ChanGe 作:名無しのR
読んでくれたらありがたいです。
私の目の前に広がる不可思議な光景。
さっきまで味方でいた彼が巨人になって飛び立とうとしている。
何もなくなった私が必死叫ぶけど一向に振りむことはない。
彼の友達も一緒に戦ったヒーローの声を無視してどこへ向かうのか?
「俺はこれらを抱えて旅立つ。この力を、運命も」
人が持つ力、個性を奪っていき、運命さへも奪っていった。この世界で成り立っている全てを。
「悪いな。約束守れなくて。あとは任せたガキども」
巨人となった彼は宇宙へ飛び立っていた。
これは
これは彼が自身の運命を受け入れ抗う物語。
中国の軽慶市での発光する赤児の報道以来世界各地で超常現象が報告され、世界総人口の約8割が超常能力、個性を持つに至った超人社会。個性を悪用するヴィランを個性を発揮して取り締まるヒーローは人々に讃えられていた。
だがヒーローでも救えないことがある。ヒーローだって完全無敵の超人ではない。批判し野次を飛ばす人だって当たり前にいる。
地方都市の大型ショッピングモールは正にヴィランに占拠されていた。死傷者多数、さらに人質が中央ホールに集められていた。犯人たちの要求はタルタロスと呼ばれる牢屋にいる仲間の開放だった。そんな要求をのむことは当然ない。だが、人質を10分ごとに一人殺していくと言われた。
要求通りにするしかない。誰もがそう思った。しかし、事態が大きく動いたのはヴィランが設けた時間になる前。ショッピングモールに大きな火柱が上がったのは。現場の指揮を取っていた警察は消防署に連絡、ヒーローたちは人質の保護、ヴィランの確保に向かった。
燃え盛るショッピングモールには生存者がいるのか怪しかった。中央ホールから離れてる雑貨店の隙間に誰かがいた。刃物で切りつけられた夫婦が重なり合っていた。その下には息は浅いが子供が一人。
あの事件から10年。少年は高校生くらいの年齢まで成長していた。
黒よりの緑色の特徴的な髪型。猛禽類を彷彿させる鋭い黒い目を開きながら仏壇に飾られた写真を見ながら拝んでいた。
「いってくる」
部屋の扉を閉じながら出て行った。
まだ星が見えるがもう少しすれば日が昇る季節である。道路には朝露のせいで少し濡れて肌寒く感じるが、一定のペースで走るため体が熱く感じ息が白く上がる。
桜が舞い落ちるのを見つめ、横を通り過ぎる新聞配達の風を感じ、目的地の木造の道場についた。
その中に挨拶なしで入る寸前、拳が飛んできた。
突然の出来事なのだが、顔面に向かってくる拳を躱してお返しに腹部へ一撃拳を入れる。吹っ飛んでいく相手は壁に当たりながら目を回していた。
道場の中に入っていくとそこに数々の武器を構えている道義を着た者たちが構えていた。
少年が一歩踏み込んできた途端一斉にかかってきた。
なお、この戦いは10分間続き、少年の圧勝である。
「出久、また派手にやったな」
「まあ、日課みたいなものだな」
少年の名前は出久、苗字は緑谷。齢16歳。高校2年生。一応ヒーロー志望のヒーローの卵。
物語は今から一年前から始まる彼の物語の前日譚。
「ところでアンタは?」
「勘弁してくれ」
最後までありがとうございます!