「なるほど。概ね分かったわ」
「はぁ・・・」
学年別トーナメントが中止になり事情聴取と
「それにしても凄かったわ」
「何がですか?」
「秋月君の戦いぶり」
「はぁ・・・そうですか?」
「2対1でも上手く立ち回っていたじゃない。あんな事がなければあのまま勝てたかもよ?」
「そうでしょうか・・・」
更識先輩の言う通り2対1という不利な状況で何とか持ちこたえる事は出来たが・・・あのまま勝てたとは言えない・・・実際は反省点の多い戦いだった。ペアとの連携をロクに取らず各個撃破されデュノアと撃ち合い中に織斑の突進を防げずに危うくやられるところだった・・・正直負けてもおかしくはなかった。ここまで立ち回れたのはバスターの性能のお陰だろう。特に他の奴よりエネルギー等の面でかなり有利だ。
通常ISはコアから供給されるエネルギーで機体の展開と収容、駆動、攻撃、防御を賄っている。画期的だがこれだと短期間でエネルギー切れを起こしてしまう。この問題を改善しようと各国の企業や研究機関が躍起になっているが中々上手くいかないようだ。そこでバスターにはバッテリーを搭載し展開と収容、シールドによる防御以外の戦闘に必要な行動に当てる事で解消を試みている。大容量のバッテリーのお陰で他の機体より稼働時間が長く余裕がある。もしバスターが他の機体と同じコアから供給されるエネルギーのみで稼働していたら、そもそも俺の機体がバスターではなく打鉄やラファール等の訓練用ISだったらここまで戦えないだろうな・・・俺の腕なんてそんなものだ。
「謙遜しなくていいのよ。私を含めた上級生は貴方に一目置いてるわ」
「はぁ・・・」
正直目立つのはあまり良くないなぁ・・・
「ところでさ、話は変わるけど・・・」
「はい?」
「織斑君の行動についてどう思う?」
「え?」
なんか質問が飛んできた。急にそんな事聞かれてもな・・・
「どうってのは一体?」
「細かくは指摘しないわ。ざっくりでいいから聞かせて?」
「えっと・・・そうですね・・・」
正直に言うとバカとしか言いようがない。生身でISに挑むとか命が幾つ在ってもたりやしない。聞くところによると織斑はデュノアからエネルギーを受け取り戦ったらしいが先生方が駆け付けたあの状態でそれをやる必要などまったくない。勿論時にはそんな場面だってあるだろう。俺もモルゲンレーテ社から"生身でISに対峙した時の対処法"を教わったがその中身は逃げる、隠れる、助けを呼ぶとかで戦う事は一切なかったよ。アイツは一体何を考えていたのだろうか?・・・考えても仕方がないか。ここで曖昧な事を言うと俺も同類だと思われるかもしれないが強い言葉で批判するのも良くない。どうするか・・・
「正直にいうと"軽率"ですね」
「うん。何故そう思ったの?」
「まともにISを展開出来ない状態であの黒いISと対峙していたからです。それしか手段がない場合なら別ですがあの時は既に先生方が駆け付けてくれていましたから必要がない行動でした」
「ふむふむ・・・じゃあ秋月君ならどうする?」
「逃げます。先生方の邪魔になりますし何より死ぬかもしれませんから」
「なるほど・・・うん、分かったわ」
更識先輩の表情が和らいだ。納得してくれたのかな?
「話してくれてありがとう。聞きたい事は聞いたからもう終わりにするわ。疲れてるのにごめんね」
「いえ、お気になさらず」
「ゆっくり休んで」
「はい、では失礼します」
俺は生徒会室を出た。疲れたから帰って休みたいが少し寄りたいところがあるから行こう。更識先輩と話していて思う事が出来た。それは織斑の事だ。今日の行動を見るとアイツは"重要な場面で大失態を演じる"というものだ。しかもそれが人を巻き込み最悪の事態を起こしかねない気がする。勿論今日の一件だけで決めつけるのは早計だが今後ないとも限らない・・・ここで考えても仕方がないか。こんな事が起こらない事を祈ろう。今はそれでいい・・・。
ISの設定についてはよく分からないところがあるからこれでいいのか?と思うところがありますがどうかご了承ください。