るろうに伸一 ー仮想現実剣客浪漫譚ー   作:SS好きのヨーソロー

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序章 ー仮想現実剣客浪漫譚ー

これはとある昼下がりの出来事。

少年は、庭であるものを見つける。

 

それを手にした瞬間少年は新たな出会いを経験する。

 

それは、自身の運命を大きく変える出来事の始まりに過ぎなかった。

 

これは、そんな少年活躍記譚

 

「あぁ・・・・・・疲れたぁぁ〜・・・」

座っていたイスの背に大きく羽を伸ばすと、気の抜けた声が出る。

首を左右に振ると、ゴキゴキと骨の音が鳴った。

 

あんまり科学的には骨は慣らさない方が良いとは言われているが、疲れている時に鳴らす骨ってなんかいいのだ。

そして、頭に装着していたアミュスフィアを取り外す。

アミュスフィアとは2つのリングが並んだ円冠にゴーグルを組み合わせたマシンであり、それを装着して遊べるゲーム、ALO(アルヴヘルムオンライン)で遊んでいたのだ。

 

 

僕の名前は長田伸一。

ALOというゲームでレコンという名前を名乗っているどこにでもいる中学生だ。

 

 

 

今日は、ALOの中で同じパーティに所属するパーティメンバーであり、中学が同じのリーファちゃんこと桐ヶ谷直葉さんと共にゲームをしていたのだ。

彼女は実家に剣道場があるらしく、日々剣道に打ち明けている。

そのためその腕前は強固なモノで、僕の通う中学・・・いいや、あの一帯の地域の中学の剣道をしている者の中では一番の腕前だろう。

ALOというのはVRMMORPGというゲームジャンルで、実際に身体を動かす感覚で遊べる新感覚のものだ。そのため、現実で何か秀でているものがやるとそれは大きな強みとなる。

ALOの中でも、上位の実力者だというわけだ。

 

それに比べて、僕は全てにおいて平均・・・いや、少し劣っていると言っても過言ではない。強き彼女の横に立つたびに劣等感、敗北感に打ちひしがれる。

悲しい事実、他のALOプレイヤーも僕のことはよく思っていない。

 

見た目が可愛らしい剣士の横にいる、ぽっと出の雑魚。そんな叩く材料があって叩かれないわけがない。

無論、友人として交流をしてくれる彼女は気にする必要はないと励ましてくれるが、それでもマイナスな思考は払拭しきれない。

 

まったく、外はいい天気だというのに今日も嫌なことしか考えないのは悪い癖だろうな・・・・・・。

 

 

自分のその鬱蒼とした考えに嫌気を差しながらも、リビングに降りた。

 

リビングにおり、冷蔵庫でお茶を飲めば庭の方で母さんが洗濯物を取り込んでいた。

 

たまには、手伝うのもいいだろう。

 

 

庭に出ると、陽の光がより一層身体を照らす。日向ぼっこをするには程よい天気だ。

「母さん、洗濯物の取り込み、僕がやっておくよ」

「あらほんと、助かるわー。ありがとうね」

そういうと、部屋に入る母さん。家族の手伝いの一つもきっと気分転換にはなるだろう。

 

光を浴びながら、服を取り込んでいった。

 

 

それから15分程度経っただろうか、服をカゴに取り込み部屋へと置いた僕はそのまま庭の縁側に座り、日向ぼっこを満喫していた。

先ほども述べたように天気はベストな状態。

暖かくてつい眠気を感じてしまっていた。

「・・・ん?これはビー玉・・・か?」

ふと、手前にビー玉のように緑色に輝く球体を見かけた。

 

つい綺麗だ、とそれに手を伸ばし触れた瞬間眠気はさらに強くなってきた。

 

「・・・なん、だ・・・こ・・・れ」

そうして意識は深い闇に飲まれていったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、どれくらい気を失っていただろうか。陽の光を感じまた目を開ける。

 

次に目を覚ました場所は見知らぬ土地であった。

「・・・どこだ、ここ?」

気が付けば見知らぬ土地。普通なら考えられない。

というのも最後の記憶では僕は自分の家の庭で綺麗なビー玉のような球体を見つけた、そしてそれに触れた瞬間激しい眠気に襲われ簡単に意識が途切れたのだ。

だから普通考えつくのは

・移動しておらず自分の家

・母に家の中に入れられリビングやら寝室やらに運ばれること

・病院に搬送されていること

の3点くらいだ。

然し、その三つのどれにも当てはまらない。見知らぬ土地、と言ってもここは室内だった。

目に見えたのは天井。木製の様子で見たことのないものだ。

祖父母の家か・・・?まだ夢を見ているのか、僕は?

ここが祖父母の家であるかと考え他にも見てみたがどうやらそれとも違うようだ。

祖父母の家の作りと違う。

ならば、本当にここはどこだ?夢にしちゃあ妙にリアルだが。

 

どうやら痛覚もあるようだ、頬をつねってみたところ感覚があった。

 

しばらくすると、襖が開いた。

「あっ!目を覚ましたんだ!」

そこから入ってきたのは、和装束の似合う活発的な様子が印象の少女だ。

・・・・・・誰だ?この子。この家のものか?

「良かったー!心配したんだよー!」

すごい元気だ。目が覚めたばかりで声がよく響く。

「操、彼はきっと目を覚ましたばかりだろう。あまりうるさくしてやるものでもないぞ」

「あっ、ほんとだ・・・ごめんね」

申し訳なさそうに謝る操さん。然し悪い気はしない。僕はゆっくりと身を起こした。

 

「いえ、お気になさらず。心配してくれたんですよね、ありがとうございます」

「うん!帰ってきたら庭で倒れてるからびっくりしたよねー」

「あぁ。高荷が目を覚ましたら呼んでくれと言ってたな

 

操、行ってきてくれるか?俺は少々この少年と話がしたい」

「はーい、わかりました!」

元気に走る様子は本当に活発的だ

「元気だろう。可愛い教え子だ。

 

さてと・・・。少年、君の記憶の覚えている範疇で何があったか聞いてもいいか?」

そう聞いてくる男性に、ゆっくりと声を出した。

「僕は長田伸一と言います。家の手伝いで洗濯物を回収したあと、天気が良くて日向ぼっこをしていたんです。・・・そしたら急に眠たくなってきて・・・気を失って気がついたらここに」

「そうか。・・・酔い、というわけではないか」

「ないわね、それは」

突如女性が声を出す。先ほど言っていた、高荷と呼ばれる人だろうか?

「高荷恵。・・・何かわかったか?」

「いいえ・・・それが何も、わからないのよねぇ。彼酒の成分が確認できないのよ。

血液も異常なし。・・・至って健康な体ね」

 

僕の記憶は自分の家で気を失ったところまで。

しかし、この人たちは気がついたら僕が家にいるという状態。流石に警戒するのも無理はない。

「改めて自己紹介するわ、私は高荷恵。診療所で医者をしているわ、よろしくね」

「俺も名乗っておこう。四乃森蒼紫と言う。葵屋という料理店で亭主をしている。」

「巻町操でーす!御庭番集ってところで頭目してるよ!」

 

「長田伸一です。・・・和服、とても似合っていますね。

巻町さんも、珍しいですがとても似合っています」」

「あら、ありがとう」

そう微笑む高荷さんはなんと言うか、大人の女性という雰囲気が感じられた。

「えっへへ、ありがとうね!伸一!」

それに比べて巻町さんはthe快活といった様子だ。元気なのが見てわかる。

「君の服もなかなかおしゃれね、見慣れないけど」

そう述べた高荷さんに同意するように操、と呼ばれた子が元気に同意する。

「あ、だよね?あたしも思ってた!」

「珍しいですか?どこにでもあるような服だと思いますが・・・」

僕は今チェックの服を着ている。

しかし基本珍しくはないだろう。部屋着として考えればどこでもある話だとは思う。

「・・・ふむ、確かに見慣れないな」

「四乃森さんまで・・・僕からすれば四乃森さんのその服も見慣れないですよ。かっこいいですけど」

白いコートだろうか。でかい。とにかくでかい。

しかし身長のデカさも相まってよく似合っている。さすがと言ったところだろうか?いいよなあ、こう言う格好。かっこよくて憧れる。

「ふむ、そうか・・・」

「とりあえず、電話貸してくれませんか?」

「・・・電話?なんだ?それ」

「・・・へ?いやいや、どう言うことです?」

なんだそれ、だって?わけがわからない。流石にふざけがすぎる。

「スマホでもいいですし・・・」

「す、すまほ?・・・未知のものだな」

 

なぜこうも話が噛み合わない。

よくよく考えたらこの道場のような家も気になる。

まさか、まさかではあるが・・・

 

「・・・四乃森さん、質問を変えます。今は西暦何年ですか?」

「明治十二年。1879年だ」

僕は、どうしても頭を抱えずにはいられなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・未来から来た、か。なるほど・・・奇想天外な話ではあるがそうでもないと会話の噛み合わなさが説明つかんか」

「えー!?未来からって、わけわかんないよ!そもそもなんで未来から来れたのさ?」

 

「・・・実は、これを拾って」

ポケットから緑色のビー玉を取り出すと四乃森さんの目が見開かれた。

「・・・長田、お前それをどこで手に入れた?」

「僕の家の庭でした。つい綺麗で・・・」

「・・・なんなのよ蒼紫」

「説明する。操は緋村たちを呼んできてくれ。

あとは・・・そうだな、翁も呼んでほしい」

「え、じいやも?う、うん!わかった!」

そういうと急いで走る巻町さん。一体どうしたと言うのだろうか。

 

 

待つこと数十分。人の気配を感じたと思ったら数人が戻ってきた。

「・・・操ちゃん、この子が未来から来たって子?」

「そうそう!蒼紫様がすぐに呼んできてって」

「・・・未来なぁ。実感湧かねえけど」

「無理もないでござるよ。拙者も頭を悩ませている」

上からポニーテールの女性、活発な男の子、緋色の髪の男性だ。

 

「・・・蒼紫よ。本物であったのか?」

「あぁ、そうみたいだ」

 

 

そういうと、四乃森さんは広間に皆を集めた。

「・・・この少年は長田伸一。はるか未来・・・およそ、150年程度未来から来た少年だ。

彼本人がそう述べていたが、確固たる理由がある。それがこれだ」

そういうと四乃森さんはビー玉を皆に見せた。

 

「これの名前は刻超えの玉石・緑という。

こいつの素性は、名前の通り時を超える。

素質あるものの元へと赴き、適性がわかれば過去に来るという代物だ。

伝記などでしか語られておらず、信憑性に欠けていたが・・・はっきりとわかる。この石は本物だ。」

「一応御庭番京都探索方に話をしたが、保管していた石がなくなっていると報告を受けておる。

ちなみに、もう一つの刻超えの玉石・赤も消えておるな」

 

・・・いやいやいや、本当にわけがわからない。

「・・・四乃森さん。それは僕はこの石に選ばれたと解釈しても?」

「あぁ、問題ない。・・・強くなる素質のあるものにくるのだが・・・見かけによらないのだな」

「と言われましても・・・未来では一般人はかなり平和ですから・・・」

 

「・・・まあいいわ。それで蒼紫、この子は帰れるの?」

「あぁ。石に認められたとしたら所有者はこいつだ。自在に行き来できるだろう」

「・・・じ、自在にか」

 

 

しかし、強くなる素質・・・か。

「おろ?伸一と言ったか、どうかしたでござるか?」

「・・・え、あぁ。・・・えーっと」

「あ、申し遅れたでござるな。拙者は緋村剣心、流浪人でござる。顔色がすぐれないでござるが・・・」

「あぁ・・・僕の時代では友人と共遊んでいたんです。

その遊んでいたものが戦闘系のもので・・・その中で友人はかなり強い部類に所属していまして・・・。

同じ仲間として戦っていたのですが、その子の可愛らしい見た目と相まって僕と釣り合わないって意見が度々聞こえてくるんです」

「・・・ふむ」

「ほんじゃお前強くなりゃいいじゃねえか」

急に割り込んできたのは、なかなかに熱い男の人だった

「左之!」

「よっ。テメェ、女一人守れないくらいじゃ恥ずかしいぜ?」

「おっしゃる通りです。強くなりたいとは思っているのですが・・・」

 

「へぇ、思ってんのかい。じゃあ俺が稽古つけてやる」

そう言いながらにっと笑う男性につい驚く。

「ちょっと、何言ってるの左之助!」

「何って修行だよ修行!」

「修行って、あんたねぇさっきの話を・・・」

「聞いてたさ。ようはこいつが未来から来た、けど未来と過去行き来できる。

んでその石は強くなる素質のあるやつの元にくる。

 

つまりこいつは強くなる素質があるってことだ、そんでこいつは強くなりてえ・・・そうか?」

「・・・はい。できることなら、強くなりたいです」

「ほらな?だったら別に修行つけることくらいいいじゃねえか」

「あのねぇ!あんたが修行つけたら突進バカになっちゃうのよ!しかもここ剣道場!剣道教えた方がいいじゃない!」

「それはそれでいいかもだがやっぱり男は拳ってやつよ!」

「まあまあ薫殿、左之、伸一が自由に帰れるわけだしここは一つ皆で修行をつけるというのはどうだ?」

 

「えっ・・・いいんですか?」

「もちろんでござる。こっちにいる時は帰る場所もないだろう?

拙者の剣は事情により口頭の伝授はできぬ。しかし弥彦・・・そこの少年のように独学で技を見て盗み扱うこともできるわけだし、ここにいる間はゆっくりしても良いのではないかと思うでござるよ」

「ま、そういうことね。

改めてここは神谷活心流道場。私は師範の神谷薫よ!明治にいる間はゆっくりして行って!」

 

 

この出会いが、僕の人生を大きく変えることとなったのだった・・・。

 

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