~IS~好きな機体で駆け抜けろ   作:豆紳士

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今回はオリ主視点のみ


第十三話

クラス対抗戦から数日経った。あんな事件が遭ったのに教室ではクラスの女子達が楽しそうにお喋りして平和だった。試合は織斑と凰以外のは中止になってしまったが幸い怪我人や犠牲者が出なかったので本当によかったと思う。それにしても今日はクラス中騒がしいけど何かあったのかな?

 

 

 

「ねぇ、あの噂聞いた?」

 

「なに?この間のISの事?」

 

「あれは実験中の機体が暴走したって話でしょう」

 

 

 

この間のISとはクラス対抗戦で襲撃してきたあの黒い奴のことだろうな。「暴走した実験中の機体が試合中に乱入してきたが先生達で鎮圧し事なきを得た」と説明されたが所属や搭乗者に関しては機密との事で公表はされていない。まぁ誰も詮索しないだろう。

 

 

 

今思えばアイツは一体何だったろうか?恐らくISみたいだがアリーナの遮断シールドを突き破る程の武装した奴を誰が何の為に送り込んで来たのかまったく分からん。更識先輩は無人機の可能性があるとか言っていたが無人のISが実用化されているとは聞いた事がない。まぁ考えても仕方がない。一応モルゲンレーテ社でも調べているようだし何か分かれば教えてくれるだろう。

 

 

 

「今月行われる学年別トーナメントで優勝すると織斑君と付き合えるんだって」

 

「えー!マジ!?」

 

「それほんと?」

 

 

 

・・・なんだそりゃ。誰が言ったかは分からんがまた変な噂が出回っているなぁ。

 

 

 

「おはよう。みんな何盛り上がってるんだ?」

 

「「「何でもないよ!!」」」

 

 

 

噂をすれば織斑の奴が来た。聞かれたくないのか女子達は必死に誤魔化している。その手の話には鈍い彼奴なら気付かんだろう。

 

 

 

「皆さん、おはようございます」

 

「席に着け。HRを始める」

 

 

 

おっと山田先生と織斑先生が来たか。さっきまで騒がしい空気が一瞬にして消えクラス中の生徒が席に着く。

 

 

 

「今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!どうぞお入り下さい」

 

「失礼します」

 

「・・・」

 

 

 

マジか・・・ついこの間凰が転校して来たばかりなのに今度は一組に来るのか。山田先生に呼ばれ二人の生徒が教室に入って来た。片方は金髪で″男子生徒の制服″を着ていた。もう片方は銀髪で片目に眼帯を付けてる・・・またキャラの濃い奴が来たなぁ。

 

 

 

「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。皆さんよろしくお願いいたします」

 

 

 

金髪の転校生がペコリと頭を下げ笑顔を浮かべた。

 

 

 

「え!?嘘、もしかして・・・」

 

「男・・・?」

 

 

 

誰かが呟いた。嫌な予感がする・・・俺は咄嗟に耳を塞ぐ。

 

 

 

「はい。こちらに僕と同じ境遇の方々がいると聞いて本国より転入を―――――」

 

「「「キャァァァァァァァァァァァァァァァ!!」」」

 

 

 

教室全体に叫声が響き渡る。爆音と言っても過言ではない位の音が両手をすり抜け鼓膜を叩く。耳ではなく脳に直接ダメージが入りそうだ・・・。

 

 

 

「え・・・え?」

 

 

「男子!三人目の男子よ!」

 

「それも美形!守ってあげたくなる系!」

 

「私、このクラスでよかった!!」

 

「皆さん!落ち着いて下さい!まだ自己紹介は終わってませんよ!」

 

 

 

転校生の自己紹介が終わっていないのに女子達が一人一人声を上げる。山田先生が注意しているが聞こえていないのか無視しているのか分からんが収まる気配がない。彼女は普段から生徒達に「山ちゃん」とか「山ピー」とか呼ばれている。愛称で呼ばれるのは慕われている証だと思うが先生の事を舐めている奴はいるだろうな。

 

 

 

「騒ぐな!静かにしろ!」

 

シーン

 

 

 

織斑先生の一言でやっと静かになった。それを確認して山田先生がもう一人の転校生の方を向いた。

 

 

 

「それでは自己紹介をお願いします」

 

「・・・」

 

「あの・・・?」

 

「・・・」

 

 

 

銀髪の転校生は自己紹介を促されても無反応だった。あの爆音の中で顔色ひとつ変えないとはやるなぁ。だが無視はいかんよ無視は。

 

 

 

「はぁ・・・挨拶しろラウラ」

 

「はい、教官」

 

 

 

見かねた織斑先生が声を掛けた。ラウラと呼ばれた転校生はビシッと姿勢を正し織斑先生の方を向いて答えた。露骨な態度の違いに山田先生は少し涙目になる。教師も大変だな。

 

 

 

「ここではそう呼ぶな。私はもう教官ではないし学園ではお前も一般の生徒だ。だから織斑先生と呼べ」

 

「了解しました」

 

 

 

会話から察するに転校生と織斑先生は面識があるようだな。詳しいことはエリカさんに調べてもらおう。・・・最近報告することが多い気がするな。入学前に「些細な事でもいいから何かあったら教えてね」と言われたけどいいのだろうか?さすがにくどいと思われていないだろうか?今度聞いてみるか。転校生が正面を向いた。

 

 

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

シーン

 

 

 

「あ、あの・・・以上ですか?」

 

「以上だ」

 

「えっと・・・デュノア君はフランスの、ボーデヴィッヒさんはドイツの代表候補生だそうです。皆さん仲良くしてくださいね」

 

 

 

沈黙が気まずいのか山田先生が補足した。ボーデヴィッヒの自己紹介はシンプルなものだがいいと思う。何故なら俺自身はあまり係わる事はないだろうから余計な事は知らなくていい。

 

 

 

「それではお二人は空いている席へどうぞ」

 

「はい」

 

「・・・」

 

 

 

二人は教室の後ろの方へ移動するが途中でボーデヴィッヒが織斑の前で止まった。

 

 

 

「貴様か・・・」

 

「え?」

 

パーン

 

「私は認めない。貴様があの人の弟であるなど・・・認めるものか!!」

 

 

 

教室に乾いた音が響いた。あまりの出来事に一瞬フリーズしたがなんとボーデヴィッヒは織斑を平手打ちしたようだ。

 

 

 

「いきなり何しやがる!」

 

「ふん・・・」

 

 

 

織斑が抗議するもボーデヴィッヒは無視して立ち去ろうとした。何やら事情はあるようだがアイツとは係わらないことが一番だなと思う。

 

 

 

 

「お、おい!ちょっと待て―――――」

 

「そこまでだ。言いたいことは後にしろ」

 

「でも千冬姉――」

 

「織斑先生だ。今日は二組と合同で第二グラウンドでISの実習を行うから遅れるなよ。それから織斑、秋月はデュノアの面倒を見てやれ。ではHRを終わりにする。解散!」

 

 

 

織斑先生が場を収めた。デュノアの案内は織斑に任せてさっさと更衣室へ移動した方が良さそうだな。入学してからずっと騒がしかったがこれからもっと増す予感がする。普通の学校だったらここまで騒がしくはならないだろうな・・・教室を出て更衣室へ向かう。何事も起きませんように祈りながら・・・。

 

 

 

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