兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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八十三話

 

 ベル・クラネルはLV.6になって発現したモンスター戦において強大な戦闘力を得る【スキル】にモンスターに対して特効性能と必中効果を有する新しい魔法を試すためにダンジョン探索をした。

 

 そして、その帰りに上層域で結構な数の群れのモンスターに襲われている冒険者を助けたが、そんな冒険者は身を震わせ、怯えながらも自分が所属する派閥が潰れる事を願った。

 

 それが気になったベルは冒険者から話を聞く事にする。そうして、話を聞き出すと……。

 

 

 

「【ソーマ・ファミリア】が……」

 

「リリが抜けた後、そんなに酷い事になっていたのですね」

 

 冒険者はリリルカも所属していた【ソーマ・ファミリア】の団員であった。

 

【ソーマ・ファミリア】は派閥としては歪で無秩序状態となっている。

 

 この派閥の主神で男神のソーマは酒造りにしか興味が無く、酒造りにおいては下界の者は誰も敵わない『神業』を有している。

 

 ある時、自分の酒造りの費用を稼がせるために団員達を使っていたソーマはだ人たちがもっと資金を稼げるやる気を出させるべく、『神酒(ソーマ)』を作り、振る舞った。

 

 そして、これが悲劇の引き金となる。

 

 何故なら『神酒』の味は飲んだ者の心を間違いなく、心酔させるもので神酒を飲んだソーマの眷属たちは神酒を強く求めるようになってしまったのだ。

 

 こうして神酒を得られるだけの稼ぎを得て、派閥内で設けられたノルマを達成するために動くようになる。

 

 

 

 必死になるあまり、同じ派閥に所属する者を騙したり、隙あらば始末するようにさえなった。

 

 無秩序となっていく【ソーマ・ファミリア】だがその中でこの状況を利用して自派閥を私物化する者が現れる。

 

 その者こそ団長のザニス・ルストラだ。彼はソーマが自派閥の運営に興味を示さないのもあって、自派閥の団員を好きに使う事にしたのだ。

 

 無論、『神酒』を餌にして……そうして、『神酒』を使って他派閥と取引などもし始めたのであった。

 

 誰もこうした暴走を止める事も無かったために【ソーマ・ファミリア】は荒れに荒れてしまったのである。そう、自派閥の壊滅を願う者が出てくるほどにだ。

 

 

 

 

「分かりました……僕が何とかする事を約束します。リリ、協力してくれる?」

 

「ええ、勿論です。リリだって【ソーマ・ファミリア】の壊滅は何度も願っていますしね」

 

「俺だって力を貸すぞ、こういう状況なら猶更な」

 

「勿論、私もです……ベル、誤って殺しちゃったりしても蘇生するので遠慮なくしばくと良いですよー」

 

 ベルは【ソーマ・ファミリア】を放ってはおけないと襲撃する事を決め、リリルカはベルの望みを叶える為なのもあるが、元々、恨みが募っているので乗り気、ヴェルフも状況からしてベルに協力する事にし、ヘイズも又、ベルに協力する事を決めた。

 

 こうしてベル達は【ソーマ・ファミリア】の状況を何とかすべく、襲撃する事を決めたのであった……。

 

 

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