ChanGe 作:名無しのR
内容に納得できないのと競馬負けて不貞腐れていました。
タバル今年の宝塚記念頑張って!!
ではどうぞ!!
ことの始まりは神野区の戦いまで遡る。
静岡県某所、死穢八斎會本部。
死穢八斎會を示す旗印のもと、組長席に座る初老の男と向かいに座るガタイのいい無骨な男が沈黙していた。
その周りには黒スーツの男たちが身動き取らず立っていた。
「今更何しに来た砕島」
砕島と呼ばれた男は口を開いた。
「なに、老い先短い人生のお前の顔を見たくなってな」
砕島鬼火。元死穢八斎會の組長候補。先代組長から指名されたのが現組長だったため、組抜けをし、ありとあらゆる場所へ歩き回る武闘派。
「おい治崎、大きな話がある」
「断る。第一お前は2度とここへは踏み込まないと誓ったはず。なぜ今になって」
「まあ聞け。此度の戦いで現代社会が揺らいでおる。その揺らぎが次第に大きくなっていくことが見通せるだろ?」
「……極道の復権が目論見か?」
「結果から言えばな。だが、世の中が狭い。自由を求めようじゃないか!」
極道の復権。それが砕島の望み。前時代の混沌へ戻そうとしている。
オールマイトとAFOの影響力が少なからずあったということを意味している。この混乱に乗じて動き出す奴らはいる。
「砕島、お前が居た頃とは大きく変わっている。俺たちは極力影響を与えず傍観に徹しないといけない。昔とは大違い、少なくとも今は象徴がいなくなっても次がいる」
組長の脳裏に浮かんでいるのは廻、転弧、出久の3人。これからの未来を担う若者がいることが。
「ケッ!相変わらず我欲がねぇな」
「……もういいか。今回は不問とする」
「治崎、俺は諦めないぞ」
そう言って部屋を出た砕島。
短い会話の中で確かなる野望が見えた。
それを危惧するのは頭の片隅に寄せていたが、事件が起きた。
壊理の誘拐が起きた。
攫った相手はわかっていた。砕島だと、壊理を迎えに来た組員が門の前に投げ捨てられて、最後の言葉として遺した。
組長である治崎は誘っていると、自分を倒し、そのまま入ると考えていた。
それでも行くしかないとした時、側近である男が待ったを掛けた。
場所がわからないのにどこへ向かうのか。不在の間に襲撃をしてきた場合を考えるならここで待っていた方がいいと。そもそもこちらにいる警察の人間を頼るべきだと。
冷静になれた、なるしかなかった。
自分の娘が捨てた孫娘の安否を考えるなら、しかし組員を1人やられている。場所に関しては宛があるんだ。こちらの戦力を整えてからでも遅くはないと。
襖を勢いよく開け、組員が1人入ってきた。
「オヤジ!玄野のヤローと数名の若ケぇのが出ていきました」
「ほっとけ、アイツらに場所はわかるはずがない。時期に帰ってくる」
「それが廻の所へ「今すぐ連れ戻せぇ!!アイツを巻き込ませるな!!」へ、へい!?」
治崎は廻へ電話を回したが、繋がらなかった。
「くっ、おい!何人か組んでここへ向かえ!手遅れになる前に!!」
時は同じくして、静岡県某所。
ある一室に今回の誘拐犯、砕島たちが気絶している壊理へ注射をしていた。
クーラーボックスにおよそ10本ほど収められていた。
「クライアントの要望と言っていたがこの娘の血で何をするんだ?」
「さあ?けどこれと交換で金が入るんだ。血が溜まればまた抜けばいいし、素材がいいから物好きに売ればいい金が入るだろ」
部下の1人が箱を持って出ていく。
「お前らドンパチは起こすなよ」
「ヘイアニキ!」
埃に被ったソファーに座りながら瓢箪の酒を煽る砕島。近寄る男が1人、黒い手袋を嵌めている。
「アニキ、やっとですね」
「ふん。まだ通過点すら来てねえぞ」
「また頂点へ返り咲く、この腐った社会を暴力で支配する、オレェはそれを信じてここまで来た。アニキ、行きましょう」
「ああ、お前に見せてやるキッテ」
瓢箪と杯を合わせて互いに飲む。
決戦は明日。どれほど血を吹くのか楽しみ仕方ない2人だった。
朝、太陽が昇っていないこの時間に激しい爆発音が響いた。
「壊理手ぇ出したんだ。その落とし前取らせてもらうぞ!!」
廻の一声で飛び上がる砕島の部下たち。
幹部の一人が見に行くと地面と混ざり合った部下たちとペストマスクをしている廻の姿だった。