ChanGe   作:名無しのR

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STORM

 意識が遠のく出久。

 自身の相馬灯を目にしながら消えゆく意識に思うことが叔父夫妻、転弧、廻、空彦、死んだ父と母、親戚の幼い姉弟。

 消えゆく中で呼ばれる声が聞こえた。

 目を開けるとそこにいたのは3体の巨人。

 赤い皮膚に斧槍のような物を持つ悪魔。

 西洋甲冑を身にまとったドリルとさす又を持つ巨人。

 僧兵のような装いに数珠のような紐を浮かす大仏。

 現実離れした姿に驚く出久。

 

『起きろ出久』

「お前らはなんだ?」

『我らはお前がいつか辿りつく姿』

『左様。わし等は●ッ●●の意志』

『お前が交わした約束果たせ』

『お前はやらなければならない』

『●ッ●●の申し子よ』

「約束?やらないといけないこと?申し子?なんだよそれはッ?」

『運命から逃れない』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

『戦え』

「戦え、か」

『ワン・フォー・オールとオール・フォー・ワンの戦いはお前の戦いでもあり、人類の戦いでもある』

『私ら』

『我らは』

『わし等は』

『『『見守っている。たがえることはない』』』

「どういうことだ?」

『流馬としてお前と鬼としてのお前、出久としてのお前』

『お前の過去は続いている』

「無惨が生きているのか?」

『似たようなもの』

『取り合い』

『勝者が決まる』

『未来を左右する』

『目覚めよ』

『運命を受け入れよ』

『掴め未来を』

『●ッ●●は我々と共に』

 

 ブツリっと意識が途切れた。

 瓦礫の中から目を覚ました出久。どかしながら脱出を試みる。

 

『避けて良いのかい?』

 

 AFOの声を微かに聞こえ、隙間から見えたのは大技を繰り出そうとしているAFOとその場を動かないで盾になろうとしているオールマイト。

 

『君が守ってきたものを奪う』

 

 その声を聞いた途端、身体から力が抜け、無理やり瓦礫を退かした。

 そのまま刀を生み出し、斬撃を打ち出した。そのまま斬撃と共に飛び込み居合の構えにし、振りぬいた。

 AFOの横を通り過ぎ刀を収めた。

 右腕が落ちる音とAFOの悲痛の声、そして雷が落ちる音が聞こえた。

 

「獄の呼吸 雷獄 雷電鳴神」

 

 地面に倒れる出久を抱え後方へ下がる転弧はそのまま瓦礫に挟まっている女性を救出し始めた。

 好機と見たオールマイトはテキサス・スマッシュを繰り出した。

 殴られるのと同時に衝撃反転を繰り出しながら下がるAFO。

 

「痛い反撃だ。まだ動けるとは恐れ入ったよ」

 

 超再生は持っていないが回復系の個性でも使ったのだろう、血が止まっている。

 

「もうやめだ。今ここで君を殴る。」

 

 残っている左腕が異様な形に肥大化する。

 

「筋骨発条化、瞬発力×4、膂力増加×3、増殖、肥大化、鋲、エアウォーク、槍骨

 今までのような衝撃はでは体力を削るだけで確実性はない。

 確実に殺す為に今の僕が掛け合わせられる最高・最適の個性たちで

 君を殴る」

 

 迎え撃とうとするオールマイトも最後の力を右腕に込める。

 だが先に攻撃を繰り出したのはAFOの方だった。間に合わないと思い攻撃を繰り出そうとしたオールマイト。

 

「うぉりゃゃゃゃゃ!!」

 

 倒れた出久が肥大化した斧をぶん投げて少しでも攻撃を遅らせる。

 投げた斧はAFOのマスクに当たり、少しのけ反らせる。

 溜が間に合ったオールマイトはその拳を打ち込む。

 拳と拳がつば競り合いのように拮抗する。

 再度衝撃反転を打ち込もうとしたが、腹に衝撃がきた。

 

「俺を忘れるな!!」

 

 赤い骨で覆われた左腕とバッタのような足が付いた状態で出久が打ち込んだ。

 体の内側にくる衝撃は背中を貫いた。

 

「決めろやぁ!!」

「ああ!」

 

 オールマイトの頭に1人の女性が浮かんできた。

 

『限界だって感じたら思い出せ

 何の為に拳を握るのか

 原点ってやつさ!そいつがおまえを限界の少し先まで連れてってくれる!』

『何人もの人がその力を次へと託してきたんだよ

 皆の為になりますように

 一つの希望となりますようにと

 次はおまえの番だ

 頑張ろうな俊典』

 

 拮抗していた拳同士の鍔競り合いはオールマイトが打ち勝った。

 

「おおおおお!!」

『さらばだオール・フォー・ワン』

「UNITEDSTATESOFSMASH!!」『さらばだワン・フォー・オール』

 

 AFOの顔面に打ち込んだ攻撃は本人を地面にめり込ませ、あたり一面に拳の衝撃が伝わった。

 砂埃が晴れるとそこにいたのは倒れそうになりながらも左拳を挙げスタンディングオベーションをしているオールマイトだった。

 映像越しで見ていた人は喝采の声を上げていた。

 遅れながらも到着したエンデヴァー始めとしたヒーローは敵のAFOの拘束に動いていた。

 テレビのカメラに指を向けながらオールマイトは喋った。

 

「次は君だ」

 

 誰に向けた言葉なのかわからない。

 それを知っているのは一人だけだった。

 

『(次は私。あんな敵と戦うの?)』

 

 幼馴染のちょっとした動きを感づいた爆豪はイラっとしたが、今は勝ったオールマイトの姿と言動を見て、決意を改めることした。

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