オラリオにおける海の玄関口とも言える港街のメレンにて【ロキ・ファミリア】はアマゾネスにとっては聖地と称される程の島国であり、毎日、闘争が繰り広げられているテルスキュラを治める女神、カーリーと全てアマゾネスの眷属による派閥である【カーリー・ファミリア】に争いを仕掛けられた。
しかもそれに何故かは知らないが、オラリオで歓楽街を取り仕切っている美の女神の一柱であるイシュタルの派閥、【イシュタル・ファミリア】が協力していた。
【カーリー・ファミリア】が【ロキ・ファミリア】に戦いを仕掛けたのはオラリオでも最有力で頂点に近い権威や勢力を有している事で評判だったのもあるが一番大きいのは敢えて成長のために派閥を抜ける事とテルスキュラの出国を許可したティオネとティオナがいたからである。
自分の元を離れてどう成長したかを楽しみつつ、アルガナとバーチェの成長の糧にさえするつもりであった。場合によれば連れ戻そうとも……。
しかし、その企みは潰えた。
【ロキ・ファミリア】の団員であるレフィーヤを人質にしており、ティオナとバーチェとの決闘の場にしている『海蝕洞』にベル・クラネルが現れてバーチェを倒し、自分の傍にいたアマゾネスたちでさえ倒してしまったからだ。
そうして【カーリー・ファミリア】において最強であり、団長のような存在のバーチェの姉であるアルガナも【ロキ・ファミリア】の団長であるフィンがティオネとの決闘に介入し、叩き伏せてしまった事で決着がついてしまった。
【イシュタル・ファミリア】も現在はメレンから退却しており、全体的な戦況も【カーリー・ファミリア】の負けになってしまったのである。
「ベルーっ、助けに来てくれてありがとう!!」
「どういたしまして、本当に無事でよかったです」
そうしてティオナはベルへと駆け寄り、飛び込むようにして抱き締め、ベルはそれを受け止めた。
「私達を助けてくれてありがとうございます」
「態々、助けに来てくれて本当にありがとう」
「流石はベルたん、頼りになるし優しい子やでー!!」
「っ、えへへ」
そうしてガレスにより救出されたレフィーヤとアイズにロキに抱き締められたり、愛でられたりしていく。
「っと、それじゃあ僕は帰ってくるように言われてるので帰りますね……ともかく、力になれて良かったです」
ベルがそうティオナ達に言うと、この件に関する礼はまたさせてもらうと言いながら、メレンを去るために駆け跳ねていくベルの背を見送った。
そうして……。
『ベル・クラネルー、大好きー』
ベルに叩きのめされた【カーリー・ファミリア】のアマゾネスたちはアマゾネスの本能もあって自分達が尽くすべき、雄だと認めてしまった。
「ティオナ、ベル・クラネルはどういう男なのだ……」
「とっても優しくて、可愛くて格好良い男の子だよ」
バーチェも又、例外では無く、ティオナに対しベルに恋している乙女の雰囲気や表情を見せながら、ベルの事を尋ね、ティオナは笑顔で質問に応じる。
「もう、終わりじゃ」
アルガナがフィンを自分が尽くすべき雄だと認めてしまったのも含めて、カーリーは頭を抱えながらため息を吐くのであった……。