~IS~好きな機体で駆け抜けろ   作:豆紳士

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第二十二話

ーside一夏ー

 

 

 

≪準備が出来ましたので両チームは既定の位置まで移動して下さい≫

 

 

 

「行こう一夏!」

 

「おう!」

 

 

 

アナウンスが鳴り俺達はアリーナへ出る。一回戦はラウラと秋月のペアか・・・まさかあいつらが組むなんてな。厳しい戦いなるかもしれないけど絶対に負けられない。シャルとの特訓の成果を見せてやるぜ!!

 

 

 

アリーナへ出るとラウラと秋月ペアが待っていた。ラウラの機体はこの間の一件以来見ていなかったけど完全に修復されているようだな。秋月の方は・・・アレ?なんかいつもと機体の色が違う。全体的に灰色になっているけど色を塗り替えたのか?

 

 

 

「一回戦で当たるとは、今日は貴様らの厄日だな」

 

「そうとも限らないぜ」

 

「フンッ!時代遅れの旧式機と接近戦しか出来ない欠陥機、私の敵ではない!」

 

「ッ!」

 

 

 

コイツ、俺だけじゃなくてシャルの事まで・・・

 

 

 

「一夏」

 

「ん?」

 

「相手の挑発に乗っちゃダメ。作戦通りに行こう」

 

「ああ、悪い」

 

 

 

そうだ。勝つ為にシャルと作戦を立てて来たんだ。ラウラと秋月がペアを組んだから若干変更したけど寧ろコイツらが組んだからこそ出来た作戦が・・・

 

 

 

「貴様らなぞ、私だけで―――――」

 

 

 

シュイィィィン

 

 

 

「「「!?」」」

 

 

 

ラウラの挑発を遮って甲高い音が聞こえたと同時に秋月の機体が灰色から見た事ある色に変化した!一体どうなっているんだ?

 

 

 

ーside勝輝ー

 

 

 

そろそろ試合が始まるのとボーデヴィッヒの挑発が聞くに耐えんのでフェイズシフト装甲を展開した。甲高い音が鳴り装甲が相転移によって色が付く。よし、正常に作動しているな。俺以外の三人が驚いた顔をしている。まぁそうなるよな。普段は展開したまま出るが今日は来賓者にも"見せる"ためだからとエリカさんから聞かされている。

三人(一応)しか居ない男性操縦者同士が戦うとなれば嫌でも目立つからそれを利用しようという考えは悪くないな。やかましいボーデヴィッヒも黙ったからよし。

 

 

 

≪試合開始まであと10秒―――≫

 

 

 

カウントダウンが始まった。ここまで来ればもう後戻りは出来い。ならば全力で戦おう。

 

 

 

≪―――3、2、1、スタート!!≫

 

 

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

 

 

開始の合図と同時に織斑が突っ込んで来た。斬撃を躱し距離を取りながら射撃するが食らい付いてくる。クラス代表戦の時よりもいい動きをするな。こちらの攻撃があまり当たらない。

 

 

 

「悪いな秋月!今回は勝たせてもらうぜ!」

 

「そうか」

 

 

 

織斑はもう勝った気でいるようだな。確かに今は追われる一方だが雪片が当たらなければ問題はない。このまま続ければジリ貧に持ち込めそうだが・・・それでは前と同じだからな何かしら策があるはずだ。

 

 

 

「貴様の相手は私だ!私と戦え!」

 

「おっと!」

 

 

 

ボーデヴィッヒが俺と織斑の間に割って入ろうとしたが織斑はそれを躱し俺を追って来た。

 

 

 

「くっ!・・・この!」

 

 

 

ドンッ!!ドンッ!!ドンッ!!

 

 

 

「おっと!」

 

「!!」

 

 

 

ボーデヴィッヒがレールガンを撃ってきた。織斑を狙っている筈だが射線上に俺が居てもお構いなしのようだな・・・これじゃ敵が増えたのと同じじゃん。そう言えばデュノアはどこだ?

 

 

ズダダダダダ!!

 

「!!」

 

 

 

死角から弾丸が飛んできた。咄嗟の事なので躱しきれず被弾したが装甲のお陰で大した事は無かった。どうやらデュノアは織斑の突進に合わせてこっちの動きを牽制するのに徹しているようだな。本来ならペアであるボーデヴィッヒにデュノアを阻止してもらうのがいいが・・・アイツは織斑に固執しているのでまったく当てにならない。どうやら俺とボーデヴィッヒがロクな連携を取らないと見込んで作戦を立てたようだな。

 

 

 

「うぉぉぉぉ!!」

 

ドンッ!!

 

ズダダダダダ!!

 

 

 

織斑の突進、デュノアからの牽制射撃、そしてボーデヴィッヒからの流れ弾・・・まるで3対1で戦っているようなもんだな。織斑を追い払いたいが武装を連結するとその隙を突かれるかもしれん。このままじゃ俺の方がジリ貧で終わる・・・ならここは前に出るか。

 

 

 

今回のトーナメント戦の為に追加した脚部のミサイルポッドから閃光弾を撃つ。

 

 

 

「うわっ!?」

 

 

 

閃光弾をもろに食らった織斑はその場に固まった。俺は織斑に組み付き関節をロックして動きを封じる。

 

 

 

「くぅ!放せ秋月!」

 

「撃て!!」

 

 

 

暴れる織斑を抑えながらボーデヴィッヒに撃つように促す。あのレールガンが直撃すればただでは済まないだろう。

 

 

 

「フンッ!・・・まぁいい」

 

 

 

ボーデヴィッヒがレールガンを構える。勝利を確信しているのか微笑んでいた・・・あ、これは良くないパターンだ。発射された砲弾は織斑に当たると思ったが・・・

 

 

 

「させないよ!!」

 

「なに!?」

 

 

 

俺達の間に割って入ったデュノアの盾に弾かれた。恐らくこうなる事を予測していたのだろう。なんて奴だ。

 

 

 

「ハアァァァァア!」

 

「!?」

 

「この距離なら外さない!」

 

 

 

デュノアは一瞬でボーデヴィッヒとの距離を詰めた。まさかあれは・・・イグニッション・ブーストか!?あいつも使えるのか・・・デュノアは盾の裏に装備されたパイルバンカー"盾殺し(シールド・ピアース)"をボーデヴィッヒに突き立てた。鋼鉄の杭が何度も火薬で撃ち出される。始めは抵抗していたがやがて耐えきれなくなったのかボーデヴィッヒはアリーナの壁面に叩きつけられ沈黙した。

 

 

 

一旦仕切り直すために暴れる織斑の拘束をタイミングを見て解く。勢い余って倒れたところで距離を取りながらボーデヴィッヒの様子を見る。どうやら思った以上にダメージを負ったのか動く気配がない。ここからは1人か・・・これもロクな連携を取ろうとしなかった結果なのか・・・向こうとは大違いだな。

 

 

 

「勝負あったな秋月!」

 

 

 

織斑が勝ち誇ったように言う。たしかに2対1となれば不利なのは事実。だがエネルギーも弾薬もまだ残っている。それに流れ弾が飛んでくることもない。武装を散弾砲へ連結し構える。最後まで望みを捨てない・・・本当の戦いはこれからだ。

 

 

 

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