~IS~好きな機体で駆け抜けろ   作:豆紳士

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第三十話

 

 

 

学年別トーナメント戦から月日が流れ夏が近づいて来た。今日は学園は休みだからモノレールで駅と直結しているショッピングモールに来ていた。俺は休日となればモルゲンレーテ社で訓練やデータ収集なんかをやっているんだが今バスターが手元にない。近いうちに臨海学校がありそれ用で追加装備を搭載するとか。IS学園の臨海学校は新型を含めた装備のテストを行う校外授業らしくそれに合わせた改装を行っている。ならシュミレーターでの訓練だけでもと思ったがエリカさんから"少しは休みなさい"と言われてしまった。ここ最近いろいろな事があったせいで疲れていたけど正直やる事がないんだよな。まぁいいか。それで先日に改装の目途が着いたと連絡があったのでモルゲンレーテ社に行くついでに日用品とかを買い足そうと思ったのだが・・・

 

 

 

「よう、秋月じゃないか。奇遇だな」

 

「やぁ、秋月君・・・」

 

 

 

織斑とデュノアのペアに遭遇した。なんでこうなるんだかなぁ・・・織斑はともかくデュノアの方は笑顔が引きつってるな。まぁ俺との遭遇なんか望んではないだろうからね。さっさと失せるか。

 

 

 

「よう、買い物か?人が多いから気を付けろよ。じゃあな」

 

 

 

これでよし。挨拶はしたし邪魔にはならんからいいだろう。立ち去ろうとしたら―――

 

 

 

「待てよ秋月。なんで急に行こうとするんだよ?」

 

 

 

織斑に呼び止められた。ダメか・・・

 

 

 

「なんでって俺にも用事があるからだが」

 

「買い物だろ?どうせなら皆で行こうぜ」

 

「それはまたの機会にな。じゃあな」

 

 

 

俺は歩き出す。ただでさえ学園で絡んでくるんだから休みの日くらいは会わなくたっていいだろうまったく。日用品が売っている雑貨屋まで来たが―――

 

 

 

「なんで付いて来たんだ?」

 

「いや、俺達も用があったからだけど?」

 

 

 

それは嘘だな。デュノアの方はネコの絵が入ったマグカップを買ってるが織斑は商品を見てるだけで買う気ないじゃん・・・適当に商品をカゴに入れ会計する。

 

 

 

「日用品なら学園の購買でも買えるのになにか気に入らないのか?」

 

「いや、そうじゃない。これは社宅に置く分だよ」

 

「しゃ、社宅?」

 

「俺は一応モルゲンレーテ社の社員なんだよ。学生寮以外じゃそこで生活してんの」

 

「そうだったのか・・・」

 

「お前は?」

 

「実家があるけど・・・」

 

「そうか」

 

 

 

そう言えば言わなかったな。別に言う必要はないか。

 

 

 

「秋月君って何処から来たの?遠い?」

 

 

 

デュノアから質問が来た。答える義理はないが知られても別にいいか

 

 

 

「実家は都内じゃないけど関東圏だよ。面倒だから帰ってないけどな」

 

「そうなんだ」

 

「そこまでで遠くないなら遊びに行けそうだな」

 

「ん?・・・ああ、機会があればな・・・」

 

「その時は皆で行こうぜ。なぁシャル」

 

「えっと・・・うん。そうだね一夏」

 

 

 

まぁもうないけどな。俺が住んでいたのは古い木造のアパートなんだが"あの日"から監禁されている間に取り壊されていた。なんでも大家が別の人に変わって取り壊しを決めたとか聞いたが怪しい。住人である俺の意志も確認していないし私物等は殆ど残っていなかったからなぁ・・・まぁどの道帰れないよな。

 

 

 

「よし、次行くか」

 

「次?」

 

「ああ、俺もシャルも新しい水着を買いに来たんだよ。もうすぐ臨海学校だろ?」

 

「そうか」

 

「確か向こうだったかな?行こうぜシャル、秋月」

 

「うん」

 

「・・・はぁ」

 

 

 

聞こえない位のため息をつく。いつの間にか一緒に行くことになってるよ。ここで離脱しても追われるのがオチか。一旦ついて行って隙が出来るのを待つか。幸い―――

 

 

 

チラッ

 

サッ

 

 

 

隙は十分出来るな。さっきから視線を感じると思ったら・・・やれやれ。織斑達について行き水着売り場へ行く。凄い広いな・・・主に女性用のコーナーが。男物なんか隅にポツンとあるだけだぞ。まぁ俺は買わないからいいけどね。臨海学校は二泊三日で一日目は自由行動なのだが海水浴場があるから大体の奴は海に行くだろう。なにもなければ俺も行ったかもしれないが周りが女子だらけでしかも面倒な奴等(織斑とその周り)が居るから絶対にロクな事が起きないよ。旅館で大人しくしてようかな。うん、そうしよう。

 

 

 

「一夏これはどうかな?」

 

「いいと思うぞ」

 

「じゃあこれは?」

 

「それもいいと思うぞ」

 

「じゃあこれは・・・?」

 

「それもいいぞ」

 

「・・・」

 

 

 

デュノアは織斑に水着を選んでもらっているようだがなんか適当に言っているように聞こえるな。まぁ男に女物は分からないし"アレ"に鈍感な織斑じゃ更に難しいだろうな・・・

 

 

 

「一夏っちょっと来て!」

 

「え!?」

 

 

 

デュノアが水着を持って織斑を連れて試着室へ入っていった。結構大胆な奴だな。本当に同室の時にナニもなかったのか?と疑うレベルだが・・・まぁいいか。逃げるチャンスが出来たので行くか。立ち去ろうとしたら―――

 

 

 

「あれ?秋月君じゃないですか」

 

「お前も買い物か?」

 

 

 

山田先生と織斑先生とが居た。

 

 

 

「こんにちは先生。俺は買い物です。先生達もですか?」

 

「はい。私達も水着を買いに来たんですよ」

 

「秋月は一人で来たのか?」

 

「いえ、織斑とデュノアと一緒です。まぁそこで会っただけですが・・・」

 

「え?二人は何処ですか?」

 

「見間違いじゃなければあっちです」

 

 

 

俺は試着室を指差す。二人の表情が少し固まった。

 

 

 

「え?あそこは・・・」

 

「二人で入ったのか?」

 

「恐らく」

 

「はぁ~・・・まったく」

 

 

 

織斑先生がため息をつく。なんだが大変そうだな。試着室の前で待つと織斑と水着に着替えたデュノアが出て来た。織斑先生が居た事に驚いている。まぁそうなるよな。その後に山田先生から注意された。あーあ離脱する機会を逃したか・・・どうするかなっと思ったら―――

 

 

 

「一夏!」

 

「見ましたわよ」

 

 

 

凰とオルコットが現れた。ん?ボーデヴィッヒも居たのか。ずっと尾行していたがやっと出て来たか。

 

 

 

「お風呂の次は試着室とはアンタって奴は!」

 

「一夏さんは時と場所を弁えない方が良いのですか!?」

 

「二人共なにを怒っているんだよ?」

 

「アンタね~!」

 

 

 

騒がしくなってきたな。今がチャンスだ。離脱するには今しかない。黙っていなくなるのは良くないからデュノアには伝えておくか。

 

 

 

「デュノア、俺急用が出来たからここら辺で失礼するよ」

 

「え?・・・あ、うん」

 

「また学園でな」

 

「うん。またね」

 

 

 

俺は売り場を後にした。勿論急用なんて嘘だ。バスターの改装の状況を確認するためにモルゲンレーテ社へ向かう。やっと解放された。休みでも騒がしいのはごめんだよまったく・・・

 

 

 

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