兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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七十五話

 

 【アルテミス・ファミリア】だけでは対処できないモンスターを討伐する事になったベルはそのモンスターがいるという『エルソスの遺跡』へと向かうためにリリルカにヘスティア、アルテミスにヘルメスと旅をしていた。

 

 フレイヤからの助っ人としてヘグニが派遣されているのでとても心強い。

 

 そして、旅の道中にてモンスターの群れに襲われようとしているヒューマンの母と娘をベルはヘグニの協力もありつつ、屠った。そして近くの村へ行けるようにある程度の食糧を助けた親子に渡したのだ。

 

 その後はその場で野営する事となる。丁度良いのでヘルメスから先程の蠍のモンスターについて話を聞く事となった。

 

「事の始まりはモンスターの異常な増殖が確認された事だった。原因を探るために多くの【ファミリア】が遣わされたが……全て消息を絶った」

 

 

 

『……』

 

 ヘルメスの言葉にベルにリリルカ、ヘスティアが暗い顔をする。

 

 

 

「エルソスの遺跡にはある封印が施されていたんだ」

 

「先程のモンスターの親玉ですね?」

 

「ああ、丘を腐らせ、海を蝕み、森を殺しあらゆる生命から力を奪う……」

 

「古代、大精霊たちによって封印されたモンスター……『アンタレス』」

 

「(アルテミス様?)」

 

 ヘルメスの言葉を継ぎ、モンスターの名前を言ったアルテミスはどこか憎むような、悲しむような複雑な感情を乗せていた事にベルは訝しがる。

 

 

 

「だが奴は長い時をかけて深く、静かに力を蓄え、封印を破った」

 

「っ、それじゃあ……」

 

「ああ、今回の件をオラリオは重く受け止めていてね。俺の【ファミリア】を派遣したんだ」

 

 リリルカがアルテミスの言葉で察し、それをヘルメスが認める。

 

 

 

「そこで同じ目的で赴いていたアルテミスと出会った。そして、援軍を呼ぶためにオラリオへと戻ったという訳さ」

 

 なら、もっと強い【ファミリア】――それこそ、オラリオで頂点の勢力と権威を有する【ロキ・ファミリア】に【フレイヤ・ファミリア】を頼れば良いのではないかとリリルカが問うも……。

 

 

 

「無駄だ、あの槍でなければアンタレスは倒せない」

 

 アルテミスはベルが持つ槍、『オリオンの矢』を見ながら言う。

 

 

 

「そして、槍に選ばれたのは貴方だ」

 

「責任重大という訳ですね……分かりました。凶悪なモンスターを必ず倒してみせます。そういう英雄になるために僕は頑張って来たんですから」

 

「ふふ、そうそれでこそベル君だ。なぁに、あの槍さえあれば全て上手くいくさ……ほら、明日に備えて今日はもう寝よう」

 

 ヘルメスの言葉で寝る事にし……。

 

 

 

「ヘグニさん、僕たちが倒そうとしているモンスターはかなりの難敵のようです……改めて力を貸してください」

 

「勿論だ、我が剣にて勝機を切り開く事を誓うよ。ベル」

 

 ある程度時間が経過すると、ベルは木々の中に隠れるヘグニの元へ行き、改めて助力を請うと話を聞いていたのもあって、安堵させるように頭を撫で回しながら、ヘグニは言ってみせたのだった……

 

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