兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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七十三話

 

 ベルにリリルカ、ヘスティアにアルテミスとヘルメスたちがオラリオを旅立ったその日、とある派閥の本拠で動きがあった。

 

 その本拠とは【フレイヤ・ファミリア】の『戦いの野』である。

 

(シル)が言うには、ベル達は『エルソスの遺跡』へと向かったそうよ。早く帰ってきてもらいたいし、ベルは無茶する子で心配だから誰か一人でも加勢に行って欲しいわ」

 

 フレイヤがヘルメスを通じてシルから聞いた情報をオッタル達、幹部を集めて言う。

 

 

 

「ならば、ヘグニが行くべきかと……」

 

「アイエエエエエエッ!? ナ、ナナ、ナンデ……いきなり、何言ってるのさヘディン。俺が一番無理って分かってるだろ。ベルとは交流出来るけど、他の人に神様とは交流、無理なんだぞ、俺は!!」

 

 ヘディンが即座に自分を進めたのでヘグニは大声で叫びながら反論した。

 

 

 

「別に積極的に関わらなくて良いし、それこそお前が得意とする影ながら助けるやり方をすれば良いだけだろうが……それに初めての友達である愚兎を助けに行きたくはないのか、助ければ凄く感謝してもらえるし、尊敬だってしてもらえるし、懐いてもらえる。得だらけだ」

 

「……ふ、ふああ……分かった。行くっ!!」

 

 ヘグニは自分の癖のある言葉を理解してくれるし、良い感じに交流してくれるベルを大事にしていた。そんなベルに更に懐かれたりするのはヘグニにとってはフレイヤの次に続く喜びである。

 

 

 

 

「ありがとう、よろしくねヘグニ」

 

「はい」

 

 フレイヤから笑顔で言われ、ヘグニは頷く。

 

 

 

 

 こうして、ヘグニはベル達の後を追い……。

 

「……という訳だよ。影ながら助けるから頼りにしてね」

 

「本当に頼りになりますよ、ヘグニさん……人との交流苦手なのに助けに来てくれて、ありがとうございます」

 

「どういたしまして」

 

 エルソスの遺跡に向かいながらも野営をしていたベル達に追いつき、上手い事ベルを誘い出すと事の経緯を説明した。ベルはヘグニへ感謝を示して喜び、ヘグニもベルが喜んでくれた事を喜ぶ。

 

 

 

「それじゃあ、よろしくお願いします」

 

「うん、勿論だよ」

 

 ベルはヘグニへ頭を下げるとヘグニは笑みを浮かべて頷く。

 

 そうして、ベルはヘスティア達のいる野営地へと戻り……。

 

 

 

「えへへ、ベル君……おやすみ」

 

「おやすみなさい、ベル様」

 

「オリオンは可愛らしくもあるのだな……」

 

「ひゅあ、うふ、くふああ……」

 

 モンスターが襲ってこないか、見張りをするベルをヘスティアにリリルカ、アルテミスはそれぞれ抱き締めながら、頭を撫でたり顔を弄ったりして可愛がり、甘やかしてはベルを蕩かせていくのであった……。

 

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