兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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八十四話

 

 ベル・クラネルは【ソーマ・ファミリア】の冒険者の一人が同じ派閥の者に嵌められ、殺されようとしていたのを救出した。するとその冒険者はベルに派閥としての実情を話す。

 

 こうなれば放置はできないと義憤を燃やしながら、ベルはリリルカにヴェルフ、ヘイズと共に【ソーマ・ファミリア】の問題を片付ける事にした。

 

 そうして向かったのはオラリオの東南で超複雑な街路となっている広域住宅街にして貧民街こと『ダイダロス通り』の近くにある『酒蔵』だった。

 

 酒蔵が左右五戸前ずつ並ぶ広い敷地内には管理棟もあり、その側に見張り塔もある

 

【ソーマ・ファミリア】においてはこの『酒蔵』こそ、本拠より重要な施設である。

 

 何故なら、この酒蔵に【ソーマ・ファミリア】の団員達が争いながら、飲み続けようとしている『神酒』が保管されているからだ。

 

 その酒蔵にベルは先行して突撃していき……。

 

 

 

「はあっ!!」

 

『うぐああああっ!!』

 

 超速で縦横無尽に駆け跳ねながら、ベルは四肢を用いた打撃の戦舞を舞い踊っていく。

 

 ただでさえ、ベルはLV.6第一級冒険者である。LV.1とLV.2の冒険者達で構成された【ソーマ・ファミリア】とは隔絶しすぎた実力差があった。

 

 【ソーマ・ファミリア】の者達からすればウダイオスが乗り込んできたようなものだった。

 

 そして、ベルは今までモンスターとの激戦や【フレイヤ・ファミリア】の勇士であるヘディンやヘグニ、ガリバー四兄弟と鍛えられているし、今では切磋琢磨している。それに加え【ロキ・ファミリア】とだって鍛錬をしたりもしている。

 

 つまり、今のベルは歴戦の戦士であり、十分に英雄の一角を成している。

 

 そんなベルと比べて【ソーマ・ファミリア】は仲間とすら争ったり、裏切ったりして連携は最悪。それに安全圏で金を稼ごうとする者も多いので対した実力も持っていない。

 

 よって只々、手加減しているベルによって制圧され続けていく。

 

 

 

「降参だ」

 

 その中で【ソーマ・ファミリア】のLV.2のドワーフであるチャンドラ・イヒトはベル達に降参する。

 

 その降参を受け入れながら、更にベルは進撃していき……。

 

 

 

「貴方がこの派閥を私物化している団長のザニス・ルストラですね?」

 

「な、お、お前は……ぶぐあっ!!」

 

 ベルはあっという間に眼鏡をかけた彫りが深い細面で鋭く黒い瞳、私欲に塗れた者特有の雰囲気を持ったヒューマンの男であるザニス・ルストラに拳と蹴りの乱打を叩き込み、瀕死の状態にして再起不能としたのだった。

 

 

 

「それじゃあ、頼みましたよチャンドラさん」

 

「ああ、絶対に問題を起こさせはしない」

 

 その後、ベルはチャンドラと取引し今後、【ソーマ・ファミリア】をチャンドラが管理する事としつつ、問題を起こせば完全にベルが潰しにいくという取引を結んだのであった……。

 

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