兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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九十六話

 

 ベル・クラネルとリリルカはオラリオにおいて頂点に近い権威と勢力を有する最大派閥が【フレイヤ・ファミリア】とダンジョンの遠征を行っていた。

 

 ベルはヘディンからダンジョンの遠征をする上で必要な食料に水、回復薬に予備武装などを運ぶ輸送部隊である第二部隊の指揮と采配をぶん……一任され、そうして先を行く第一部隊が待っていた『安全階層』こと18階層にはかなりのペースで到着する。

 

 

 

「師匠、無事到着しました」

 

「ふん、大分手際良くなったな」

 

「ありがとうございます」

 

 待っていたヘディンに報告をすれば、珍しく褒めてもらい頭を下げた。

 

 

 

「アレンさんはいないんですね……」

 

「あの愚猫(ぐびょう)は協調性という物を知らんから、先に行った」

 

「あいつはいつもそんなんだから気にしないで良いよ、ベル」

 

「足が速いのを良い事に爆走するからな」

 

「調子に乗ってるよな」

 

「まったくだ」

 

「そういうとこだよな」

 

 ベルが黒い毛並みの猫人の男で長槍を武器とし、超速の速度と敏捷性が長所である【フレイヤ・ファミリア】の主力陣で幹部のアレンがいないことに言及すればヘディンが苛立ちを含めた声で言い、ヘグニがベルに助言する。

 

 

 

 パルゥムの四兄弟がガリバー四兄弟でアルフリッグにドヴァリン、ベーリング、グレールらが好き勝手にアレンの悪口を言った。

 

「アーニャさんはとっても人懐っこいし元気で良い人なのになぁ。というか、僕、アレンさんに避けられってるぽいんですよねぇ」

 

 ベルは【フレイヤ・ファミリア】の本拠にてアレンに挨拶や話をしようと思う度、姿を消していると思い返した。

 

 

 

「アレンが? むしろ、意識してるっぽいんだが……因みにお前、アレンの妹とはどんな関係なんだ?」

 

 ベルの言葉にアルフリッグが問い返す。

 

 

 

「どんな関係って、『豊穣の女主人』に行くとシルさん達と一緒に僕の事を愛してくれます。鍛錬に協力してくれた事もありますし」

 

「「「「(あいつ、妹の男だから滅茶苦茶気を使ってやがる……直接、対峙したら殺しそうになるから……)」」」」

 

 アレンは表向きには酷い態度で妹であるアーニャに接しているが、長年の腐れ縁でアレンの妹馬鹿を察しているガリバー四兄弟はアーニャが愛しているベルに対して相当に遠慮していると察した。

 

 

 

 彼がベルと直接対面すれば殺しそうになるし、万が一、殺せば妹を悲しませる事になるから不干渉を貫く事にしていると思ったのだ。

 

 つまりはベルにアーニャを任せているとも言える。

 

 

 

「えへへ、ベルー」

 

「ひゃあ、ヘイズさん……」

 

 そんな中、18階層までの道中で収穫した魔石にドロップアイテムを一部の団員が『リヴィラの街』へと証文に変えに行っている間の待機中においてベルはヘイズに頭を撫でられ、可愛がられていたのであった……。

 

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