリオに助けを求めている。

 

 その資格を持つ者が槍を引き抜ける者だとの事だった。よって、槍を引き抜いたベルはアルテミスの求めに応じたし、神友であるヘスティアも又、同然。

 

 こうして、ベルとリリルカ、アルテミスにヘルメスでオラリオを旅立つ事になる。もっとも既にヘルメスは眷属をアルテミスが狩ろうとしているモンスターの近くに放っているとの事。

 

 

 

 つまり、後でアスフィ達と合流するのである。

 

 ともかく、ベル達はヘルメスの指示によって何故か市壁の上へと移動して待機する。

 

 

 

 

「でも旅立つのにどうして馬車とかを使ってオラリオの外に出ないんですか、ヘルメス様?」

 

「それより、良い旅の手段があるからさ……お、来た来た」

 

 ベルの質問に笑みを浮かべて言うヘルメス。すると夜空にて何かが降りてきた。ベル達の少し上で羽ばたきながら、浮遊する。

 

 

 

「え、竜?」

 

「はっはっはっは、とうっ!! 俺がガネーシャだ!!」

 

 竜の一頭から飛び降り、着地を決めたのは筋骨逞しい肉体を有する象の仮面を被った男神であるガネーシャだ。

 

 なんと彼の派閥ではモンスターの飼育も行っており、今回、ヘルメスの要請もあって急遽であるが、飛行でき、人を乗せる程に大人しい竜を荷物を持たせつつ、三匹用意したのである。

 

 

 

 

「ありがとうございます、ガネーシャ様」

 

「なんのなんの、下界を救うため頑張ってくれよ」

 

「はいっ!!」

 

 ベルはガネーシャに礼を言い、ガネーシャは快活に笑いつつ、ベル達を応援した。

 

 

 

 

 そうして……。

 

 

 

「よろしくお願いします、アルテミス様」

 

「こちらこそだ、オリオン」

 

 ベルはアルテミスを前にしつつ、一頭の竜に乗る。

 

「なんでこうなるんだぁぁっ!!」

 

「文句を言わないでください、ヘスティア様。リリだって思うところあるんですから」

 

 ヘスティアはじゃんけんで決まったとはいえ、ベルと二人乗り出来なかった事に文句を言い、そんなヘスティアに後ろで喚かれているリリルカは反論しつつ、やはり不満げであった。

 

 そうして、最後の一頭にはヘルメスが乗って、オラリオを竜により、飛び立つ。

 

 目的地はオラリオからはるか離れた大陸の果て、大樹海の秘境に存在する『エルソスの遺跡』との事だった……。

 

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