ChanGe 作:名無しのR
東の山から太陽が覗かせていると同時に敵のアジトへ大きな強襲が起きた。
下にいた下っ端たちが砂煙の中から飛んできた石柱に吹っ飛ばされる。その上に乗っているのは死穢八斎會の活瓶力也。ポケットから液体が入った瓶を飲み干す。
「ウオォォォォォ!!」
入中常衣が肥大化した腕で襲い掛かってくる下っ端を吹き飛ばしていく。
遠くから撃ってくる相手に窃野トウヤが個性を使い奪い、多部空満が食べながら下っ端の攻撃を加える。
「テェエエエエエ!!」
肩から大砲を撃ってきた下っ端の攻撃を宝生結が結晶化した体で守り、ぶん回した腕の力で結晶を飛ばす。
その中から走り出す5人を尽かさず攻撃するが酒木泥泥が泥酔で無力化し2階に突入した。
場面は移り変わり屋上から侵入した転弧は背後を取りながら下へ降りていく。
降りていくまでにも徘徊している下っ端はいたが無力化していく。
同時突入した出久たち救出チームからの連絡はない。場所を変えたとしか考えらない。
さらに一段降りようとした時床が崩れ去り、下にいた男が襲いかかってきた。
「ヒーロー!!」
「ちっ!!」
刃物ような両手が個性の敵が転弧を切り裂こうとしたが、後ろの空間を削り取り距離を開けた。左手に小型ナイフを構え腰を下ろす。
明らかに目が充血しうつろになっている。
「薬か。想定内だがこれだけ暴れているとバレるよな」
騒ぎを聞きつけて集まり出してきた。ざっと30人ほどが廊下の端から端まで見える。
鉄パイプを振り回して攻撃を少し後退し、後ろにいる下っ端1人へ肘打ちをする。わずかに空いた隙間に手を廊下に当て消し去る。突然消える廊下に下へ落ちる下っ端たち。さらに追い打ちをかけるかの如く空間を削り落とし戦闘不能まで追い込む。
残ったのは薬物を摂取した斬手と言うべき男一人。理性を失っているから下っ端を踏みながらこちらへ迫ってくる。
対し両腕を構えて迫りくる爪を削り取り、そのまま空間も削り、強制的に引き込まれる相手に両手打ちも打ち込む。吹っ飛ばされる斬手を追随。壁にぶつかると同時に鳩尾へ拳を突き立てる。
「まだ動けるのかよ」
「ヒィィロォォォッ!!」
急所にぶち込んだはずなのに爪を伸ばし突き刺してきた。
横に避けながら削り取ろうしたが、爪が太くなり壁に押し付けられた。予想外の行動に一瞬気を取られたが背後の壁を削り取り脱出を図る。太くなった爪から棘が飛び出て串刺ししようと迫りくる。その棘もかわすか削るかで何とかしているが、無力化することができずにいた。
とうとう棘が腕に突き刺さった。呻きを上げず冷静に棘を削り動きに支障がないまでにした。
「ここまで無力化がキツイ相手がいるとはな」
空間圧縮からの零距離パンチでも効果がない。
両腕を消す個性での無効化はヒーローらしからぬ行動。
残るは両手もしくは両腕の関節外しからの締め技と自滅覚悟の長距離の空間圧縮パンチの2択。
ふと周りを見渡すと暴れたお陰か広い部屋になっていた。もう一つ案が浮かんだ。確実に捕縛し敵を引きつけつつ時間稼ぎできるやり方が。
「っしゃあ!!」
前方空間を削り斬手の目の前に現れ、突き刺してくる爪を削り右脇に移動し脇腹に一発パンチを喰らわせる。
苦痛を一瞬見せるが再度生やした爪を振り回してくる。しゃがみながら脛の横を足を払うように叩き込む。斬手が倒れると共に自信を上に引き寄せて寝ている斬手の空間を削り、ドロップキックを相手の腹に叩き込む。
白目を向きながら口から泡を吹く斬手。気絶と共に薬の効果が切れたのか爪が元の大きさに戻っている。
腰から捕縛用ロープを取り出し縛り上げる。
「やっと倒れやがった」
息を整いながら部屋から出ると廊下に倒れている下っ端を見ながらため息をする。
場面は変わり転弧が突入してから後ろから侵入した出久と漆。
両サイド階段を手分けして上り一つ一つ探っていく2人。ある部屋で止まる出久と階段の途中で襲われた漆喰。
「冴えねえおっさんだなぁ~」
「チッ、いきなり襲ってくるなよ」
伸縮式警棒を構える漆喰に棘が付いたバットを向けるヴィラン。
棘が付いたバットを伸ばしてくるヴィラン。植物の蔓のように伸ばしてくるのをバックステップで躱していくと蔓が止まった。
手から白い液体を噴射し伸びた蔓を固めていく。
草壁漆、個性漆喰。手から漆喰液を出す個性。
一気にヴィランに迫るが、固めた漆喰を突き破って棘が伸びてきた。漆喰の壁を生み出し攻撃を防ぐ。
漆喰を棒状に変化させ投げる。それなりに速さを持った物がヴィランに迫るが空いている手から蔓を太く出し投擲を防ぐ。
「そこだ!!」
両手から漆喰液を噴射し取り囲むように拘束。だが拘束されぬよう伸ばしていた蔓を戻し棘を伸ばす。棘が突き破って向かってくるが持っている警棒でへし折っていく。さらに上書きするように漆喰を塗り固めていく。
「漆喰ノ牢」
漆喰で固めた中からドス、ドスっと音が聞こえる。
警棒を構えながら様子を見ているとポロポロと粉が落ちてくるが、次の瞬間針山のように棘が飛び出してきてきた。
「ハア、ハアッ!!テメェ!!」
こちらを見るとともに目の前に警棒が振り下ろされていた。
「ぐえぇ!?」
「はい、もういっ、ちょ!!」
「ぐ、ぐ、ぐ、ぐ、ぐ、ぐっ!?」
脳天に落とした後、腹に突き刺したと同時に電気を流す。
青白い火花がヴィランの体を焼いている。少し経ってヴィランが白目を剥いて倒れた。
手を拘束し、瓦礫の上に座り煙草に火を着け息を吐いた。
「はー、疲れた。後は頼んだぞ」