~IS~好きな機体で駆け抜けろ   作:豆紳士

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第二十一話

ー学年別トーナメント当日ー

 

 

 

・・・どうしてこうなるのだろうか?

 

 

 

アリーナのピットで待機しながら心の中で同じ問を何度も繰り返す。気を抜くとため息が出そうになるが人前なので流石に耐えた。機体越しに今回のトーナメント戦の相方の顔を見る。

 

 

 

「フッ・・・初戦から運がいい・・・」

 

 

 

憂鬱な俺とは対照的にボーデヴィッヒは上機嫌だな。まさかコイツと組む事になるとはなぁ・・・昔からクジ運は良くない方だが・・・どうしてこうなるのだろうか?

 

 

 

ボーデヴィッヒが上機嫌なのは一回戦の相手が織斑とデュノアのペアだからか。コイツは織斑を目の敵にしているようで何かと絡んでよくトラブルを起こしている。いつもなら周りが止めに入るが今日は邪魔が入らずに思う存分に叩き潰せると思っているのだろう。俺が評価出来るものではないがボーデヴィッヒの腕はいい。同じ代表候補生のオルコットと凰を同時に相手し圧倒出来る実力がある以上一年生の中では最強だと思う・・・しかし織斑を倒す事に固執して取り返しがつかない事になるかもしれない。学年別トーナメントは様々な国や企業から注目される行事だ。俺はモルゲンレーテ社を背負う立場でありヘタな戦いは出来ないというのに相方がこれじゃな・・・厳しい戦いになるだろうな。

 

 

 

今の事を考えるとどんどん憂鬱な気分になるが唯一救いがあった。それは布仏さんとは違うブロックでトーナメントが組まれていた事だ。彼女とは決勝まで勝ち進まなければ戦う事はない。勿論自分から負けるつもりはないし彼女が途中で負ける事は望まない。もし決勝で対峙したら全力で戦うつもりだが・・・そうならない事を祈らずにはいられなかった。

 

 

 

「おい」

 

「ん?」

 

 

 

考え事をしているとボーデヴィッヒが話し掛けて来た。こっちから声を掛けても無視だったのに・・・お陰で一度も合同で訓練もしていない。まぁこの前のアリーナでの事があったから仲良くするのは無理だよな・・・

 

 

 

「織斑一夏は私の得物だ。貴様は手を出すなよ」

 

 

 

やはりこうなるか・・・やれやれ。

 

 

 

「そうゆう訳にもいかない。俺だって―――――」

 

「邪魔をするなら容赦しないぞ」

 

 

 

こちらの事情はお構いなしかよ。今日の試合は追加装備のテストも兼ねてるのになぁ・・・なぁに乱戦になればこっちのもの・・・ではないだろうな。状況によってはマジで後ろから撃たれるかもしれない。なぜそこまで織斑に拘るのだろうか?聞いてみるか。

 

 

 

「なぁ、聞きたい事があるんだが・・・」

 

「なんだ?」

 

「そんなに織斑が憎いのか?アイツに何かされたのか?」

 

「別にそうゆう訳ではない。だが・・・」

 

「だが?」

 

「奴さえいなければ教官は栄光を手にしていたんだ。奴さえいなければ・・・」

 

「栄光?」

 

 

 

・・・どうやら織斑を敵視するのは織斑先生の事が関係していそうだな。栄光とはなんだろうか?今のところ思い当たるのは―――――

 

 

 

≪準備が出来ましたので両チームは既定の位置まで移動して下さい≫

 

 

 

おっと時間のようだな。考え事は後だな。

 

 

 

「もう一度言うが織斑一夏には手を出すなよ」

 

「時と場合による」

 

「フンッ・・・まぁいい」

 

 

 

そう言ってボーデヴィッヒは先にアリーナへ出た。俺も行こう。不安は多いが今は目の前の事をやろう。

 

 

 

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