ChanGe 作:名無しのR
敵連合アジト襲撃より数分前。
突入の合図はMt.レディのダイナミックな建物破壊から始まった。
個性ファイバーマスターで脳無を拘束していくベストジーニストをはじめ、個性鯱で辺りを探索するギャングオルカ、連れ去られた仲間を救出する虎、ヒーローが拘束した脳無を収容する警察官たち。
「うええ~~~これ本当にいきてんのォ?」
「説明したけど、死体を改造して色んな個性を付与した化け物。正直言って殺してやったほうが救われる」
「だが、ヒーローとしてそれを許容することはできない」
倒れていたラグドールを救出した虎は声を掛けていた。
目は虚ろのため意識がはっきりしていないラグドール。
建物の奥から誰かがこちらに向けて歩いてきた。
「すまない虎、前々から良い個性だと
丁度いいから……貰うことにしたんだ」
壮年の男の声だが曇っているようなまるでマスクをしているような声でこちらに話しかけてきた。
「止まれ動くな!!」
ギャングオルカの静止の声を無視し一歩、一歩歩いてくる。
「こんな身体になってからストックも随分と減ってしまってね」
その起こりを
だが、その攻撃は間に合わず迎撃は失敗に終わった。
バゴォォォォォォォォッ!!
衝撃が建物含め広大な範囲で壊された。
「さすがルーマーが褒めているだけあるよ緑谷出久。君だけだ僕を殺そうとしたのわ
そして、さすが№4ベストジーニスト。僕は全員消し飛ばしたつもりだったんだ。皆の衣服を操り瞬時に端へ寄せた!判断力・技術力…並みの神経じゃない!!」
反撃に転じようとした出久、ベストジーニストを糸のような個性で貫いた。
「弔とは性の合わない個性だ」
それと同時にこちらに飛ばされてきた敵連合と人質2人。
「また失敗したね弔
でも決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り戻した。
この子たちもね。君が
いくらでもやり直せ。そのために僕がいるんだよ
全ては君の為にある」
言葉の一つ一つが恐ろしいものと感じてしまうくらい力量さがある。
「だ……れ、クソ……れ!?」
「まだ動けるのかい」
「なめ…んな、てめぇ」
手持ち斧に変えた武器を投げつけた。だが男はあっさりと弾き返し出久に当たる。
自分で作った武器で身体に大きな切り傷を付け、瓦礫の中へ飛ばされた。
「少しは楽しませてくれると思ったんだが、来たか」
空からオールマイトが男に向かって拳を向けていた。
「すべてを返してもらうぞオール・フォー・ワン!!」
「また僕を殺すか、オールマイト」
衝突する2人の衝撃に周りは吹き飛ばされる。
「バーからここまで5㎞余り…僕が脳無を送り優に30秒は経過しての到着
「貴様こそ、なんだその工業地帯のようなマスクは!?
だいぶ
旧友かのように煽り散らかす2人。
ヒーローとして守る
先生として教え子を守る
戦いは最短に、最速に着けなければならない。ゆえに活動限界など関係ない、個性のストックなんて関係ない。今出せる全力で倒す。
上手だったのはAFOの方だった。
倒れている黒霧へ強制的に個性を発動するAFO。倒れている黒霧の周りに個性の黒い靄が出ていた。
「さあ行け弔」
AFOの声を聞き、今できる最善を打つ弔。
「ちっ!!」
「勝己、やろう逃げるために!!」
掌に小さい爆発を起こす勝己、碧い稲妻を迸る玖璃。
連れ去るために動き出す敵連合。
「寝てろ」
最速にたどり着いたディスルナールこと転弧は厄介そうなマジシャンの男Mr.コンプレスへ腹にパンチを決め込ませる。
襲い掛かってきたトガヒミコのナイフを紅い短刀で防ぐ。
「志村転弧!!」
「ジジイ!!」
「わかっとるわ!!」
次に到着したグラントリノが勝己と玖璃を連れ出していく。
トガヒミコの攻撃を捌きながらホローアウトでマグネを引き寄せて首へ一撃叩き込む。
「2人」
「ヒーローが!!」
巨大な刃物を束ねた大剣で襲い掛かるスピナーの攻撃を削り取り向かってくるトガヒミコへ衝突させる。
「残り1人」
一瞬で救出と無力化を決めるディスルナール。
その光景に感嘆するオールマイトとAFO。苛立つ弔はディスルナールへ襲い掛かる。
だが目の前にいたのは黒霧の中だった。
「せ、先生!!」
「弔、君は戦い続けろ」
他の仲間とともに消える敵連合。
挟むような形で間にいるAFO。
「君とも話したかったよ志村転弧。君のお祖母ちゃんには世話になったからね」
「やっぱ、お前が!!」
「志村少年!!」
「志村菜奈は家族を捨て、その息子は捨てられたことでヒーローを憎しみ、母親を傷つけた君は祖母と同じ憎いヒーローになった。父親はどう思うのだろうね?
オールマイト、志村転弧君たちが尊敬している女は人として屑であり、情けないことに弟子や孫に背負わせている」
「黙れぇぇぇ!!」
「死んどけぇぇぇ!!」
挟むように攻撃してくるのを上に跳び、肥大化した右腕で空気を殴った。
真下にいた2人は空気の塊で圧せられて潰された。
AFOは少し離れたところに着地し、右腕に先ほどとは比べられないほどの力を貯めていた。
気づいた2人は離れようとした時、呻き声が聞こえた。
「避けて良いのかい?」
瓦礫に埋まっている女性を見て、転弧を攻撃範囲外に投げ飛ばし、盾になろうとした。
駆け戻るグラントリノは「避けろ!!」と叫び、無理やり着地した転弧は個性を発動しAFOの攻撃を止めようとしていた。
「君が守ってきたものを奪う」
打ち出した右腕。そこから溢れ出る空気が飛び出す。
「おおおおおおおッ!?」
はずだった。
落ちた右腕と少し離れたところに上半身の服が消え去り痣と血で汚れている体で刀を収めている出久がいた。
雷が落ちる音がこの場を支配した。