兎は炉神に想いを捧ぐ   作:自堕落無力

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九十八話

 

 ダンジョンにてオラリオの中でも頂点の権威と勢力を有する最大派閥が【フレイヤ・ファミリア】と共にベル・クラネルとリリルカ・アーデは遠征をしている。

 

 そして現在は『中層域』の層域で『大樹の迷宮』の最奥の階層である24階層を突破した。

 

 

 

「やっぱり、『巨蒼の滝』は何度見ても凄いね」

 

「ええ、圧倒されますよね」

 

「下界にはこんなもの無いですしねぇ……ベルは反応が本当に素直で可愛いです」

 

 25階層へと入り、ベルは27階層まで続く巨大な滝壺である『巨蒼の滝』を見て感想を言った。

 

 それにリリルカは微笑み、ヘイズも微笑みながらも彼の頭を撫で回して可愛がった。

 

 穏やかな雰囲気ともなったのだが……。

 

 

 

「あれ、ヘグニさん。そう言えば師匠たちは?」

 

「ああ、ヘディン達なら……」

 

 先に25階層に入って待機している筈のオッタルにアレン、ヘディンにガリバー四兄弟がおらず、ヘグニと他の先遣部隊の者たちだけだったのでベルは問いかけるとヘグニが説明を始める。

 

 まあ、簡単な話でオッタルにアレン、ガリバー四兄弟はさっさと滝壺を駆け下りる事で27階層まで下りたとの事である。

 

 

 

「脳筋共の指揮は任せるから、さっさと来いよって伝言付きだよ」

 

「無茶ぶりにも程がありませんっ!?」

 

 ベルは急に先遣部隊も含めた指揮をヘディンから丸投げされた。突っこんで戦うしか出来ない協調性も何も無い者達の指揮は常々嫌だと言っていたが、本当に嫌なようだ。

 

 

 だからこそ、ベルに丸投げしたくなったのだろう。良く言えばベルへの信頼の現れであるいはヘディンの気分転換のようなものだろう。

 

「ともかく行きましょうか……あまり待たせたら、後が怖いですし」

 

 こうしてベルは先遣部隊も輸送部隊にも指揮をしながら25階層を進んでいく。

 

 

「さっさと進みますよ、さっさとぉっ!!」

 

「そうだね」

 

 ベルはヘグニと共に縦横無尽に駆け跳ねながら、≪ヘスティア・サーベル≫と≪サーベル・ローラン≫を振るって剣閃乱舞を舞い踊り、モンスターを瞬殺していく。

 

「【ファイアボルト】!!」

 

 無詠唱で放つ事が出来る炎雷すらも超速連射してモンスターの群れを瞬殺していった。

 

 少しでも魔石と『ドロップアイテム』の収穫を惜しんでモンスターを完全に滅する戦闘法をも行った。

 

 

 

 そうして……。

 

 

 

「ふん、妥協点はくれてやろう。これからはお前に指揮は丸投げ出来るようだしな」

 

「か、勘弁してくださいよ師匠。後生ですから……」

 

 何とか27階層に到着するとヘディンから言葉を送られたが、今後も丸投げしようとするかのようなそれに深く頭を下げて思い留まるように言ったのだった……。

 

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