Fate/Grand Order -Singularity of Blue Archives-   作:この世全ての癖

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プロローグ
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 7つの駒。

 

 聖杯を求める者たちにとっての剣であり、盾でもある。

 

 人理に焼き付いた影法師なれど、英雄の力を持つ。

 

 そして今、7騎が召喚された──

 

 

 

 其は剣士。

 

 放たれるは一つ一つが英雄の輝きを放つ十三の輝剣。

 

 彼のもとに集いし伝説の十二勇士。

 

 誰かの為に戦う彼に敗北はありえない。

 

 その行動は彼にとって王道であるから。

 

 どんなに辛く、体が悲鳴を上げていても。

 

 この先二度と召喚されることがないと知っていても彼はきっとやり遂げる。

 

 だから彼は『カッコイイ』。

 

 「永続不変の輝き、千変無限の彩り!万夫不当の騎士達よ!我が王勇を指し示せ!宝具、真名解放───」

 

 

 

 其は弓兵。

 

 放たれるは正に数多の人に夢を与えた虹霓。

 

 可能性を信じる限り失われる事のない凱旋。

 

 いまここにいる誰もが彼を信じている。

 

 ならば彼に敗北は無く、しかし勝利もない。

 

 それでも。

 

 その身が砕けようとも不敵な笑みと共に彼は在る。

 

 だからきっと、彼に不可能は無い。

 

「人よ願え!お前たちに不可能はない!なぜならば、俺がいる!宝具、真名解放───」

 

 

 

 其は槍兵

 

 放たれるは森羅万象を焼き尽くす究極の力。

 

 神さえも滅ぼし尽くす絶滅の一刺。

 

 召喚され、得た仮初の命は全てマスターの為に。

 

 そしてマスターが守りたいと願う友を守る為に。

 

 そこに戦士としての矜持を少しだけ乗せて。

 

 今の己にできる全力を持って迎え撃つ。

 

 だから彼に後悔は無い。

 

「神々の王の慈悲を知れ。インドラよ、刮目しろ。絶滅とは是、この一刺!宝具、真名解放!焼き尽くせ!───」

 

 

 

 其は騎兵

 

 現れるは数多の世を征服した伝説の軍勢。

 

 宝具にまで昇華されし絆そのもの。

 

 余にはここで退去するわけにはいかない理由がある。

 

 もう1人のマスターとも呼べる存在を守る為に

 

 その為に我が臣下と共に我が臣下を蹂躙する。

 

 余らしくないがマスターを助けるためならば。

 

 だから、この遥かなる遠征に敗北はない。

 

 『見よ!我が無双の軍勢を!肉体は滅び、その魂は英霊として世界に召し上げられて、それでもなお余に忠義する伝説の勇者達!時空を越えて我が召喚に応じる永遠の朋友達!彼らとの絆こそ我が至宝!我が王道!イスカンダルたる余が誇る最強宝具である!宝具、真名解放───』

 

 

 

 其は魔術師

 

 馬だ!馬を引け!馬を引いてきたら王国をやるぞ!

 

 おお、これは失敬初めましての皆様方。

 

 なにぶん特異な事象で焦っておりまして。

 

 書斎に籠っていたくはありますがそうはいかぬのがこのサーヴァントの身。

 

 マスターの命に従わなければ退去させられてしまうとはなんたる横暴!

 

 ですが今この状況はなんとも心踊るものであるのも事実。

 

 乗るしかない!このビッグウェーブに!と言うやつですな!

 

 「さぁ我が宝具よ幕開けだ!席に座れ!煙草はやめろ!写真撮影お断り!野卑な罵声は真っ平御免!世界は我が手、我が舞台!宝具、真名解放───」

 

 

 

 其は暗殺者

 

 放たれるは何でもないただの一突き。

 

 彼女を知る者にとってそれは不可避の暗殺。

 

 私は今宝具を放とうとしている。

 

 でも、なぜ⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎の⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎へ向けて?

 

 あたまがいたむ。もやがかかる。わからない。

 

 私の後悔が今度こそ正しい者を殺せと背中を押す。

 

 そうだ、私は⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎を殺さなければならない。

 

「私は世界を動かせず、けれど世界は私を鈍らせない。どうぞ御免あそばせ。私の無知なる殺人にお付き合いくださいまし…宝具、真名解放───」

 

 

 

 其は狂戦士

 

 放たれるは極大な魔力を束ねし叛逆。

 

 耐え、耐え、耐え抜いて反撃する獣の咆哮。

 

 今こそ圧政者を打倒せし叛逆の時。

 

 我が愛を受けるに相応しい圧政者はただ1人。

 

 令呪によって縛られし身でも叛逆しなければならない。

 

 虐げられし弱者が為、愛は爆発するのだ。

 

 おお!圧政者よ!

 

「叛逆こそが我が人生!おお、彼方の圧政者よ!刃を以て汝を打ち砕かん!宝具、真名解放───」

 

 

 

 

 

 聖杯戦争。

 

 それは万能の願望機である聖杯を巡って行われる争い。

 

 通常7騎のサーヴァントと7人のマスターで行われるバトルロイヤル。

 

 冬木で行われたそれを皮切りに、世界中で亜種聖杯戦争が勃発していた。

 

 贋作の聖杯がほとんどとはいえそれが本物に劣るという道理はない。

 

 そしてここ、キヴォトスには数多のオーパーツや聖遺物が眠る。

 

 そのうちの一つが何かの拍子に別世界と繋がってしまったとしても。

 

 たまたま大聖杯に迫る贋作がこの世界に流れ着いたとしても。

 

 それは決してありえない話ではないのだ。

 

 とある場所、とある地下にソレは鎮座していた。

 

 神々しさの中に微かな邪悪を滲ませるソレは、しかし動くことはない。

 

 誰も触れない限りは。

 

 ソレ、偽りの大聖杯に白い薔薇で包まれた手が触れた。

 

 

 

 

 

 暗い、どこまでも暗い中を漂う。

 

 何も見えず、何も感じない。

 

 どうしてこんなところに居るのだろうか。

 

 ⬛︎⬛︎⬛︎は、⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎は、どうなったのだろうか。

 

 ………今自分が何を思い浮かべたのかすらもわからない。

 

 ───我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を

 

 どこかから声が聞こえる。

 

 ───我々は望む、ジェリコの嘆きを。……我々は覚えている、七つの古則を

 

 聞きなじんだような感覚がするそれは忘れてはならないものだと確信があった。

 

 それを反復しようとしたときに、ジュッと。

 

 焼き鏝を押し付けられたかのような痛みを右手の甲に感じる。

 

 反射的に視線を持っていくと、そこには赤い紋様が浮かび上がっていた。

 

 3つのパーツに分かれた盾のような形。どこか、見慣れている。

 

『…せ……い………!…せん……………!』

 

 あぁ、誰かが『 』を呼んでいる。応えなくては。

 

 あれ、でも、『 』は誰だっけ?

 

 『僕』?『俺』?『我』?『儂』?『吾』?『余』?

 

 そうだ、思い出した。『 』は『私』だ。

 

 

 

 そして『私』は、『先生』だ。

 

 

 

 

 

 白い。眩しい。

 

 ここはどこ?

 

 私は………死ねたの?

 

 なんとなく手足の感覚がある。

 

 周囲を確認しようにも目が開かない。身体も動かない。

 

 どうしたものかな、と思っていると急に振動が伝わってくる。

 

 そこまで強くは無いがはっきり感じる。

 

 そのまましばらく、されるがままだったがひときわ強い衝撃と共に暗くなる。

 

 そこで、ようやく私は身体を動かすことができた。

 

 身体を起こそうとして……目の前に星が散った。

 

 しばらく悶えて、分かったのは真っ暗な狭い箱の中にいること。

 

 そして私はまだ生きていること。

 

 軽く絶望が襲ってくるけどとりあえずここから出ることにする。

 

 私から見て正面と左右は全く動かない。

 

 下にはそもそも届かない。上に手を伸ばすと、意外と近くにあった。

 

 思いっきり押すと拍子抜けなほどに簡単に開いた。

 

 開いたところに手をかけ、外へ這いずり出る。

 

 霊安室?確か前にドラマで見た気がする。

 

 ふと、自分の腕を見た。そこには夥しい数の切り傷の跡、では無く傷ひとつない綺麗な肌だ。

 

 私は…どうなっているんだ?

 

 

 

 扉のガラスに映る私の背にはなにもなかった(・・・・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいよー!最弱英霊アヴェンジャー、お呼びと聞いて即参上!え?呼んでない?モンテ=クリスト伯あたりを期待してた?そんなー」

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