ーside一夏ー
「来い 白式」
「行くぞ 紅椿」
作戦内容が決まり俺と箒と秋月は浜辺へ移動した。これから暴走したIS"福音"を止めるべく白式を展開し宙に浮く。箒の紅椿も準備は良さそうだな。
「じゃあ箒、よろしく頼む」
「ああ、任せろ。お前は私がしっかりと運んでやる」
なんだか箒の声が弾んでいるような気がする。やっと専用機を持てたからか?一応注意はしておくか。
「いいか箒、これは訓練じゃないから注意して―――」
「無論分かっている。ふふっ・・・心配するな。大船に乗ったつもりでいればいいさ」
・・・箒の奴ちょっと浮かれてないか?まぁ俺がしっかりすれば大丈夫だろう。
「織斑の言う通りだ。訓練ではなくこれは実戦だぞ。浮かれていると危険だぞ」
「なに!・・・私が浮かれていると言いたいのか!?」
「そうだ」
「なんだど!」
秋月は口が悪くないか?それじゃ箒も怒るじゃんか・・・出番が盗られたとか思ってるのかな?・・・やっぱり俺がちゃんとしないとな。
「なぁ二人共そのへんで―――」
「言いたいことはいろいろとあるが決まってしまった以上仕方がない。何かあれば可能な限りフォローはするが無茶はするなよ」
「バカにするな!お前の助けなんかなくても私と一夏で成功させてみせる!」
「・・・そうある事を祈るよ」
「フンッ!」
「・・・」
箒に思うところはあるけど秋月も言い方があるんじゃないのか?・・・まぁコイツは人付き合い苦手そうだし仕方ないかぁ・・・
≪織斑、篠ノ之、秋月、聞こえるか?≫
「はい」
「よく聞こえます」
「聞こえます」
≪作戦を開始するぞ。用意はいいな?≫
「「「はい」」」
≪では、作戦開始!≫
千冬姉からの通信で作戦が始まった。俺は箒の背に乗り合図を送る。
「行くぞ、一夏」
「おう」
紅椿は一気に大空へと駆け上がりあっという間に俺達が居た浜辺が見えなった・・・すげぇ加速だ・・・これならいけるかも・・・ん?空に銀色に光る物が見えた・・・あれが福音か?
「見えたぞ一夏」
「よし、一気に行くぞ!!」
紅椿が加速し俺も零落白夜を展開する。これで決める!
ーside箒ー
「一夏ぁ!しっかりしろ!」
「・・・」
一夏は私の腕の中で力なく項垂れている。何度呼んでも返事がない・・・どうしてこうなるのだ・・・やっと専用機を手に入れたのに・・・ようやく一夏の隣に立てたっと思ったのに・・・私の思い上がりだったのか?私が弱いから一夏は身代わりになったのか?・・・違う、こんな事は望んでいない・・・福音が迫って来る。一夏を守りながら戦うにはエネルギーがない。このまま私達は―――
バッシュ!!
「え・・・?」
突然の攻撃で福音がよろめく。今のはまさか・・・通信が入って来た。
≪篠ノ之!今のうちに織斑を連れて離脱しろ!≫
秋月が私達を通り越し福音に突進していった。
「だがお前一人では―――」
≪織斑を死なせる気か!?早く行け!!≫
「ッ!」
"死"という言葉に気付かされる。そうだ、このままでは一夏が・・・ここはアイツに任せるしかない。
「すまん・・・」
私達は離脱する。死なないでくれ・・・一夏。
「はぁ・・・はぁ・・・」
旅館が見えて来た。ここまで来ればもう安心だ。秋月にも離脱するように・・・あれ?レーダーから秋月の反応が消えている・・・そんなぁ・・・嘘だろ・・・